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原著(ARTICLE)
救急診療部における迅速HIV検査から予想を改める
Revising Expectations from Rapid HIV Tests in the Emergency Department
Rochelle P. Walensky, MD, MPH; Christian Arbelaez, MD, MPH; William M. Reichmann, MA; Ron M. Walls, MD; Jeffrey N. Katz, MD, MSc; Brian L. Block, BA; Matthew Dooley, BA; Adam Hetland, BA; Simeon Kimmel, BA; Jessica D. Solomon, BS; and Elena Losina, PhD
5 August 2008 | Volume 149 Issue 3 | Pages 153-160
背景: 米国においてHIVスクリーニングへの取り組みが広がりつつある今,救急診療部で迅速HIV検査の使用が増加している.迅速HIV検査の感度と特異度は99%を越えると報告されている.

目的: 救急診療部における迅速口腔HIV検査の陽性結果が,HIV感染成人を正確に同定しているか否かを評価する.

研究デザイン: 無作為化臨床試験の枠組み内で診断検査の性能を評価

セッティング: ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(マサチューセッツ州ボストン)の救急診療部で2007年2月7日から10月1日まで

患者: 妥当な迅速口腔HIV検査結果を有する成人849名

介入: 用いた迅速HIV検査はOraQuick ADVANCE 迅速 HIV-1/2 抗体検査(OraSure Technologies 社,ペンシルバニア州ベツレヘム).迅速検査陽性患者に対し,EIA(酵素イムノアッセイ),ウェスタンブロット法,血漿HIV-1 RNA検査による確認検査を実施した.

測定: 特異度と陽性尤度比

結果: 39例が陽性であった(4.6% [95%信頼区間(CI),3.2%-6.0%]).確認検査を実施し,HIV感染者は5例(有病率 0.6% [CI,0.1%-1.1%]),HIV非感染者が26例であった(8例は確認検査を拒否).迅速検査の推定される特異度は96.9%(CI,95.7%-98.1%)であった.未確認症例における真のHIV感染状況と検査感度を感度分析すると,陽性尤度比が8から32となった.ウェスタンブロット法単独を確認検査とすると,初回フォローアップ時点でHIV感染状況を結論付けられる患者は50.0%(CI,30.8%-69.2%)に過ぎなかった.確認法のプロトコルにHIV-1 RNA検査を追加すると,この率は96.2%(CI,88.8%-100.0%)に改善した.

研究の限界: OraQuick検査の結果が陰性だった場合の確認が未実施のため,検査の感度を評価できない.

結論: 救急診療部において,口腔OraQuick HIVスクリーニング検査が陽性の患者では,検査前オッズと比較してHIV感染のオッズが8倍から32倍に増加するものの,予想されていたよりも検査の特異度は低かった.

(翻訳:桂 隆志)

English Abstract

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