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総説(Review)
系統的レビュー:潜在結核感染の診断に関するT細胞に基づいた分析:最新版
Systematic Review: T-Cell-based Assays for the Diagnosis of Latent Tuberculosis Infection: An Update
Madhukar Pai, MD, PhD; Alice Zwerling, MSc; and Dick Menzies, MD, MSc
5 August 2008 | Volume 149 Issue 3 | Pages 177-184
背景: インターフェロン-γ測定検査 (IGRAs)はツベルクリン反応(TST)に代わる検査である.最近のメタ解析で,IGRAsはBCGワクチンを受けた集団の中にあっても,高い特異度を持つことが示された.TSTとIGRAsの感度については不十分である.

目的: 最近報告された20の研究のエビデンスを,最新のIGRAsの感度・特異度についてメタ解析に組み入れる.

情報源: PubMedで2008年3月31日まで検索し,すべての英語で出版された原著論文の引用,ガイドライン,研究の総説をレビューした.

研究の選択: QuantiFERON-TB Gold(日本名:クオンティフェロン®TB-2G),QuantiFERON-TB Gold In-Tube (いずれも Cellestis社,オーストラリア,ビクトリア)とT-SPOT.TB (Oxford Immunotec社,英国,オックスフォード),もしくは商品化されたものがない場合には,商品化前のELISpot versionを評価した研究.感度を評価するために,研究サンプルは細菌学的に活動性の結核と確定診断されていなければならない.特異度を評価するために,サンプルには既知の結核曝露がない,健康で感染リスクの低い個人が含まれていなければならない.10名以下の研究や免疫不全の参加者だけが含まれるものは除外した.

データ抽出: 一人のレビュアーが38の研究から参加者の特徴,検査の特徴と性能についてのデータを要約し,これらのデータは2人目のレビュアーによってダブルチェックされた.追加の情報の必要がある場合,論文の著者に連絡を取った.

データ統合: 過剰な分散を補正する固定効果メタ解析が,事前にサブグループの中にデータの蓄積をするために行われた.蓄積された感度は,QuantiFERON-TB Goldでは78%(95%信頼区間(CI),73%-82%),QuantiFERON-TB Gold In-Tubeでは70%(95%CI,63%-78%),T-SPOT.TBでは90%(95%CI,86%-93%)であった.蓄積された特異度は2つのQuantiFERON検査では,BCGワクチンを受けていない集団で99%(95%CI,98%-100%),BCGワクチンを受けている集団では96%(95%CI,94%-98%)であった.T-SPOT.TBで蓄積された特異度は(商品化される前のELISpot versionの分も含めて)93%(95%CI,93%-100%)であった.TSTの結果は異なっているが,特異度はBCGワクチンを受けていない集団で一貫して高かった(97% [95%CI,95%-99%]).

限界: 潜在結核の明確な診断基準がなく,TSTの方法やカットオフ値に多様性があり,ほとんどの研究が小さく限定されていた.商品化されたT-SPOT.TBの特異度についてのデータも限定されたものであった.

結論: IGRAs―特にQuantiFERON-TB GoldとQuantiFERON-TB Gold In-Tube―は,BCGワクチンの影響を受けず,特異度が極めて高かった.TSTの特異度はBCGワクチンを受けていない集団では高いが,BCGワクチンを受けている集団では低く,結果にばらつきがあった.IGRAsとTSTの感度は検査と集団の間で一貫しなかったが,T-SPOT.TBはQuantiFERON検査およびTSTと比較するとより鋭敏のようである.

訳者注: インターフェロン-γ測定検査 (IGRAs):結核菌群とごく一部の非結核性抗酸菌にのみ存在し,全てのBCG亜株と大部分の非結核性抗酸菌には存在しない特異的な抗原を用いて,試験管内で患者血液を刺激.その結果,産生されるインターフェロン-γの量に基づき結核感染を診断する検査法.

(翻訳:鈴木克典)

English Abstract

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