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(更新日 2008年12月15日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
2 December 2008 Volume 149 Issue 11
(監修:上野義之,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
結核患者との接触歴のある小児における,T細胞をベースとしたインターフェロンγバイオマーカーの予後予測因子としての価値
Prognostic Value of a T-Cell-Based, Interferon- Biomarker in Children with Tuberculosis Contact
Mustafa Bakir, Kerry A. Millington, Ahmet Soysal, Jonathan J. Deeks, Serpil Efee, Yasemin Aslan, Davinder P.S. Dosanjh, and Ajit Lalvani
結核感染患者への暴露後に結核を発症するリスクの高い人を同定することは重要である.Enzyme-linked immunospot(ELISpot)のようなインターフェロンγ応答アッセイの活動性結核を予測する能力についての情報はほとんど無い.著者らは最近,家庭内で結核に暴露したトルコ人の小児と青少年908人をフォローした.381人のELISpot陽性の小児のうち11人はその後活動性結核を発症したが,ツベルクリン反応陽性の小児では550人のうち活動性結核を発症したのは12例であった.ELISpotは陰性である場合に比べて,陽性の場合は活動性結核への進行のリスクが3倍程度上昇する.
(翻訳:柳 秀高)
僧帽弁逸脱の形態学とアウトカムにおける性差
Sex Differences in Morphology and Outcomes of Mitral Valve Prolapse
Jean-François Avierinos, Jocelyn Inamo, Francesco Grigioni, Bernard Gersh, Clarence Shub, and Maurice Enriquez-Sarano
女性では,僧帽弁逸脱は男性より一般的であるが,男性は重度の僧帽弁逆流のために,より頻繁に手術を受ける.Avierinosと同僚らはこれらの性別由来の違いの理由を決定しようと試みた.僧帽弁逸脱が心エコー法で診断されている4,461人の女性と3,768人の男性の中で,重度の逆流を持っている女性はより少なかった.しかしながら,重度の逆流の女性は,外科手術をより受けない傾向があり,男性より生存率が低かった.外科手術が行われた患者間では,生存率は男女間で差はなかった.
(翻訳:小野広一)
アルコールのスクリーニングスコアと服薬非遵守
Alcohol Screening Scores and Medication Nonadherence
Chris L. Bryson, David H. Au, Haili Sun, Emily C. Williams, Daniel R. Kivlahan, and Katharine A. Bradley
アルコール濫用は服薬遵守できない危険因子と考えられている.Brysonと共同研究者らは7つの在郷軍人病院プライマリ・ケア外来の患者においてアルコール濫用の程度に応じてスタチンや降圧薬の服薬遵守率が線形に減少することを確認した.1年後のスタチンの服薬遵守率は非飲酒群より中等症と重症のアルコール濫用群において低かった.同様に降圧薬に対する服薬遵守率も非飲酒群より軽症から重症の3つのアルコール濫用群において低かった.
(翻訳:鈴木 昌)
患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
ホスピタリストによる能動的ベッド管理と救急診療部滞在時間
Active Bed Management by Hospitalists and Emergency Department Throughput
Eric Howell, Edward Bessman, Steven Kravet, Ken Kolodner, Robert Marshall, and Scott Wright
Howellと同僚らは,救急診療部の過剰な混雑を緩和し,救急診療部滞在時間を改善するという医療の質向上のための協力体制について報告している.ホスピタリストが定期的に救急診療部を訪れ,入院患者の空床状況を評価し,入院した患者を空床のある病棟へとトリアージする手助けをした.このプログラムは有効であった:入院した患者の救急診療部滞在時間は減少し(458分から360分),救急診療部混雑による救急車受入れ困難時間も6%減少した.
(翻訳:泉谷昌志)
医学と臨床(Academia and Clinic)
新規の検査は,いつ,標準基準の検査として認められるべきか?
When Should a New Test Become the Current Reference Standard?
Paul Glasziou, Les Irwig, and Jonathan J. Deeks
新規の診断学的検査が現行の確立した標準となる試験と比べて優れているかどうかの判断は,完全な標準基準となる検査が無いため,避けられている.この問題は,正確性の評価よりも判断に及ぼす臨床的な影響に重点を置くことにより回避できるかもしれない.著者らは,不完全であるが疾病と非疾病を区別できる,先入観にとらわれない“公平な審判”という概念について述べている.この枠組みの中で,彼らは新規の試験の価値を判断するのに役立つ3つの原則に関して述べている.
(翻訳:岩本和也)

総説(Reviews)
ナラティブ・レビュー:州法により「ごめんなさい」は言いやすくなるのか?
Narrative Review: Do State Laws Make It Easier to Say "I'm Sorry?"
William M. McDonnell and Elisabeth Guenther
医療過誤を減らすための率先した取り組みは,概して,医療過誤を認識し,公表することにかかっている.医療訴訟の恐怖から,しばしば,公表がなされないこともある.いくつかの州議会は,「謝罪法」を施行し,医師に医療過誤を公表するよう促している.著者らは米国の50州とワシントンDCにおいて謝罪法を特徴づけ,州にまたがるこれらの法律の重要な相違点をレビューし,謝罪法の潜在的な影響につき調査している.
(翻訳:石田真美子)
展望(Perspectives)
死亡と税金
Death and Taxes
G. Stuart Mendenhall
現在の米国の法律では,2010年1月1日に遺産税率が0まで下がる.Mendenhallは,この税率の急激な変化と,それによる優遇措置が余命幾ばくもない人々をその日までなんとか生き永らえさせようとする誘因になっていることについて議論している.
(翻訳:岩永正子)
あなたの愛する人が病気になった時,あなたはどうしますか?医師の立場と家族の一員としての立場の境界線
What Do You Do When Your Loved One Is Ill? The Line between Physician and Family Member
Erik K. Fromme, Neil J. Farber, Stewart F. Babbott, Mary E. Pickett, and Brent W. Beasley
医師が家族の病気にかかわることになる時,家族としての個人的な役割と,専門家たる医師としての役割の間に葛藤が生まれる.筆者は実例となるケースをあげ,家族の一員としての医師が遭遇する危険性と有益性に関して論じている.
(翻訳:川口鎮司)
論評(Editorials)
飲酒と薬:適量,過量という時とは?
Drinking and Drugs: When Is Enough Too Much?
Carol Golin
本号で,Brysonと同僚らは,アルコール濫用と服薬非遵守の関係が,経口血糖降下薬ではみられないものの,降圧薬とスタチンでは直接,用量に関連することを報告している.このように良くデザインされ,正確に実行された前向き研究は,薬物濫用と服薬非遵守との関係を理解する上で主要な進歩となるが,多くの古典的な研究と同様に,答えよりも多くの疑問をもたらす.
(翻訳:勝田秀紀)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
僧帽弁逸脱の男女間の違い
Differences in Mitral Valve Prolapse between Men and Women
(翻訳:川上寿一)
クリニックにて(In the Clinic)
高血圧
Hypertension
本号では高血圧の臨床について,診断,治療,診療の進歩,患者情報に焦点をあてて概説している.
(翻訳:永松聡一郎)
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