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(更新日 2008年11月4日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
21 October 2008 Volume 149 Issue 8
(監修:加藤秀章,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
肺動脈性肺高血圧症患者に対する長期エポプロステノール静脈注射治療にシルデナフィルを併用した無作為化試験
Addition of Sildenafil to Long-Term Intravenous Epoprostenol Therapy in Patients with Pulmonary Arterial Hypertension: A Randomized Trial
Gérald Simonneau, Lewis J. Rubin, Nazzareno Galiè, Robyn J. Barst, Thomas R. Fleming, Adaani E. Frost, Peter J. Engel, Mordechai R. Kramer, Gary Burgess, Lorraine Collings, Nandini Cossons, Olivier Sitbon, David B. Badesch for the PACES Study Group
短期間の,多施設臨床試験において,Simonneauと同僚らは,少なくとも3か月以上エポプロステノール静脈注射治療を受けている肺動脈性肺高血圧症患者267人を16週間の経口シルデナフィル投与群あるいはプラセボ投与群のいずれかに無作為に割り付けた.プラセボ投与群と比べて,シルデナフィル投与群では運動能,血行動態の測定値が改善され,臨床症状が増悪するまでの期間が延長した.また,副作用の頭痛とディスペプシアの発現頻度も高かった.投与開始前の運動能がより高かった患者群では最も改善を認めた.
(翻訳:峠岡康幸)
血糖コントロール不良患者に経口糖尿病治療薬に加えて中性プロタミン・リスプロインスリンやインスリングラルギンを加える:無作為化比較試験
Addition of Neutral Protamine Lispro Insulin or Insulin Glargine to Oral Type 2 Diabetes Regimens for Patients with Suboptimal Glycemic Control: A Randomized Trial
Katherine Esposito, Miryam Ciotola, Maria Ida Maiorino, Roberto Gualdiero, Bruno Schisano, Antonio Ceriello, Flora Beneduce, Giovanni Feola, and Dario Giugliano
経口糖尿病薬で血糖のコントロール不良な多くの2型糖尿病患者は就寝前にインスリンを投与している.以前の2つの試験で,中性プロタミン・リスプロ(NPL)インスリンは,中性プロタミン・ハーゲドンインスリンよりも良好な血糖のコントロールを達成できることが示されていた.Espositoと同僚らは,経口糖尿病薬を内服している血糖のコントロール不良な2型糖尿病患者を,就寝前にインスリングラルギンもしくはNPLインスリンを投与する群に,無作為に割り当てた.36週間以上,2つの群は血糖コントロールと低血糖事象の発生率は同等であった.
(翻訳:金澤雅人)
民族的に多様な都市社会における心不全の看護師主導の疾患管理に関する費用対効果
Cost-Effectiveness of Nurse-Led Disease Management for Heart Failure in an Ethnically Diverse Urban Community
Paul L. Hebert, Jane E. Sisk, Jason J. Wang, Leah Tuzzio, Jodi M. Casabianca, Mark R. Chassin, Carol Horowitz, and Mary Ann McLaughlin
看護師主導の患者管理は心不全患者の臨床予後を改善するが,これらの手法の費用対効果について明らかにされていない.社会経済学的に貧困な心不全患者について,(看護師による)患者管理と通常のケアを12か月間行った無作為化試験の費用データを用いて,Hebertと共同研究者らは十分な患者管理の費用対効果は生活の質的調整後の単位年当り2万ドル未満であると算出した.このプログラムは貧困な社会での心不全発症を削減させるのに十分な費用対効果を示した.
(翻訳:新沼廣幸)
総説(Reviews)
系統的レビュー:2型糖尿病に対する二相性インスリンアナログ製剤の有効性と安全性の比較
Systematic Review: Comparative Effectiveness and Safety of Premixed Insulin Analogues in Type 2 Diabetes
Rehan Qayyum, Shari Bolen, Nisa Maruthur, Leonard Feldman, Lisa M. Wilson, Spyridon S. Marinopoulos, Padmini Ranasinghe, Muhammed Amer, and Eric B. Bass
二相性インスリンアナログ製剤は,速効型と中間型インスリンアナログ製剤との混合製剤である.他の抗糖尿病薬と比較したその有用性は未だ明確には確立されていない.成人2型糖尿病での比較試験の系統的レビューで,二相性インスリンアナログ製剤とヒトインスリン混合製剤が同様の血糖コントロールであることを示した.二相性インスリンアナログ製剤は,持効型インスリンアナログ製剤とインスリン以外の抗糖尿病薬に比して厳格な血糖コントロールを示し,低血糖が多かった.しかしながら,糖尿病での臨床的アウトカムの有用性としてのエビデンスは,不十分であり結論に至らなかった.
(翻訳:金原秀雄)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
母乳栄養推進のためのプライマリ・ケアにおける介入:米国予防医療サービス専門作業部会による勧告
Primary Care Interventions to Promote Breastfeeding: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
U.S. Preventive Services Task Force
米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は,母乳栄養を推進するためのカウンセリングに関する2003年の勧告を改訂する.母乳栄養を推進・後援する目的でプライマリ・ケア医が着手,実施,あるいは関与した活動に関して2001年1月から2007年1月の間に出版された論文を系統的にレビューした結果を専門作業部会が評価した.母乳栄養を推進,後援するため,USPSTFは妊娠中や分娩後の介入を推奨している(推奨度B).
(翻訳:赤真秀人)
母乳栄養推進のためのプライマリ・ケアにおける介入:米国予防医療サービス専門作業部会のためのエビデンスレビュー
Interventions in Primary Care to Promote Breastfeeding: An Evidence Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Mei Chung, Gowri Raman, Thomas Trikalinos, Joseph Lau, and Stanley Ip
母乳栄養推進という米国予防医療サービス専門作業部会の勧告を支持するために,Chungと同僚らは,母乳栄養推進のためにプライマリ・ケアによって開始された介入が,母乳栄養の普及率と乳児及び授乳婦の健康状態を改善するというエビデンスを系統的にレビューした.エビデンスは,母乳栄養推進のための介入は,通常のケアよりも短期的および長期的に母乳栄養率を上昇するという点において効果的であることを示唆した.出産前と出産後の介入と授乳婦仲間や授乳経験者である一般人の協力を得ることは有益であるかもしれない.
(翻訳:柳川 健)
論評(Editorials)
肺動脈性肺高血圧症に対する治療:併用がより効果的か?
Therapy for Pulmonary Arterial Hypertension: The More, the Merrier?
Darren B. Taichman
肺動脈性肺高血圧症に対する併用療法は広く行われている.本記事においてSimonneauと同僚らは,エポプロステノールの経静脈投与を既に受けていた患者に経口シルデナフィルが追加されると,6分間歩行試験,血行動態値,健康関連QOL,そして臨床的な悪化までの時間に改善がみられたと報告した.この試験は肺動脈性肺高血圧症の研究におけるひとつの重要なステップであり,肺動脈性肺高血圧症に対する併用療法の適切なスタディが成し遂げられ,また継続するべきであることを示唆している.
(翻訳:加藤哲朗)


より新しいインスリン製剤の適切な使用法の探求
Newer Insulins in Search of a Niche
Sachin Majumdar and Eugene Barrett
この記事においてEspositoと同僚らおよびQayyumと共同研究者らは,2型糖尿病の治療に対する新しいインスリンアナログの潜在的役割について評価している.経口治療からインスリンへの移行にあたって,中性プロタミン・ハーゲドンインスリン(NPH)インスリンは妥当で費用対効果に優れており,また持効型のインスリンアナログは夜間低血糖が問題になる場合に使用されうる.食事に関連する高血糖に対しては,速効型インスリン/NPHインスリンあるいはNPLインスリンが,強化インスリン療法の代替となるのかもしれない.インスリン療法の選択と修正は容易であるが−難しいのは患者に糖尿病の自己管理を受け入れさせ,生涯にわたりそれを行うようにさせることである.
(翻訳:加藤哲朗)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
肺動脈性肺高血圧症に対する併用療法
A Combination Treatment for Pulmonary Hypertension
(翻訳:菅野義彦)
経口糖尿病薬のみでは血糖コントロール不良な2型糖尿病の患者さんにおけるインスリン追加療法:2種類のインスリンの比較
Comparison of Two Types of Insulin Added to Diabetes Pills in Poorly Controlled Type 2 Diabetes
(翻訳:新谷英滋)
母乳栄養の推進:米国予防医療サービス専門作業部会による勧告
Health Care Strategies to Promote Breastfeeding: U.S. Preventive Services Task Force Recommendations
(翻訳:井上直紀)
ACP Journal Club
患者ケアのための最良の新しいエビデンス
論評:範囲バイアス:どうして総合内科医と専門医は,理解し合えないのか.
Editorial: Spectrum bias: why generalists and specialists don't connect
2型糖尿病患者において,血糖自己測定を実施しても,血糖コントロールは改善されなかった.
Glycemic control was not affected by self-monitoring of blood glucose in type 2 diabetes
インスリン投与を受けていない2型糖尿病において,血糖自己測定をしても,費用対効果は良くなかった.
Self-monitoring of blood glucose was not cost-effective in non-insulin-treated type 2 diabetes
股関節形成術において,リバロキサバンかエノキサパリンによる血栓予防を施行した場合,大出血や他の安全性のアウトカムに関して,両者間で差は無かった.
Thromboprophylaxis with rivaroxaban or enoxaparin did not differ for major bleeding or other safety outcomes in hip arthroplasty
膝関節形成術において,リバロキサバンかエノキサパリンで血栓予防を施行した場合,大出血に関して,両者の差は無かった.
Thromboprophylaxis with rivaroxaban or enoxaparin did not differ for major bleeding in knee arthroplasty
うっ血性心不全のある心房細動の患者において,洞調律化した場合と心拍数を正常化した場合とでは,心血管疾患による死亡率に差はなかった.
Rhythm control and rate control did not differ for CV mortality in atrial fibrillation and congestive heart failure
総説:ミフェプリストンはレボノルゲストレルより,緊急避妊薬として有効である.
Review: Mifepristone is more effective for emergency contraception than levonorgestrel
総説:非麦角系ドーパミン作働薬は,下肢静止不能症候群(むずむず脚症候群)の症状を軽減するが,副作用のため投与を中断することがある.
Review: Nonergot dopamine agonists reduce symptoms in the restless legs syndrome but may be discontinued due to adverse events
インターネットを利用した薬剤師の指導を含む在宅療養への介入により,コントロールされていない高血圧患者の血圧コントロールは改善した.
An intervention involving pharmacist care via the Web improved blood pressure control in uncontrolled hypertension
肩関節周囲炎に対して,理学療法に1経穴の刺鍼術を加えることで,機能が改善するとともに,疼痛も減弱した.
Adding single-point acupuncture to physiotherapy for painful shoulder improved function and reduced pain
総説:64列コンピュータ断層撮影装置による冠動脈血管撮影法により,冠動脈疾患を正確に診断することができる.
Review: 64-slice computed tomography coronary angiography accurately diagnoses coronary artery disease
総説:随時尿の蛋白-クレアチニン比は,高血圧を併発している妊娠女性において,中等度の診断的価値がある.
Review: Spot protein-creatinine ratio has moderate diagnostic performance for proteinuria in pregnant women with hypertension
結核患者への接触者に対する一つの診断モデルは,感度は良かったが,特異度は低かった.
A model was sensitive but not specific for screening for tuberculosis in contact patients
用語解説
Glossary
(翻訳:菊地基雄)

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