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(更新日 2009年2月16日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
3 February 2009 Volume 150 Issue 3
(監修:安藤聡一郎,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
Child-Pugh Bのアルコール性肝硬変に対する肝移植の迅速登録と標準的ケア:無作為化試験
Immediate Listing for Liver Transplantation Versus Standard Care for Child-Pugh Stage B Alcoholic Cirrhosis: A Randomized Trial
Claire Vanlemmens, Vincent Di Martino, Chantal Milan, Michel Messner, Anne Minello, Christophe Duvoux, Thierry Poynard, Jean-Marc Perarnau, Marie-Anne Astrid Piquet, Georges-Philippe Pageaux, Sébastien Dharancy, Christine Silvain, Sophie Hillaire, Gérard Thiefin, Jean-Pierre Vinel, Patrick Hillon, Estelle Collin, Georges Mantion, Jean-Philippe Miguet, and the TRANSCIAL Study Group
慢性肝障害のより早い時期における肝移植が予後を改善すると主張している研究者がいる.著者らはChild-Pugh Bのアルコール性肝硬変患者を肝移植に迅速に登録するものと標準的ケアとに無作為に割り付けた.それぞれ68%,25%が肝移植を受けた.迅速登録に割り付けられた患者において延命効果はみられず,早期に移植を受けた標準的ケア群の患者と比較して肝外発癌例がより多くみられた.この結果は最も重篤な患者を最優先としている現在の方針を支持している.
(翻訳:渡邊清高)
大腸腺種検出のための免疫化学的便潜血検査の比較評価
Comparative Evaluation of Immunochemical Fecal Occult Blood Tests for Colorectal Adenoma Detection
Sabrina Hundt, Ulrike Haug, and Hermann Brenner
各種の免疫化学的便潜血検査は,ヒトの便の成分に対する異なる抗体を使用している.著者らは,大腸内視鏡スクリーニングを受けた成人において実際の腺種の存在を確認することによって,6つの定性的な免疫化学的便潜血検査と1つのグアヤック法の特徴を比較した.6つの免疫化学的便潜血検査の特性は大きく異なっていた.進行した腺腫を検出する感度と特異度はそれぞれ25%〜72%と70%〜97%であり,グアヤック法では9%,96%であった.この大きな幅があることを考慮に入れると,検査可能な免疫化学的便潜血検査を選択する際には注意深い調査が必要である.
(翻訳:加藤哲朗)
直接的経皮的冠動脈インターベンション時の造影剤投与量と続発性造影剤腎症および死亡率
Contrast Volume During Primary Percutaneous Coronary Intervention and Subsequent Contrast-Induced Nephropathy and Mortality
Giancarlo Marenzi, Emilio Assanelli, Jeness Campodonico, Gianfranco Lauri, Ivana Marana, Monica De Metrio, Marco Moltrasio, Marco Grazi, Mara Rubino, Fabrizio Veglia, Franco Fabbiocchi, and Antonio L. Bartorelli
経皮的冠動脈インターベンションは造影剤腎症を生じ得る.造影剤腎症と造影剤投与量および患者背景の関連性の理解が本合併症の最小化に貢献し得るであろう.Marenziと共同研究者らは直接的経皮的冠動脈インターベンションを受けたST上昇型心筋梗塞561例の20%で造影剤腎症の発症を認めた.造影剤腎症を合併した症例は院内死亡が高い傾向を示した.より多量の造影剤投与,より高い造影剤比(実際の造影剤使用量と推奨量との比)が,造影剤腎症発症および院内死亡と相関した.
(翻訳:新沼廣幸)
患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
再入院減少に向けた退院プログラムの再設計:無作為化試験
A Reengineered Hospital Discharge Program to Decrease Rehospitalization: A Randomized Trial
Brian W. Jack, Veerappa K. Chetty, David Anthony, Jeffrey L. Greenwald, Gail M. Sanchez, Anna E. Johnson, Shaula R. Forsythe, Julie K. O'Donnell, Michael K. Paasche-Orlow, Christopher Manasseh, Stephen Martin, and Larry Culpepper
退院後,救急診療部を繰り返し受診したり,再入院したりすることが日常的になっている.Jackと同僚らは,退院支援担当看護師と臨床薬剤師が協働して退院調整,患者教育,薬剤の緻密な確認を行えば,従来型のケア単独よりも退院後の緊急受診や再入院を減少させることを明らかにした.医療の不必要な利用は,退院に向けた系統的な働きかけで減少させることができる.
(翻訳:塩田哲也)
医学と臨床(Academia and Clinic)
米国予防医療サービス専門作業部会 最新情報:不十分なエビデンス
Update on the Methods of the U.S. Preventive Services Task Force: Insufficient Evidence
Diana B. Petitti, Steven M. Teutsch, Mary B. Barton, George F. Sawaya, Judith K. Ockene, Thomas DeWitt on behalf of the U.S. Preventive Services Task Force
米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は,信頼できる正確なエビデンスに基づく推奨をプライマリ・ケア医に提供するよう努めている.しかしながら,臨床医は,そのエビデンスが推奨するには不十分な時も多くの助言を求めるものである.本文では,予防についての臨床判断に関連する4分野において,定期的に情報を報告するUSPSTFのプランについて述べ,これらの分野を選択する理論的根拠について議論している;さらにエビデンスが不十分な時に,臨床における意志決定の指針となる情報の使い方を,例をあげて説明している.
(翻訳:勝田秀紀)


遺伝子関連研究の報告の強化(STREGA):STROBE声明の拡張
STrengthening the REporting of Genetic Association Studies (STREGA): An Extension of the STROBE Statement
Julian Little, Julian P.T. Higgins, John P.A. Ioannidis, David Moher, France Gagnon, Erik von Elm, Muin J. Khoury, Barbara Cohen, George Davey-Smith, Jeremy Grimshaw, Paul Scheet, Marta Gwinn, Robin E. Williamson, Guang Yong Zou, Kim Hutchings, Candice Y. Johnson, Valerie Tait, Miriam Wiens, Jean Golding, Cornelia van Duijn, John McLaughlin, Andrew Paterson, George Wells, Isabel Fortier, Matthew Freedman, Maja Zecevic, Richard King, Claire Infante-Rivard, Alex Stewart, and Nick Birkett
多くの読者が,急速に発展している遺伝子関連についてのエビデンスを理解することが困難と感じている.不十分な結果報告が,このエビデンスの強さの評価を難しくしている.遺伝子関連研究報告の強化(STREGA)発案者は疫学における観察研究報告の強化(STROBE)の22項目中12項目を修正している.どのようにして研究がデザインされ,実施され,分析されたとしても,STREGAの勧告は研究報告をより明確にすることを意図している.
(翻訳:大島康雄)


診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
皮膚癌のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会の推奨勧告
Screening for Skin Cancer: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
U.S. Preventive Services Task Force
米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は2001年の皮膚癌スクリーニングの推奨勧告を更新する.プライマリ・ケア医による,あるいは患者の皮膚自己検診による皮膚癌のスクリーニングの有益性および有害性のバランスを評価するには,現在あるエビデンスでは不十分であると,USPSTFは結論を下している.(声明I)
(翻訳:林 正樹)
皮膚癌のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会による最新のエビデンス
Screening for Skin Cancer: An Update of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force
Tracy Wolff, Eric Tai, and Therese Miller
この号において,米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)の勧告文書を支持するために,Wolffらは,一般人口における皮膚癌のスクリーニングにおける有益性と有害性のエビデンスを系統的にレビューした.彼らは,医師が行う全身の皮膚診察により,皮膚癌スクリーニングの有益性を支持する新しい十分なエビデンスを見つけられなかった.かなり公正と評価された一つの論文は,患者自身による皮膚の自己検診がメラノーマによる死亡率,死亡数を改善させることができるとするが,かなり限定された不十分なエビデンスである.このエビデンスは,あまりに限定されており,一般のプライマリ・ケアにおける皮膚癌のためのスクリーニングの有用性を評価することはできない.
(翻訳:川口鎮司)
論評(Editorials)
アルコール性肝硬変患者の迅速な肝移植登録:熱意の抑制
Immediate Listing for Liver Transplantation for Alcoholic Cirrhosis: Curbing Our Enthusiasm
Michael F. Sorrell and Sandeep Mukherjee
この論文で,Vanlemmensと同僚らは,Child-Pugh分類ステージBのアルコール性肝硬変患者のうち,迅速に肝移植の登録を受けたものは,通常の手続きで肝移植の登録を受けたものと比較して,肝移植の実施率がより高く,肝以外の癌になり易く,そのため無癌生存率が低い可能性があることを報告している.これらの知見は,中等度のアルコール性肝硬変患者において肝移植が生命予後の改善をもたらさないことを裏付けている.肝移植の需要とドナー臓器供給の不釣合いに直面する現状では,検証されたシステムにより評価された疾患重症度のみを用いて,臓器の割付の優先順位を決めるべきであろう.
(翻訳:小河秀郎)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
アルコール性肝硬変において肝移植待機者リストに直ちに載せる場合と後で載せる場合の比較
Immediate Versus Later Listing for Liver Transplantation for Alcoholic Cirrhosis
(翻訳:桂 隆志)
免疫化学的便潜血検査
Immunochemical Fecal Occult Blood Tests
(翻訳:勝田秀紀)
皮膚がんのスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会の勧告
Screening for Skin Cancer: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation
(翻訳:大島康雄)
クリニックにて(In the Clinic)
慢性腎臓病
Chronic Kidney Disease
本号では慢性腎臓病の臨床について,予防,スクリーニング,診断,治療,診療の進歩,患者情報に焦点をあてて概説している.
(翻訳:小山雄太)
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