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(更新日 2008年9月16日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
2 September 2008 Volume 149 Issue 5
(監修:秋山真一郎,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
以前に間欠的治療を受けたHIV患者における持続的抗レトロウィルス治療への切り替え後の日和見疾患および死亡のリスク:無作為化試験
Risk for Opportunistic Disease and Death after Reinitiating Continuous Antiretroviral Therapy in Patients with HIV Previously Receiving Episodic Therapy: A Randomized Tria
The SMART Study Group
以前に出版された無作為化比較試験(訳注:NEJM 355:2283-2296, 2006. CD4+ Count-Guided Interruption of Antiretroviral Treatment The Strategies for Management of Antiretroviral Therapy (SMART) Study Group) では,CD4陽性細胞数に基づいて行う間欠的抗レトロウィルス治療は持続的抗レトロウィルス治療に劣る事が示されている.本試験の継続に当たってSMART試験研究班は,最初に間欠的治療を受けた患者群を持続的抗レトロウィルス治療に切り替えることが間欠的治療患者群でみられた日和見感染もしくは死亡の過剰リスクへ及ぼす影響を測定した.持続的治療への切り替えにより,HIV RNA量は速やかに抑制され,日和見疾患または死亡のリスクは―なくなりこそしなかったが―低下した.
(翻訳:紺谷 真)
男性と性交渉を持つ男性のヒトパピローマウイルスに関連する肛門上皮内新生物スクリーニングに用いる肛門細胞診検体の患者採取と医師採取での比較
Comparison of Patient-and Clinician-Collected Anal Cytology Samples to Screen for Human Papillomavirus-Associated Anal Intraepithelial Neoplasia in Men Who Have Sex with Men
Peter V. Chin-Hong, J. Michael Berry, Su-Chun Cheng, Joseph A. Catania, Maria Da Costa, Teresa M. Darragh, Fred Fishman, Naomi Jay, Lance M. Pollack, and Joel M. Palefsky
自己検体採取は肛門腫瘍のスクリーニングのガイドラインの順守を向上させるかもしれない.この研究では,126人の男性と性行為を持つ男性で,患者自己採取と医師採取の細胞診検体の感度と特異度を高解像度の肛門鏡を対照基準として比較した.患者採取の検体は評価可能であったが,上皮内新生物(AIN)を持つ多くの患者で自己採取の細胞診陰性となったため満足できるものではなかった.医師採取の検体であっても,細胞診ではAINの多くの例で陰性となっていた.肛門鏡がより良いスクリーニング手段であり,特に高リスクの患者に対しては良い手段である.
(翻訳:上野義之)
女性の2型糖尿病の発症リスクに関連する総アディポネクチン,高分子アディポネクチンとレジスチン
Total and High-Molecular-Weight Adiponectin and Resistin in Relation to the Risk for Type 2 Diabetes in Women
Christin Heidemann, Qi Sun, Rob M. van Dam, James B. Meigs, Cuilin Zhang, Shelley S. Tworoger, Christos S. Mantzoros, and Frank B. Hu
脂肪組織から分泌される生理活性分子として,アディポカインは肥満と糖尿病をつなぐものかもしれない.著者らは,Nurses' Health Studyの中で当初は健常で後に2型糖尿病を発症した1,038名と糖尿病を発症しなかった対照1,136名の二つのアディポカイン(アディポネクチンとレジスチン)を測定した.アディポネクチンはBMIに独立して糖尿病のリスクの上昇と強く関連していたが,レジスチンは関連しなかった.
(翻訳:吉田 博)
短報:引退後のボランティア活動に対する医師の関心
Brief Communication: Physician Interest in Volunteer Service during Retirement
Philip D. Sloane, Lauren W. Cohen, Thomas R. Konrad, Christianna S. Williams, John G. Schumacher, and Sheryl Zimmerman
多くの「団塊世代」の医師たちが引退年齢に近づいており,それにより米国において医師不足の心配が起こっている.現役引退後の医師が患者を診ることを自発的に行ってくれれば,大規模な引退による影響をいくらか緩和してくれるであろう.著者らはノースカロライナ在住の55歳以上の医師910人に対し調査を行った.少なくとも3分の1の人々は引退後もボランティアの教育や無料医療クリニックで働くことに強い関心を示した.引退した医師が患者診療にかかわることを容易にするようなプログラムが必要である.
(翻訳:林 正樹)
医学と臨床(Academia and Clinic)
米国の医学生における燃え尽き症候群と自殺念慮
Burnout and Suicidal Ideation among U.S. Medical Students
Liselotte N. Dyrbye, Matthew R. Thomas, F. Stanford Massie, David V Power, Anne Eacker, William Harper, Steven Durning, Christine Moutier, Daniel W. Szydlo, Paul J. Novotny, Jeff A. Sloan, and Tait D. Shanafelt
医学校におけるストレスは,自殺念慮や燃え尽き症候群(バーンアウト)につながる.医学生の間で,こうした症状がどれだけ広まっているかは知られていない.米国の7つの医学校,4,287人の医学生における調査によると,過去1年間に,49.6%の医学生が燃え尽き症候群,11.2%の医学生が自殺念慮を持ったことがわかった.370人の燃え尽き症候群の基準をみたした医学生のうち,99人は後に回復した.燃え尽き症候群からの回復は,自殺念慮の頻度の大きな低下と関連した.
(翻訳:永松聡一郎)

総説(Reviews)
系統的レビュー:トルソー症候群の再考:静脈血栓塞栓症の患者に広範な癌検索をすべきか?
Systematic Review: The Trousseau Syndrome Revisited: Should We Screen Extensively for Cancer in Patients with Venous Thromboembolism?
Marc Carrier, Grégoire Le Gal, Philip S. Wells, Dean Fergusson, Tim Ramsay, and Marc A. Rodger
系統的レビューでは,非誘発性静脈血栓塞栓症(VTE)発症後,診断時もしくは様々な時点において,Carrierと同僚らはこれまで診断されていなかった癌の有病率に関する36の研究をまとめた.また,VTE診断時に限定的かつ広範に潜在的な癌検索を試行したことで発見された症例数も検討した.VTE診断時,潜在的な癌の有病率は6.1%であり,診断後12か月では10.0%に上昇した.広範な検索はベースライン(限定的検索では49.4%から69.7%)で発見されるケースの割合を増加させたが,いまだに多くのケースが見過ごされている.
(翻訳:勝田秀紀)
医学と公衆衛生の話題(Medicine and Public Issues)
1996年から2005年の米国における保健詐欺と乱用に対する公益通報に依る強制法の報告
Whistleblower-Initiated Enforcement Actions against Health Care Fraud and Abuse in the United States, 1996 to 2005
Aaron S. Kesselheim and David M. Studdert
司法省は保健詐欺訴訟を訴追するために懸命となっている.公益通報が保健詐欺調査に重要な役割を果たし,通報者はその見返りに保健詐欺被告者から回収金の15-25%を受領できる.1996年から2005年までの連邦の保健詐欺訴訟370件の内で,政府は通報者に10億ドル以上の報奨金を支払ったが,保健詐欺被告者からは93億ドルを回収した.公益通報者の内訳は,経営者や医師の場合もあったが,75%は被告法人の職員であった.
(翻訳:中村浩士)

論評(Editorials)
癌の5セント硬貨ほどの価値
A Nickel's Worth of Cancer
Deborah L. Ornstein
この号で,Carrierと同僚らは,VTEのある患者での癌の期間有病率について3時点について報告し,誘因がなく起きたVTEは誘因のあるVTEより癌により一般的に関連していることを明らかにし,積極的なスクリーニングは通常のケアよりもベースラインでより多くの癌を発見することを明らかにした.これらの知見が示すことは,十分にしっかりと検索することで,隠れた癌を,相当な割合の原因不明のVTE患者の中から見つけられる,ということである.しかしながら,癌の検索は費用がかかり,見つけることが生存に影響するかどうかはわからない.
(翻訳:川上寿一)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
中断後,治療を再開されたHIV感染者の結果
Outcomes of HIV Infection in Persons Who Resume Treatment after Interruptions
(翻訳:桑江紀子)
肛門がんスクリーニングにおける患者と医師による採取標本の比較
Comparison of Patient- and Physician-Collected Specimens to Screen for Anal Cancer
(翻訳:岩永正子)
クリニックにて(In the Clinic)
深部静脈血栓症
Deep Venous Thrombosis
本号では深部静脈血栓症の臨床について,予防,スクリーニング,診断,治療,診療の進歩,患者情報に焦点をあてて概説している.
(翻訳:柳 秀高)
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