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(更新日 2009年6月29日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
16 June 2009 Volume 150 Issue 12
(監修:上野義之,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
過体重や肥満の成人での体重と脂肪過多症に対するカルシウム補充の効果:無作為化試験
Effects of Calcium Supplementation on Body Weight and Adiposity in Overweight and Obese Adults: A Randomized Trial
Jack A. Yanovski, Shamik J. Parikh, Lisa B. Yanoff, Blakeley I. Denkinger, Karim A. Calis, James C. Reynolds, Nancy G. Sebring, and Teresa McHugh
いくつかのデータによると体重はカルシウム摂取と逆の関連性があることが示唆されている.Yanovskiと同僚らは,1500mg/dのカルシウムの補充を受ける群とプラセボ投与群に無作為に割り付けられた340人の過体重や肥満の患者において,カルシウム補充が体重増加を予防するかどうかを評価した.各群間において2年後の体重,BMI,体脂肪量に差異を認めなかった.彼らは,カルシウム補充は過体重や肥満の人の体重増加を予防しそうにないと結論づけている.
(翻訳:金原秀雄)
スタチン不耐患者の脂質異常症に対する紅麹:無作為化試験
Red Yeast Rice for Dyslipidemia in Statin-Intolerant Patients: A Randomized Trial
David J. Becker, Ram Y. Gordon, Steven C. Halbert, Benjamin French, Patti B. Morris, and Daniel J. Rader
紅麹は,LDLコレステロールを低下させうる補助食品のひとつで,スタチン誘発性ミオパチーのある患者にとっては治療手段の一つになりうるものである.研究者らは,脂質異常症があり少なくとも一種類のスタチンに不耐性であった患者62名を無作為に,紅麹を毎日1800mgずつ2回摂取する群とプラセボ群に分けた.12週間後と24週間後では,LDLコレステロール値と総コレステロール値はプラセボ群よりも紅麹群でより改善していた.筋痛,CPK,肝酵素は群間で差はなかった.
(翻訳:小出優史)
粥状硬化性腎動脈狭窄症を有する腎機能障害患者へのステント留置:無作為化試験
Stent Placement in Patients With Atherosclerotic Renal Artery Stenosis and Impaired Renal Function: A Randomized Trial
Liesbeth Bax, Arend-Jan J. Woittiez, Hans J. Kouwenberg, Willem P.T.M. Mali, Erik Buskens, Frederik J.A. Beek, Branko Braam, Frans T.M. Huysmans, Leo J. Schultze Kool, Matthieu J.C.M. Rutten, Cornelius J. Doorenbos, Johannes C.N.M. Aarts, Ton J. Rabelink, Pierre-François Plouin, Alain Raynaud, Gert A. van Montfrans, Jim A. Reekers, Anton H. van den Meiracker, Peter M.T. Pattynama, Peter J.G. van de Ven, Dammis Vroegindeweij, Abraham A. Kroon, Michiel W. de Haan, Cornelis T. Postma, and Jaap J. Beutler
腎動脈ステントは粥状硬化性腎動脈狭窄症(ARAS)の治療として一般的に用いられる.この無作為化試験でBaxと共同研究者らは,ARASと腎機能障害を有する140人の患者において,ARASの薬物療法(降圧療法,スタチン,アスピリン)と,薬物療法にステント留置を加えた治療とを比較した.ステント留置を受けた患者には明らかな利益はなく,2例の治療関連死を含むいくつかの合併症がみられた.
(翻訳:小山雄太)
メディケア患者における外来大腸内視鏡検査後の有害事象
Adverse Events After Outpatient Colonoscopy in the Medicare Population
Joan L. Warren, Carrie N. Klabunde, Angela B. Mariotto, Angela Meekins, Marie Topor, Martin L. Brown, and David F. Ransohoff
高齢患者における大腸内視鏡検査の合併症発症率は十分に検討されていない.Warrenと同僚らは外来での大腸内視鏡検査後30日間の心および胃腸疾患発症率を,無作為に選ばれた53,220名の検査を受けたメディケア受給者集団と検査を受けなかった受給者集団で検討した.大腸内視鏡検査後の有害事象発生率は低かったが,加齢とともに増加した.また,ポリープ摘出術を受けた患者や糖尿病,心房細動,うっ血性心不全,あるいは慢性閉塞性肺疾患のような合併症を持っていた患者で発生率の増加がみられた.
(翻訳:石塚尋朗)
レビュー(Reviews)
ナラティブ・レビュー:スタチン誘発性ミオパチー
Narrative Review: Statin-Related Myopathy
Tisha R. Joy and Robert A. Hegele
スタチン誘発性ミオパチーは,スタチンの服用に耐えられずに中止となる原因として臨床的に重要である.この総説では,スタチン誘発性ミオパチーの病態生理,疫学,臨床症状,および疾患管理を解説する.スタチン誘発性ミオパチーを管理する手段としては,別のスタチンへの変更,非連日投与,スタチン以外の脂質異常症治療薬,コエンザイムQ10の補充といった選択肢がある.
(翻訳:池田正行)
展望(Perspectives)
カテーテル関連尿路感染症とメディケアルールの変更
Catheter-Associated Urinary Tract Infection and the Medicare Rule Changes
Sanjay Saint, Jennifer A. Meddings, David Calfee, Christine P. Kowalski, and Sarah L. Krein
カテーテル関連尿路感染症―よくみられそして予防可能な入院中の合併症―は,CMS (Centers for Medicare&Medicaid Services)により,支払い割り増しの対象外とする院内合併症に指定されている.Saintと同僚らは,カテーテル関連感染症の予防可能性を検討し;その合併症に関するCMSルールの変更を見直し;このような変更がおよぼすであろう影響を評価し;そして病院を本拠にした管理者・政策立案者・疫学者・臨床医のために指針を提供している.
(翻訳:池田正行)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
妊娠女性のB型肝炎ウイルス感染スクリーニング:米国予防医療サービス作業部会による再確認勧告声明
Screening for Hepatitis B Virus Infection in Pregnancy: U.S. Preventive Services Task Force Reaffirmation Recommendation Statement
U.S. Preventive Services Task Force
米国予防医療サービス作業部会(USPSTF)は,妊娠女性におけるB型肝炎ウイルス(HBV)感染スクリーニングに関する2004年の勧告を再確認している.スクリーニング実施による実利益は依然として確立されている.臨床医は妊娠女性におけるHBV感染スクリーニングを,最初の妊婦検診時に実施すべきである(推奨度A).
(翻訳:小池竜司)
妊娠女性のB型肝炎ウイルス感染スクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会による再確認勧告声明のためのエビデンス
Screening for Hepatitis B Virus Infection in Pregnant Women: Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force Reaffirmation Recommendation Statement
Kenneth Lin and John Vickery
本号でのUSPSTF(米国予防医療サービス専門作業部会)の再確認勧告声明を支持するため,著者らは妊娠女性のHBV感染スクリーニングの有益性と有害性について,2004年度版USPSTF勧告以降論文発表された大規模で良質の研究を検索した.妊娠女性のHBV感染スクリーニングの有益性と有害性について新たなエビデンスは見出だされなかった.これまで発表された無作為化試験は,2004年度版USPSTFスクリーニング勧告を支持している.
(翻訳:土屋直隆)
論評(Editorials)
無作為化試験と逸話の釣り合い
Balancing Randomized Trials With Anecdote
Paul S. Phillips
本誌の二つの記事が,スタチン誘発性ミオパチーに対する最良の対処法を提示している.JoyとHegeleのスタチン誘発性ミオパチーに関する系統的レビューは,無作為化比較試験から得られた知見を強調している.Beckerと共同研究者らの無作為化比較試験は,健康食品化されたスタチンである紅麹がスタチンに忍容できない患者に対して安全かもしれないことを示唆している.両方の記事とも,比較試験を優先しており,逸話にあまり重点を置いていない.
(翻訳:小池竜司)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
カルシウムの錠剤は人々の体重減少に役立つか?
Can Calcium Pills Help People Lose Weight?
(翻訳:山内高弘)
筋肉痛のためにスタチン治療に耐えられない患者のコレステロールの異常に対する紅麹
Red Yeast Rice to Treat Cholesterol Problems in Patients Who Cannot Tolerate Statin Therapy Because of Muscle Pain
(翻訳:増田浩三)
メディケア患者における大腸内視鏡後の有害事象
Adverse Events After Colonoscopy in the Medicare Population
(翻訳:山前正臣)
妊娠女性のB型肝炎ウイルス感染に対するスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)の勧告
Screening Pregnant Women for Hepatitis B Virus Infection: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation
(翻訳:浦野哲也)
ACP Journal Club
The Best New Evidence for Patient Care
患者ケアのための最良のエビデンス
論評:「実用的」臨床試験:誰の視点から?
Editorial: "Pragmatic" clinical trials: from whose perspective?
年1回の前立腺がんのスクリーニングは,死亡率を減少させなかった.
Annual screening for prostate cancer did not reduce mortality from prostate cancer
前立腺特異抗原による間欠的なスクリーニング検査が,前立腺がんの死亡率を低下させた.
Periodic screening with prostate-specific antigen testing reduced mortality from prostate cancer
内分泌療法に放射線療法を追加することは,局所進行性前立腺がんの生存を改善させた.
Adding radiotherapy to endocrine therapy improved survival in locally advanced prostate cancer
レビュー:通常の腰椎画像検査を迅速に実施しても,腰背部痛の臨床的アウトカムは改善しない.
Review: Immediate routine lumbar-spine imaging does not improve clinical outcomes in low-back pain
アルツハイマー病患者において,抗精神病薬を継続使用することは長期死亡率を増加させた.
Continued use of antipsychotic drugs increased long-term mortality in patients with Alzheimer disease
経口ビタミンKは,ワルファリン投与による過剰な抗凝固状態の患者の出血を減少させなかった.
Oral vitamin K did not reduce bleeding in patients with excessive anticoagulation after receiving warfarin
プラスグレルは,クロピドグレルと比較して,ST上昇型心筋梗塞(STMI)に対して経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた患者の虚血イベントを抑制した.
Prasugrel prevented ischemic events compared with clopidogrel in patients having PCI for STEMI
乳がんのリスクは,閉経後ホルモン療法を中止した後には低下した.
Risk for breast cancer declined after postmenopausal hormone therapy was stopped
非ステロイド性抗炎症薬の使用は,心筋梗塞(MI)と心不全(HF)による死亡と入院のリスク増加と相関していた.
Use of nonsteroidal antiinflammatory drugs was associated with increased risks for death and hospitalization for MI and HF
レビュー:SSRIは青年の自殺未遂または自殺のリスク増加と相関しているが,成人や高齢者では相関しない.
Review: SSRIs are associated with increased risk for attempted or completed suicide in adolescents but not in adults or the elderly
慢性疾患患者に対するケア調整は,入院やメディケアの費用を減少させなかった.
Care coordination for patients with chronic conditions did not reduce hospitalizations or Medicare costs
閉経後ホルモン療法は,50歳で開始した場合には費用対効果が認められたが,65歳での開始では認められなかった.
Postmenopausal hormone therapy was cost-effective when started at age 50 years but not at 65 years
用語解説
Glossary
(翻訳:小池竜司)

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