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原著(ARTICLE)
大腸腺種検出のための免疫化学的便潜血検査の比較評価
Comparative Evaluation of Immunochemical Fecal Occult Blood Tests for Colorectal Adenoma Detection
Sabrina Hundt, MSc; Ulrike Haug, PhD; and Hermann Brenner, MD, MPH
3 February 2009 | Volume 150 Issue 3 | Pages 162-169
背景: 各種の免疫化学的便潜血検査は非侵襲的な大腸がんのスクリーニングとして推奨されている.大規模な,前駆病変の察知の評価まで検討した大腸内視鏡スクリーニングの知見については不十分である.

目的: 6つの定性的な免疫化学的便潜血検査の特徴を,大腸内視鏡スクリーニング検査を受けた成人のうち大腸腺腫を確認することによって比較する.

研究デザイン: 2006年1月から2007年12月までの,前向きスクリーニング研究

セッティング: ドイツで大腸内視鏡スクリーニングを行った20の診療所

患者: 大腸腫瘍の平均的なリスクを有し,大腸内視鏡スクリーニングを受けた1319名(平均年齢63歳,50%が男性)

測定: 6つの定性的な免疫化学的便潜血検査が,大腸内視鏡の準備前に採取された便検体を用いて行われた.検査特性(感度,特異度,予測値,尤度比)を,検査の結果と大腸内視鏡の所見との比較によって測定した.便潜血検査を行った検査技師は大腸内視鏡の結果を,大腸内視鏡検査医は免疫化学的便潜血検査の結果を知らされていなかった.

結果: 全体では405名(31%)に大腸腺腫があり,130名(10%)に進行した大腸腺腫が発見された.検査間で特性は大きく異なっていた.最も良好な検査特性を示した2つの検査(immoCARE-C[CAREdiagnostica社,フェーアデ,ドイツ]とFOB advanced[ulti med社,アーレンスブルク,ドイツ])では,進行した腺腫の検出の感度はそれぞれ25%(95% CI,18%〜34%)と27%(CI,20%〜35%)であった.特異度は97%(CI,95%〜98%)と93%(CI,91%〜95%)であった.陽性尤度比は3.5(CI,2.2〜5.4)と2.5(CI,1.9〜3.5)であった.

研究の限界: この研究は実生活の状況とは異なっており,便の検体が溶媒で満たされたバイアルに直接溶解されているわけではなかった.その代わりに小さな容器が使用され,便は検査の前に冷凍されていた.

結論: 前駆病変発見に対するグアヤック法よりも良好な検査特性と,集団検診への実用性から,定性的な免疫化学的便潜血検査は大腸がんスクリーニングの1つの選択肢となりうる.しかし検査間で診断性能に差異があることを考え合わせると,個々の検査の注意深い評価が重要である.

(翻訳:加藤哲朗)

English Abstract

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