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(更新日 2009年3月2日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
17 February 2009 Volume 150 Issue 4
(監修:石塚尋朗,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
プライマリ・ケアにおける安全な深部静脈血栓症の除外
Safely Ruling Out Deep Venous Thrombosis in Primary Care
Harry R. Büller, Arina J. ten Cate-Hoek, Arno W. Hoes, Manuela A. Joore, Karel G.M. Moons, Ruud Oudega, Martin H. Prins, Henri E.J.H. Stoffers, Diane B. Toll, Eit F. van der Velde, Henk C.P.M. van Weert for the AMUSE (Amsterdam Maastricht Utrecht Study on thromboEmbolism) Investigators
診療所において深部静脈血栓症(DVT)の疑いを除外する方法は,不要な超音波検査への紹介の数を減らすために必要である.Büllerと同僚らは,DVTを疑われた患者から非常にリスクの低い患者を見出すために臨床所見とその場でのD-ダイマー検査を用いた予測尺度の医療マネジメント試験を行った.約300のプライマリ・ケア診療所からの1,028人の患者のうち,約半数(49%)は画像診断と抗凝固療法をさし控えるほどにリスクが低かった.3か月間で,そのうちの1.4%は静脈血栓塞栓症を有した.
(翻訳:村上 純)
メディケア患者を介したプライマリ・ケア医同士のきずな:医療連携の視点から
Primary Care Physicians' Links to Other Physicians Through Medicare Patients: The Scope of Care Coordination
Hoangmai H. Pham, Ann S. O'Malley, Peter B. Bach, Cynthia Saiontz-Martinez, and Deborah Schrag
プライマリ・ケア医の責務に他の医師から患者を受け入れる医療連携がある.この役割は患者中心のメディカル・ホームの様な医療モデルの主軸をなすものである.解析には2,284名のプライマリ・ケア医の全国調査と,2005年に医療を受けたメディケア受益者の支払い請求データを使用した.典型的なプライマリ・ケア医は,117か所の異なる医療機関の211名の医師と協調して医療連携を実施している事が判明した.
(翻訳:中村浩士)
脂質低下のための一次予防戦略のインパクトと費用対効果の比較
Comparing Impact and Cost-Effectiveness of Primary Prevention Strategies for Lipid-Lowering
Mark J. Pletcher, Lawrence Lazar, Kirsten Bibbins-Domingo, Andrew Moran, Nicolas Rodondi, Pamela Coxson, James Lightwood, Lawrence Williams, and Lee Goldman
脂質低下療法はコストがかかるが冠動脈疾患のリスクを減少させるのに有用である.著者らは確率モデルを用いて,コレステロール値と予測される冠動脈疾患リスクに基づいた治療を推奨したAdult Treatment Panel III(ATP III)ガイドラインは,スタチンが1錠1.5〜2.2ドルであれば費用対効果の面からみても合理的あることを示した.もし1錠0.1ドル未満であれば,他の冠動脈疾患の危険因子に関係なくLDLコレステロールが3.4mmol/L(130mg/dl)以上のすべての人にスタチン治療した方が良い可能性がある.
(翻訳:川名正敏)
患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
肥満患者に対する生活習慣改善プログラムを提供する方法の比較:無作為化試験
Comparison of Methods for Delivering a Lifestyle Modification Program for Obese Patients: A Randomized Trial
Andres G. Digenio, James P. Mancuso, Robert A. Gerber, and Roman V. Dvorak
肥満の人は,食事制限のために生活様式を変えることが困難である.この無作為化試験では,Digenioと共同研究者らが,抗肥満薬であるシブトラミンを内服している肥満患者の生活様式改善を支援する5つの提供方法を比較検討した.彼らは,栄養士による高頻度の電話による指導が,直接の面談指導と同等の体重減少をもたらし,低頻度の指導や電子メールでの指導や指導なしの群と比べて,より体重減少を認めた.栄養士による電話での指導は,肥満患者の減量を促す,より効率的な方法であるかもしれない.
(翻訳:金原秀雄)
医学と公衆衛生の話題(Medicine and Public Issues)
ヘルスケア環境における米国疾病予防管理センターのHIV検査推奨に対する州法の整合性
Consistency of State Statutes With the Centers for Disease Control and Prevention HIV Testing Recommendations for Health Care Settings
Anish P. Mahajan, Lara Stemple, Martin F. Shapiro, Jan B. King, and William E. Cunningham
米国疾病予防管理センターは,書面による同意をとったり,予防カウンセリングをせずに,許可なくHIVスクリーニング検査を,全てのヘルスケア環境で全患者に対して施行することを推奨している.HIVテストについての州法は,これら推奨の実行の障害となるかもしれない.政策立案者や実行者に総合的解析を提供するためにMahajanらはHIV検査に関連する法律を州ごとにレビューして,新しい推奨とこれらの法律の整合性について体系的に評価した.
(翻訳:鈴木克典)


論評(Editorials)
空騒ぎ(役に立たない)
Much Ado About (Doing) Nothing
Brendan M. Reilly and Arthur T. Evans
本号でBüllerと同僚らは,深部静脈血栓症が疑われるプライマリ・ケア患者への不必要な超音波診断検査を減らすことを目的とした試験の結果を報告している.AMUSEルール(アムステルダム・マーストリッヒ・ユトレヒト血栓塞栓症試験診断基準)の使用が不必要なケアを減らし,臨床医の診断を改善できると楽観視することには慎重であるべきだ.
(翻訳:前田正彦)


プライマリ・ケア:重要すぎて失敗は許されない
Primary Care: Too Important to Fail
David S. Meyers and Carolyn M. Clancy
医療ケア改革の主要な目的は質の改善,(ケアへの)アクセスの増加,費用の抑制である.この点についてPhamと同僚らの計算によると,一人の典型的なプライマリ・ケアの臨床医は自分のメディケアの患者のケアをするために117の異なる医療機関の229人の他の医師と連携せねばならない.このことは,プライマリ・ケアの基盤投資は,医療ケア連携という重要で困難なことを解決せねばならないことを示している.我々は医療ケア改革を存続が危ぶまれるプライマリ・ケア事業者によって構築するわけにはいかない.われわれは今投資をせねばならない.プライマリ・ケアはあまりにも重要すぎて,失敗は許されないのである.
(翻訳:上野義之)


健康政策と費用対効果分析:我々はできる そしてやらなければならない
Health Policy and Cost-Effectiveness Analysis: Yes We Can. Yes We Must.
John B. Wong, Cynthia Mulrow, and Harold C. Sox
Pletcherと同僚らは,費用対効果に関する分析を行い,冠動脈性心疾患を予防するうえで,スタチン戦略は意にかなう経済効果を持つということを,本号に掲載している.Wongらは,費用対効果分析について簡潔に紹介したうえで,米国連邦政府が,健康管理に関する政策決定通知にそれらを利用すべきか否かについて検討している.
(翻訳:市堰 肇)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
プライマリ・ケアにおける安全な深部静脈血栓症の除外
Safely Ruling Out Deep Venous Thrombosis in Primary Care
(翻訳:泉谷昌志)
プライマリ・ケア医は,何人の他の医師と患者ケアで連携する必要があるか?
How Many Other Doctors Do Primary Care Doctors Need to Coordinate Patient Care With?
(翻訳:吉澤弘久)
ACP Journal Club
論評:系統的レビューにおけるメタ解析の解釈
Editorial: Interpreting meta-analysis in systematic reviews
レビュー:低分子ヘパリンは下肢が固定された成人における静脈血栓塞栓症のリスクを減少させる
Review: Low-molecular-weight heparin reduces risk for venous thromboembolism in adults with leg immobilization
妊娠中にインフルエンザ予防接種をすることにより,乳児のインフルエンザと母親の呼吸器疾患は減少した
Influenza immunization during pregnancy reduced influenza in infants and respiratory illness in mothers
テルミサルタン(商品名 ミカルディス)はACE阻害薬を使用できないハイリスク患者において,心血管系死亡,心筋梗塞,心不全あるいは脳卒中などを減少させなかった
Telmisartan did not reduce a composite of CV death, MI, HF, or stroke in high-risk patients intolerant to ACE inhibitors
高用量のビタミンBサプリメントは,軽症から中等症のアルツハイマー病において,認識衰退を遅らせなかった.
High-dose vitamin B supplements did not slow cognitive decline in mild-to-moderate Alzheimer disease
アスピリンと徐放性ジピリダモール併用療法とクロピドグレル(clopidogrel)投与は,再発性の脳卒中を防ぐ点で,同様に効果的であった.
Aspirin plus extended-release dipyridamole and clopidogrel were similarly effective for preventing recurrent stroke
テルミサルタンは再発性の脳梗塞や心血管系の大発作を予防しなかった.
Telmisartan did not prevent recurrent stroke or major cardiovascular events
頸動脈ステント留置術は,重症の症候性狭窄において,頸動脈内膜切除術よりも脳卒中のリスクを増加した
Carotid artery stenting increased risk for stroke more than carotid endarterectomy in severe symptomatic stenosis
重症の症候性狭窄で,頸動脈ステント留置術と頸動脈内膜切除術は,同様に効果的であった
Carotid artery stenting and carotid endarterectomy were similarly effective in severe symptomatic stenosis
インスリン強化療法は,1型糖尿病において,二次的な高血圧の長期的なリスクを減少させた.
Intensive insulin therapy reduced long-term risk for incident hypertension in type 1 diabetes
CT colonography検査は,無症状の成人における大きな腺腫と癌の診断に対して,90%の感受性と86%の特異性を示した.
CT colonography had 90% sensitivity and 86% specificity for diagnosing large adenomas and cancer in asymptomatic adults
レビュー:D-dimer値は,抗凝固療法中止後の再発性静脈血栓塞栓症のリスクを予測するのに役立つ.
Review: D-dimer levels predict risk for recurrent VTE after anticoagulant therapy is stopped
レビュー:Sgarbossaスコア3以上の場合,左脚ブロックのある患者の心筋梗塞の予測に対して,感受性は低いが,特異性は高い.
Review: Sgarbossa scores 3 have low sensitivity and high specificity for predicting MI in left bundle branch block
用語解説
Glossary
(翻訳:石田真実子)

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