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(更新日 2009年1月19日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
6 January 2009 Volume 150 Issue 1
(監修:植田秀樹,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
大腸内視鏡検査と大腸癌による死亡との関連
Association of Colonoscopy and Death From Colorectal Cancer
Nancy N. Baxter, Meredith A. Goldwasser, Lawrence F. Paszat, Refik Saskin, David R. Urbach, and Linda Rabeneck
スクリーニングの大腸内鏡検査が,大腸癌(colorectal cancer : CRC)の死亡率へ及ぼす効果は,知られていない.Baxterとその同僚らは,52歳から90歳までの,CRCの診断を受けその後に死亡した個々の症例に,CRCで死亡しなかった対照5例をマッチさせるために,カナダのオンタリオ州の診療報酬請求額管理データ(administrative claims data)を利用した.10,292患者症例のうち7%と,51,460対照例のうち9.8%は,部分的な大腸内視鏡検査か全大腸内視鏡検査を受けていた.大腸内視鏡検査は,左側CRCによる死亡数がきわめて少なくなることと強く関連していたが,右側CRCによる死亡数が少なくなることとは関連していなかった.
(翻訳:菊地基雄)
退役軍人省でのトレチノイン外用による化学予防の臨床試験下におけるスタチンの使用と皮膚角化細胞癌のリスクの関連
Association Between Statin Use and Risk for Keratinocyte Carcinoma in the Veterans Affairs Topical Tretinoin Chemoprevention Trial
David D. Dore, Kate L. Lapane, Amal N. Trivedi, Vincent Mor, and Martin A. Weinstock
いくつかの研究はスタチンが皮膚角化細胞癌を予防する可能性を示唆している.退役軍人省での皮膚癌予防のためのトレチノイン外用の無作為化臨床試験のデータを今回解析したところ,皮膚角化細胞癌に対して高リスクの1,037人の対象のうち,37%がスタチンを服用していた.中央値3.5年の経過観察中に,対象者の半数が皮膚角化細胞癌を発症した.いくつかの解析はスタチンの服用と皮膚角化細胞癌の発症の間に統計学的に有意な関連を示さなかった.
(翻訳:こう康博)
市中肺炎,医療ケア関連肺炎および院内肺炎による入院患者の転帰
Outcomes of Patients Hospitalized With Community-Acquired, Health Care-Associated, and Hospital-Acquired Pneumonia
Mario Venditti, Marco Falcone, Salvatore Corrao, Giuseppe Licata, Pietro Serra the Study Group of the Italian Society of Internal Medicine
医療ケア関連肺炎という用語は,最近入院した患者,長期療養施設入所者,透析患者あるいは点滴による抗がん薬治療中の患者における肺炎を意味する.Vendittiらは,イタリアにおいて362人の入院患者の25%にあたる医療ケア関連肺炎では,市中肺炎と比較してより重篤な臨床経過をたどり,死亡率は院内肺炎と同等であることを見出した.ガイドラインで推奨されていない抗菌薬の投与は,医療ケア関連肺炎による死亡と関連していた.
(翻訳:宮崎泰成)
短報:褐色細胞腫患者における放射線撮影用造影剤の点滴とカテコラミン放出について
Brief Communication: Radiographic Contrast Infusion and Catecholamine Release in Patients With Pheochromocytoma
Smita K. Baid, Edwin W. Lai, Robert A. Wesley, Alex Ling, Henri J.L.M. Timmers, Karen T. Adams, Anna Kozupa, and Karel Pacak
造影剤の使用は褐色細胞腫患者に高血圧緊急症を引き起こすと広く考えられている.しかしながら,22例の褐色細胞腫患者に低浸透圧性造影剤を使用してCTを撮影したBaidらの症例検討では,カテコラミンの急激なサージや高血圧緊急症は認められなかった.現在使用されている低浸透圧性のCT用造影剤は褐色細胞腫の患者に使用しても安全のようである.
(翻訳:渡邊祐子)
医学と臨床(Academia and Clinic)
米国における予防接種政策の展開:予防接種実施に対する諮問委員会の役割
Immunization Policy Development in the United States: The Role of the Advisory Committee on Immunization Practices
Jean C. Smith, Dixie E. Snider, and Larry K. Pickering
本論文は米国の予防接種政策の展開における予防接種政策に対する諮問委員会(ACIP)の役割を記述している.それは予防接種政策に対するACIPを形成する構成員,委員会の構成員が利益の相反を勘案する度合い,委員会全体が討議するべき情報を収集する作業部会,そして勧告を策定する過程やそのためのエビデンスの種類に関する記述を含む.
(翻訳:佐々木徹)
総説(Reviews)
非病院ヘルスケアに関連したB型およびC型肝炎ウイルス感染:米国の1998年から2008年
Nonhospital Health Care-Associated Hepatitis B and C Virus Transmission: United States, 1998-2008
Nicola D. Thompson, Joseph F. Perz, Anne C. Moorman, and Scott D. Holmberg
過去10年間に,米国の非病院ヘルスケアで33回のアウトブレイクによって450人にB型またはC型肝炎ウイルス感染が発生した.各々の状況で推測された感染メカニズムはヘルスケアに従事した関係者の感染制御と無菌手技に対する基本的原則の不履行によって発生した患者から患者への伝播であった.患者は常に基本的レベルの肝炎ウイルス防御対策が施されていなければならない.このためには肝炎ウイルスのサーベイランスや各症例に関する調査,さらにはヘルスケアに従事者に対する教育と訓練,また,専門家による監視,許認可制,あるいは社会への啓蒙までをも含めた包括的な対応が求められるであろう.
(翻訳:鈴木 昌)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
成人予防接種推奨一覧:米国2009年版を公表
Recommended Adult Immunization Schedule: United States, 2009*
Advisory Committee on Immunization Practices
予防接種実施勧告委員会(ACIP)は2008年10月に承認されていた2009年度版成人予防接種一覧を公表した.新たに加えられたワクチンはなかったが,脚注にいくつかの修正が加えられた.この一覧は米国家庭医学会,米国産科婦人科学会,米国内科学会からも承認されている.
(翻訳:小出優史)
論評(Editorials)
大腸内視鏡はどのくらい死亡率を低下させるか?
How Much Does Colonoscopy Reduce Colon Cancer Mortality?
David F. Ransohoff
この号でBaxterと同僚らは,全大腸内視鏡検査による大腸癌の死亡率低下のオッズ比は左側病変で0.33であるが右側病変では0.99であると報告している.これらの結果は右側大腸における大腸内視鏡の有用性を示唆するデータはほとんどないことを強調している.大腸内視鏡は有効な介入であるが,大腸内視鏡による利益とリスクの大きさを患者と話すときに医師は現実的であり慎重であるべきだ.
(翻訳:吉井康裕)

成人患者のための予防接種ガイドライン:年次改訂と課題
Immunization Guidelines for Adult Patients: An Annual Update and a Challenge
Gregory A. Poland and William Schaffner
本号に記載されている予防接種実施勧告委員会(ACIP)が策定した成人予防接種スケジュールの最新版における変更点について,この論評ではさらに詳しく述べている.成人予防接種推進医師評議会が米国内科学会や米国感染症協会に宛てて公表した成人予防接種の重要性に対する共同声明も要約している.
(翻訳:吉井康裕)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
大腸内視鏡の大腸がん死亡抑制効果
Effectiveness of Colonoscopy to Prevent Death From Colorectal Cancer
(翻訳:松浦喜房)
さまざまな環境で罹患した肺炎の患者の転帰
Outcomes in Patients Who Acquired Pneumonia in Various Settings
(翻訳:加藤秀章)
クリニックにて(In the Clinic)
蜂窩織炎と軟部組織感染症
Cellulitis and Soft-Tissue Infections
本号では蜂窩織炎と軟部組織感染症の臨床について,診断,治療,診療の進歩,患者情報に焦点をあてて概説している.
(翻訳:山前正臣)
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