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診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
皮膚癌のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会による最新のエビデンス
Screening for Skin Cancer: An Update of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force
Tracy Wolff, MD, MPH; Eric Tai, MD, MS; and Therese Miller, DrPH
3 February 2009 | Volume 150 Issue 3 | Pages 194-198
背景: 皮膚癌は,米国において最も日常的に診断される癌のひとつである.皮膚癌の多くは,メラノーマ以外の癌であり,基底細胞癌または扁平上皮癌である.メラノーマおよびそれ以外の癌双方の発症率は,過去30年間で増え続けている.2001年,米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は,皮膚癌の早期診断を目的とした,全身の皮膚診察による皮膚癌の日常的なスクリーニングを推奨するかどうかの賛否に答える十分なエビデンスを見つけることができなかった.

目的: 一般人口における皮膚癌のスクリーニングの有益性あるいは有害性に関するエビデンスを更新するため

情報源: 1999年6月1日から2005年8月9日までのMEDLINEとコクランライブラリーの英語論文;最近の系統的レビュー;検索した論文の参考文献表;専門家の意見

研究の選択: いくつかの英語での研究が,以下の重要な質問に答えるために選ばれた:プライマリ・ケア医または,患者自身の観察により全身の検索を施行された無症状の患者におけるスクリーニングが,皮膚癌による死亡率,死亡数を減少させるかどうか?皮膚癌をスクリーニングするための無作為化比較試験と症例対称研究が選ばれた.ひとりの著者が,以下の質問に応えるために英文の研究論文を選択した:プライマリ・ケア医あるいは自己検診による全身検索というスクリーニングは,正確に皮膚癌を見つけることができるのかどうか?また,早期の(深達度の浅い)メラノーマを見つけることができるのかどうか?

データ抽出: それらの重要な質問に対するすべての研究のレビューと要約が行われ,前もって定義されたUSPSTF基準を用いて,その研究の質が評価された.

データ統合: 医師による全身検索で皮膚癌をスクリーニングする有益性を示す新しいエビデンスは,比較試験から得られなかった.USPSTFの2001年の報告書のために確認された1996年の研究からデータを再評価した公正な論文では,メラノーマによる死亡率や死亡数の減少に皮膚の自己検診は有用であるかどうかについて,提供したエビデンスは限定的であり,また不十分である.

研究の限界: 皮膚癌のスクリーニングが健康アウトカムの改善に繋がるとする直接的なエビデンスはない.実際の患者や病変部を用いて医師あるいは患者自身によりスクリーニングをすることの正確性において情報は限定されている.

結論: エビデンスは限定されているため,一般のプライマリ・ケアにおける皮膚癌のためのスクリーニングの有益性の正確な評価をすることはできない.

(翻訳:川口鎮司)

English Abstract

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