Journals

(更新日 2008年7月14日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
1 July 2008 Volume 149 Issue 1
(監修:植田秀樹,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
米国における糖尿病と聴力障害:1999年から2004年の米国全国健康・栄養調査からの聴力測定に関するエビデンス
Diabetes and Hearing Impairment in the United States: Audiometric Evidence from the National Health and Nutrition Examination Survey, 1999 to 2004
Kathleen E. Bainbridge, Howard J. Hoffman, and Catherine C. Cowie
1999年から2004年の米国全国健康・栄養調査からのデータを用いて,Bainbridgeと同僚らは,糖尿病患者での聴力障害の頻度は非糖尿病者と比較して2倍となることを発見した.この関係は既知の聴力障害のリスク因子とは独立していた.内科医は,聴力障害を発見するための,糖尿病患者に対するスクリーニング検査の有用性に特別に配慮すべきである.
(翻訳:廣井直樹)
高齢2型糖尿病患者への厳格な血糖コントロールにより期待される効果への合併症と機能状態の影響:決断分析
The Effect of Comorbid Illness and Functional Status on the Expected Benefits of Intensive Glucose Control in Older Patients with Type 2 Diabetes: A Decision Analysis
Elbert S. Huang, Qi Zhang, Niren Gandra, Marshall H. Chin, and David O. Meltzer
異なる平均余命の60歳から80歳の高齢者において,ヘモグロビンA1c値を7.9%よりも7%にコントロールする治療の全体的な効果を検討するための決断分析モデルにおいて,厳格なコントロールの全体的な効果は生活の質を調整した生存日数が51日から116日 の範囲にわたった.年齢が進むほど,また平均余命が減少するほどこの効果は減少しており,合併症を持つ高齢者ではヘモグロビンA1c値の目標値は高くしうることが示唆された.
(翻訳:鈴木 昌)
女性と性交渉を持つ女性における特定の膣内細菌と細菌性膣症の治療失敗との関連
Relationship of Specific Vaginal Bacteria and Bacterial Vaginosis Treatment Failure in Women Who Have Sex with Women
Jeanne M. Marrazzo, Katherine K. Thomas, Tina L. Fiedler, Kathleen Ringwood, and David N. Fredricks
細菌性膣症はしばしば治療後も遷延するが,それは膣症関連細菌(BVAB)が原因である可能性がある.女性と性交渉を持つ女性335名において,治療前にクロストリウジムの3菌種(BVAB1, BVAB2, BVAB3); ペプトニフィルス・ラクリマリス(Peptoniphilus lacrimalis); メガスフェラ2型系統菌(Megasphaera phylotype 2)を膣に保有していること,並びに治療へのアドヒアランスが不良であることが,治療後1か月における細菌性膣症の遷延と相関していた.診断時の微生物学的検査により治療失敗の予測が可能となるかもしれない.
(翻訳:高田 徹)
患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
肺炎患者への抗菌薬投与のタイミングの公衆衛生報告:欠陥のある評価指標から学ぶ
Public Reporting of Antibiotic Timing in Patients with Pneumonia: Lessons from a Flawed Performance Measure
Robert M. Wachter, Scott A. Flanders, Christopher Fee, and Peter J. Pronovost
市中肺炎に対して4時間以内に投与したかどうかは,治療の質の評価指標として一般的であるが,一方でしばしば批判の対象にもなっている.著者は公衆衛生学的評価指標の策定のために5つの推奨事項を作成した.
(翻訳:宮崎泰成)
総説(Reviews)
メタ解析:吸入ステロイドにサルメテロールを追加することが重大な喘息関連事象に与える影響
Meta-analysis: Effects of Adding Salmeterol to Inhaled Corticosteroids on Serious Asthma-Related Events
Eric Bateman, Harold Nelson, Jean Bousquet, Kenneth Kral, Laura Sutton, Hector Ortega, and Steven Yancey
吸入ステロイド単独では気管支喘息がコントロールされていない患者さんの処方に,長時間作用型のβ作動薬を追加することが安全であるかについては,沢山の疑問が投げられている.持続性の気管支喘息にかかっている20,966例の患者が関与した66のグラクソ・スミスクライン社の試験では,1日2回の50μgのサルメテロールと吸入ステロイドによる治療は,気管支喘息に関連した入院の危険性に影響を与えないようであっただけでなく,全身的ステロイド投与を必要とするような重度増悪の危険性を減らした.併用療法を受けていた患者では,気管支喘息関連の死亡が1例と気管内挿管が1例起こった.
(翻訳:小出優史)
展望(Perspectives)
代理人による意思決定:倫理の理論と実地の医療の折り合いをつける
Surrogate Decision Making: Reconciling Ethical Theory and Clinical Practice
Jeffrey T. Berger, Evan G. DeRenzo, and Jack Schwartz
判断を下すための認知能力を有しない成人患者が多く存在し,これらの患者は代理人に頼らなければならない.代理人は通常,患者の既知の希望,患者であればどういう決断をしただろうと代理人が思うこと,あるいは予想される患者の最大の利益に基づいて決定する.しかしながら,この枠組みには限界がある.著者らは,代理人による意思決定についての研究をレビューし,実際に行われていることと規範とを比較する.そして,改善のための方法を提言する.
(翻訳:泉谷昌志)


診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
成人における無症候性細菌尿のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会の再確認勧告声明
Screening for Asymptomatic Bacteriuria in Adults: Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force Reaffirmation Recommendation StatementWeb-only lightning bold
Kenneth Lin and Kevin Fajardo
LinとFajardoの系統的レビューは本号の,無症候性細菌尿のスクリーニングに関する米国予防サービス専門作業部会(USPSTF)の勧告を支持する.この原著はwww.annals.orgでのみアクセス可能である.
(翻訳:佐々木徹)
成人における無症候性細菌尿のスクリーニング検査:米国予防医療サービス専門作業部会の再確認勧告声明
米国予防医療サービス専門作業部会

Screening for Asymptomatic Bacteriuria in Adults: U.S. Preventive Services Task Force Reaffirmation Recommendation Statement
U.S. Preventive Services Task Force
米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は,12週から16週までの妊婦,あるいは,遅くとも出産前の最初の受診において,無症候性細菌尿をスクリーニング検査するという2004年の勧告を再確認している(推奨度A).USPSTFは,男性や妊娠していない女性において,無症候性細菌尿をスクリーニング検査することを推奨していない(推奨度D).
(翻訳:井田弘明)
論評(Editorials)
聴力喪失と糖尿病:あなたは何を見逃しているか気づいていないかもしれない
Hearing Loss and Diabetes: You Might Not Know What You're Missing
Keiko Hirose
この論文では,Bainbridgeと同僚らは米国全国健康・栄養調査を基にすると,糖尿病者は非糖尿病者と比較して聴力喪失のリスクが高まっていたと報告している.彼らの検討は,より厳格な血糖コントロールが聴力喪失の進行に対する抑制効果を有するかどうかといったような,糖尿病性蝸牛管障害の進行を抑制するかもしれない内科的または外科的治療に関する,また,糖尿病に関連する聴力喪失の臨床的な意義に関する将来の研究のための可能性を開いている.
(翻訳:廣井直樹)


薬の安全性とサルメテロール:論争は続く
Drug Safety and Salmeterol: The Controversy Continues
Kevin B. Weiss
今月号では,Batemanと同僚らが,喘息治療においてサルメテロールと吸入ステロイド薬の併用治療群と吸入ステロイド薬単独治療群との比較で,喘息に関連した重症のイベントの頻度に有意差があるかを明らかにするために,有効な無作為臨床試験の患者データを集めて報告している.この研究は十分考慮された方法論を使ってよく実行されているが,集めたデータには制限があった.より新しい臨床研究のデータがない現状での最善の助言は,国内で認められたガイドラインの適応症例のみに,この併用治療を使うのが望ましく,さらに長期作用型β刺激薬を初回治療としては使用しないことである.
(翻訳:宮崎泰成)


我々のバイタルサインを取ってみる:レビューの年
Taking Our Vital Signs: The Year in Review
The Editors
編集者はAnnalsとともに過ぎた年から,変化と業績をレビューする.
(翻訳:佐々木徹)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
糖尿病は聴力聴覚に影響するか?
Does Diabetes Affect Hearing?
(翻訳:吉井康裕)
女性との性行為を持つ女性を治療した後に遷延あるいは再発する細菌性膣疾患と関連する因子
Factors Related to Bacterial Vaginosis That Persists or Occurs Again after Treatment in Women Who Have Sex with Women
(翻訳:松浦喜房)
成人における無症候性細菌尿のスクリーニング検査:米国予防医療サービス専門作業部会勧告
Screening for Asymptomatic Bacteriuria in Adults: U.S. Preventive Services Task Force Recommendations
(翻訳:泉谷昌志,柳川 健)
クリニックにて(In the Clinic)
座瘡
Acne
本号では(疾患名)の臨床について,予防,スクリーニング,診断,治療,診療の進歩,患者情報に焦点をあてて概説している.
(翻訳:鈴木 昌)
Annals Home Page

▲このページのTOPへ