Journals

原著(ARTICLE)
Child-Pugh Bのアルコール性肝硬変に対する肝移植の迅速登録と標準的ケア:無作為化試験
Immediate Listing for Liver Transplantation Versus Standard Care for Child-Pugh Stage B Alcoholic Cirrhosis: A Randomized Trial
Claire Vanlemmens, Vincent Di Martino, Chantal Milan, Michel Messner, Anne Minello, Christophe Duvoux, Thierry Poynard, Jean-Marc Perarnau, Marie-Anne Astrid Piquet, Georges-Philippe Pageaux, Sébastien Dharancy, Christine Silvain, Sophie Hillaire, Gérard Thiefin, Jean-Pierre Vinel, Patrick Hillon, Estelle Collin, Georges Mantion, Jean-Philippe Miguet, and the TRANSCIAL Study Group*
3 February 2009 | Volume 150 Issue 3 | Pages 153-161
背景: 肝移植は末期(Child-Pugh C)アルコール性肝硬変患者の生命予後を改善するが,Child-Pugh Bの患者における効果ははっきりしない.

目的: 迅速に移植登録されたChild-Pugh Bのアルコール性肝硬変患者と,Child-Pugh Cに進行するまで標準的な治療を行い,移植を遅らせた患者のアウトカムを比較する.

研究デザイン: 無作為化比較試験

セッティング: フランスの13肝移植プログラム

患者: ウイルス肝炎,癌の合併および移植の禁忌のないChild-Pugh Bのアルコール性肝硬変患者120名

介入: 患者は無作為に肝移植の迅速登録(60名)と標準ケア(60名)に割り付けられた.

測定: 5年生存率と無癌生存率

結果: 迅速に移植登録に割り付けられた患者の68%と,標準的ケアに割り付けられた患者の25%が肝移植を受けた.全死亡と肝硬変関連死亡は二群間で統計学的に差はなかった:5年生存率は迅速登録群で 58%(95% CI,43〜70%),標準的ケア群で69%(CI,54〜80%).多変量解析において長期生存の独立した予測因子は,継続的なアルコール摂取がないこと(ハザード比:7.604[CI,2.395〜24.154]),Child-Pugh Cからの回復(7.633[CI,2.392〜24.390]),基準のChild-Pughスコアが8未満であること(2.664[CI,1.052〜6.746])であった.迅速な移植登録は高い肝外発癌のリスクと関連していた.5年の無癌生存率は迅速登録群で63%(CI,43〜77%),標準的ケア群で94%(CI,81〜98%)であった.

研究の限界: アルコール性肝障害患者に研究対象が限られており,結果を別の背景に一般化するには限界があるかもしれない.

結論: Child-Pugh Bのアルコール性肝硬変において,肝移植の迅速な登録は標準的ケアと比較して,延命効果はみられなかった.さらに,肝移植の迅速登録は肝外発癌のリスクを増加させた.

(翻訳:渡邊清高)

English Abstract

▲このページのTOPへ