Journals

原著(ARTICLE)
直接的経皮的冠動脈インターベンション時の造影剤投与量と続発性造影剤腎症および死亡率
Contrast Volume During Primary Percutaneous Coronary Intervention and Subsequent Contrast-Induced Nephropathy and Mortality
Giancarlo Marenzi, MD; Emilio Assanelli, MD; Jeness Campodonico, MD; Gianfranco Lauri, MD; Ivana Marana, MD; Monica De Metrio, MD; Marco Moltrasio, MD; Marco Grazi, MD; Mara Rubino, MD; Fabrizio Veglia, PhD; Franco Fabbiocchi, MD; and Antonio L. Bartorelli, MD
3 February 2009 | Volume 150 Issue 3 | Pages 170-177
背景: 造影剤腎症は直接的経皮的冠動脈インターベンションを受けたST上昇型急性心筋梗塞症例でしばしば発症し,造影剤腎症は合併症の多い臨床経過や死亡率の増加と関連する.

目的: ST上昇型急性心筋梗塞に対する再灌流療法施行下で,造影剤の絶対投与量,体重およびクレアチニン調整投与量と造影剤腎症の発症率や臨床アウトカムについて検討する.

研究デザイン: 前向き,観察研究

セッティング: 大学病院心臓病センター,ミラノ,イタリア

患者: 直接的経皮的冠動脈インターベンションを受けたST上昇型急性心筋梗塞症の連続561例

測定: 症例ごとに,公式(5x体重[kg]/血清クレアチニン)に従って最大許容造影剤投与量が算出され,造影剤比(実際の造影剤投与量と最大許容造影剤投与量との比)が評価された.血清クレアチニンの上昇が基準値から25%以上を造影剤腎症とした.

結果: 115例(20.5%)が造影剤腎症を発症した.院内死亡率は造影剤腎症合併例で非合併例より高かった(21.4%対0.9%, p<0.001).130例(23%)で最大許容造影剤投与量を越えていた.最大許容造影剤投与量以上の(造影剤比>1)投与を受けた患者は,造影剤比1未満の患者より合併症の多い臨床経過をたどり,院内死亡率が高かった(13%対2.8%,p<0.001).造影剤腎症の発症は造影剤投与量と造影剤比の双方に関連していた.

研究の限界: このような造影剤投与量とアウトカムの関連性は単施設で観察されたが,共存疾患か疾患の重症度か未知の因子によるものかもしれない.

結論: ST上昇型急性心筋梗塞の直接的経皮的冠動脈インターベンション時のより多量の造影剤投与が,より高い造影剤腎症発症率と死亡率に関連している.しかしながら,造影剤投与量の制限が患者のアウトカムを改善するか否かについては追加研究が必要である.

(翻訳:新沼廣幸)

English Abstract

▲このページのTOPへ