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(更新日 2009年1月6日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
16 December 2008 Volume 149 Issue 12
(監修:板東 浩,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
変性脊椎すべり症を併っている脊柱管狭窄症と伴っていない脊柱管狭窄症の外科的治療:2年後の費用対効果
Surgical Treatment of Spinal Stenosis with and without Degenerative Spondylolisthesis: Cost-Effectiveness after 2 Years
Anna N.A. Tosteson, Jon D. Lurie, Tor D. Tosteson, Jonathan S. Skinner, Harry Herkowitz, Todd Albert, Scott D. Boden, Keith Bridwell, Michael Longley, Gunnar B. Andersson, Emily A. Blood, Margaret R. Grove, James N. Weinstein for the SPORT Investigators
Tostesonと同僚らは,外科的治療の費用対効果の評価をするために,「脊柱管狭窄症または変性脊椎すべり症の手術を受けた患者では,手術を受けなかった患者よりもアウトカムが2年以上良好であった」ことを見出しているSPORT(脊椎疾患患者の治療アウトカム検討試験)からのデータを用いた.生活の質を調整した獲得生存年当たり,脊柱管狭窄症の手術費用は約77,000米ドル,脊椎すべり症の手術費用では約115,000米ドルであった.しかし,もし患者の観察期間をより長くした場合,その費用対効果は変化する可能性がある.
(翻訳:廣井直樹)
メディケイドの補償停止と外来ケアによく反応する疾病の入院リスク
Interruptions in Medicaid Coverage and Risk for Hospitalization for Ambulatory Care-Sensitive Conditions
Andrew B. Bindman, Arpita Chattopadhyay, and Glenna M. Auerback
米国の多くの人々が健康保険の補償停止を経験する.Bindmanと同僚らは,メディケイド(低所得者医療補助制度)加入者で入院したカリフォルニア州の成人において,補償停止と心不全・糖尿病・慢性閉塞性肺疾患など外来ケアによく反応する疾病における高い入院率との間に関連性を見いだした.補償停止を減少させるような保険契約が,このような入院をある程度減らす可能性がある.
(翻訳:土屋直隆)
希望,真実,死への準備:代理意思決定者の観点
Hope, Truth, and Preparing for Death: Perspectives of Surrogate Decision Makers
Latifat Apatira, Elizabeth A. Boyd, Grace Malvar, Leah R. Evans, John M. Luce, Bernard Lo, and Douglas B. White
重症患者を治療する医師は,家族へ厳しい生命予後を知らせることをしばしば避けたいと思う.集中治療室に入院する患者の予後を伝える面談の際に,代理意思決定者の95%が「予後の告知を回避するのは,期待を持ち続けるためであるとしても,容認できるものではない」と感じていた.面談から浮上するテーマは,時機を得て予後を話すことが,感情的にも論理的にも愛する人の死に備えるためには必須であることであった.
(翻訳:沖 将行)
慢性閉塞性肺疾患患者における在宅呼吸リハビリテーションの効果:無作為化試験
Effects of Home-Based Pulmonary Rehabilitation in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Randomized Trial
François Maltais, Jean Bourbeau, Stan Shapiro, Yves Lacasse, Hélène Perrault, Marc Baltzan, Paul Hernandez, Michel Rouleau, Marcel Julien, Simon Parenteau, Bruno Paradis, Robert D. Levy, Pat Camp, Richard Lecours, Richard Audet, Brian Hutton, John R. Penrod, Danielle Picard, Sarah Bernard for the Chronic Obstructive Pulmonary Disease Axis of the Respiratory Health Network, Fonds de la recherche en santé du Québec
呼吸リハビリテーションはアウトカムを改善するが,外来通院によるプログラムへの参加には大きな制約がある.10施設におけるカナダの非劣性試験において,Maltaisと共同研究者らは252人の患者を無作為に在宅または外来通院による8週間の運動療法に割り付けた.1年後,Chronic Respiratory Questionnaireの呼吸困難サブスケールを用いて呼吸困難の程度を評価すると,両群で同等に軽減していた.在宅呼吸リハビリテーションは,外来通院プログラムに替わる妥当な選択肢であるかもしれない.
(翻訳:浦野哲哉)
医学と臨床(Academia and Clinic)
診断テストの精度における系統的レビュー
Systematic Reviews of Diagnostic Test Accuracy
Mariska M.G. Leeflang, Jonathan J. Deeks, Constantine Gatsonis, Patrick M.M. Bossuyt on behalf of the Cochrane Diagnostic Test Accuracy Working Group
Lefflangと同僚らは,診断テストの精度に関する研究の系統的レビューの実施方法について,最近の進歩を紹介した.そのようなレビューを行う研究者たちは,制限された電子検索フィルターやサマリーの質のスコアを避け,一組の推定値と閾値の独立性を説明できるメタ解析の方法,および,データ解析のための階層的サマリーROC (receiver-operating characteristic)または二変量モデルを使うべきである.診断テストの精度に関する課題としては,系統的レビューの不十分な結果報告と結果を解釈するうえでの困難さが挙げられる.
(翻訳:井田弘明)

総説(Reviews)
メタ解析:不健全な飲酒を検出するのに3つの質問で十分か?
Meta-analysis: Are 3 Questions Enough to Detect Unhealthy Alcohol Use?
Levente Kriston, Lars Holzel, Ann-Kristin Weiser, Michael M. Berner, and Martin Härter
Kristonと同僚らは3項目か10項目の質問事項(Alcohol Use Disorders Identification Test-Consumption[AUDIT-C]またはAUDIT)のどちらが成人における不健全飲酒をより明確に検出できるか調査した.彼らはその2つの質問事項の正確性を直接比較した14個の研究を見つけた.これらの研究は主にプライマリ・ケアのセッティングで実施されたものであるが,異なった基準を使っており,異種の調査結果を示していた.AUDIT陽性のプライマリ・ケア患者はAUDIT-C陽性の患者よりも危険飲酒をする傾向があったとする分析(pooled analysis)もあった.そのエビデンスは証明されていないものの,いくつかのセッティングにおいてはAUDITの方が成人における不健全飲酒を検出するのに有用である可能性を示唆している.
(翻訳:柳川 健)
海外から(Abroad)
超高地旅行に対する新しい取り組み:列車はチベット,ラサへ
A New Approach to Very-High-Altitude Land Travel: The Train to Lhasa, Tibet
John B. West
14時間以上にわたって平均海抜4,500メートルの高さ―最も高いところでは5,072メートル(16,600フィート)―を走るチンハイ−チベット鉄道,そしてその列車全体に酸素を供給するという工学技術的偉業について,Westが論じている.鉄道線路建設中や低酸素から乗客を守るための医学的な挑戦は感銘深く,そしてその線路の完成は今までで最も大がかりな高地での工学事業の一つであった.
(翻訳:山内高弘)
論評(Editorials)
脊椎手術の費用対効果:結論はまだ出ていない
Cost-Effectiveness of Spine Surgery: The Jury Is Out
Jeffrey N. Katz and Elena Losina
本号では,Tostesonと同僚らによる2年間の分析で,脊柱管狭窄症に対して骨移植を行わない除圧術は経済的であり,脊椎すべり症に対する椎体固定術は他の治療よりも費用対効果が低いことが示唆された.この研究は,慢性疾患のための限られた医療資源と,一見際限なく高価に思える治療に関して,非常に重要である.脊椎手術の利益がどれほど経済的に妥当なのかは依然として定かでない.
(翻訳:桑江紀子)


診断的検査の精度と臨床決定
Diagnostic Test Accuracy and Clinical Decision Making
John Cornell, Cynthia D. Mulrow, and A. Russell Localio
本号ではLeeflangと同僚らは,診断的検査の精度研究に関する文献を検討した結果,検査精度は直接の臨床状況によると結論付けた.また,本号でKristonらは―彼らはAUDITと AUDIT-Cの精度を比較したが―臨床現場で使用する範囲内で診断的検査を比較することで,検査が実際どのように機能するかについての臨床医の理解がより深まることを例証している.ここに,診断的検査の精度に関するエビデンスと臨床業務との結合という究極の目標がある.
(翻訳:桑江紀子)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
悪い知らせを分かち合うことについての家族の意見
Family Members' Opinions about Sharing Bad News
(翻訳:池田正行)
慢性閉塞性肺疾患患者における在宅呼吸リハビリテーションの効果
Effects of Home-Based Pulmonary Rehabilitation in Patients with Chronic Obstructive Lung Disease
(翻訳:吉田 博)
ACP Journal Club
患者ケアのための最良の新しいエビデンス
論評:GRADE:診断指針のエビデンスの質について言及する.
Editorial: GRADE: assessing the quality of evidence for diagnostic recommendations
糖尿病合併症予防のための早期からの厳密な血糖コントロールの利益は,10年は維持された.
Benefits of early intensive glucose control to prevent diabetes complications were sustained for up to 10 years
糖尿病合併症予防のための厳密な血圧コントロールの利益は維持されなかった.
Benefits of tight blood pressure control to prevent diabetes complications were not sustained
総説:経腸的または経静脈的栄養療法は,急性膵炎の死亡リスクを減少させる.
Review: Enteral or parenteral nutrition reduces risk for mortality in acute pancreatitis
テルミサルタン(商品名:ミカルディス)とラミプリルの併用は血管疾患や糖尿病における腎機能の予後を改善させた.
A combination of telmisartan and ramipril increased renal outcomes in vascular disease or diabetes
骨粗鬆症の閉経後女性に対する,ゾレドロン酸の年一回投与は,2年間では腎機能異常を増加させなかった.
Annual zoledronic acid did not increase renal abnormalities at 2 years in postmenopausal women with osteoporosis
急性心原性肺水腫において,非侵襲的換気は呼吸困難を軽減させたが,短期死亡を減少させなかった.
Noninvasive ventilation improved dyspnea but did not reduce short-term mortality in acute cardiogenic pulmonary edema
膝関節内視鏡検査における深部静脈血栓症の予防に,弾性ストッキングよりも低分子ヘパリン7日間投与の方が有効であった.
Low-molecular-weight heparin for 7 days was more effective than compression stockings for preventing DVT in knee arthroscopy
総説:がん患者において,周術期における低分子ヘパリン投与は未分画ヘパリンと比較して術後死亡を減少させない.
Review: Perioperative LMW heparin does not reduce mortality after surgery more than unfractionated heparin in patients with cancer
総説:患者に合わせて作成した足矯正装具は,ある種の足の痛みに対して有効である.
Review: Custom-made foot orthoses are effective for some types of foot pain
尿中好中球ゲラチナーゼ結合リポカリンの1回測定は,急性腎障害を正確に診断できた.
A single measure of urinary neutrophil gelatinase-associated lipocalin was accurate for diagnosing acute kidney injury
総説:てんかんを有する人は一般人口と比較して溺死のリスクが高い.
Review: Persons with epilepsy have higher risk for death by drowning than does the general population
総説:血管運動性症候は閉経後1年で最も著しく,年余にわたって持続するかもしれない.
Review: Vasomotor symptoms peak at 1 year after final menstrual period and may persist for many years
用語解説
Glossary
(翻訳:小池竜司)

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