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(更新日 2009年3月16日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
3 March 2009 Volume 150 Issue 5
(監修:石塚尋朗,総合監修:吉田直之)
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原著(Articles)
ワーファリン服用患者における行き過ぎた抗凝固の是正に対する経口ビタミンK療法とプラセボの比較:無作為化試験
Oral Vitamin K Versus Placebo to Correct Excessive Anticoagulation in Patients Receiving Warfarin: A Randomized Trial
Mark A. Crowther, Walter Ageno, David Garcia, Luqi Wang, Dan M. Witt, Nathan P. Clark, Mark D. Blostein, Susan R. Kahn, Sara K. Vesely, Sam Schulman, Michael J. Kovacs, Marc A. Rodger, Phillip Wells, David Anderson, Jeffery Ginsberg, Rita Selby, Sergio Siragusa, Mauro Silingardi, Mary Beth Dowd, and Clive Kearon
Crowtherと同僚らは,ワーファリンを服用していて,国際標準比(INR)4.5〜10.0の724人の患者で,経口ビタミンKとプラセボの出血予防効果を検討した.ビタミンK投与群の15.8%,プラセボ投与群の16.3%が少なくとも1回の出血性合併症を経験し,重大な出血性イベントがそれぞれ2.5%,1.1%,血栓塞栓症が1.1%,0.8%に生じた.低用量の経口ビタミンKはINRを低下させたが,過剰な抗凝固状態にある患者の出血を減少させなかった.
(翻訳:岩永正子)
HIV感染,非感染患者の新規脂質低下療法への反応
Response to Newly Prescribed Lipid-Lowering Therapy in Patients With and Without HIV Infection
Michael J. Silverberg, Wendy Leyden, Leo Hurley, Alan S. Go, Charles P. Quesenberry, Jr., Daniel Klein, and Michael A. Horberg
Silverbergと同僚らは,829名の抗レトロウイルス療法を受けているHIV感染患者と6,941名のHIV非感染患者において脂質低下療法の効果と安全性について比較した.低比重リポ蛋白コレステロールと中性脂肪レベルの低下の程度は,非感染者に比べてHIV感染者ではより低かった.中性脂肪に対するゲムフィブロジルの効果は,低比重リポ蛋白コレステロールに対するスタチンの効果より大きかった.脂質異常症は,一般人と比べHIV感染者において,治療がより困難である.
(翻訳:井田弘明)
心筋梗塞のアウトカムにおける人種差に関連する因子
Factors Associated With Racial Differences in Myocardial Infarction Outcomes
John A. Spertus, Philip G. Jones, Frederick A. Masoudi, John S. Rumsfeld, and Harlan M. Krumholz
心筋梗塞に罹患した患者1,849名のアメリカの患者のうち,黒人が28%を占め,未調整の死亡率と再入院率がより高く,狭心症がより多く,クオリティ・オブ・ライフ(QOL)がより低かった.しかしながら,患者の危険因子やケアを受けている施設などが白人と黒人で同程度であるように統計学的に調整すると,これらの差違の多くはみられなくなった.これらの結果から,心臓病のベースラインリスクや入院に関わる因子の差異は,心筋梗塞のために受けた治療の差異に比べてより重要なアウトカムの決定要因であることが示唆される.
(翻訳:吉田 博)
患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
患者と医師の‘つながり度’とプライマリ・ケアの質
Patient-Physician Connectedness and Quality of Primary Care
Steven J. Atlas, Richard W. Grant, Timothy G. Ferris, Yuchiao Chang, and Michael J. Barry
‘つながり度’(患者が特定の医師あるいは医療機関で診察を受けているか否か)が臨床能力の指標におよぼす影響については明らかでない.最近妥当性が検証された指標を用いて,著者らはプライマリ・ケア医と‘つながり’がより強い患者は,推奨されている予防サービスを受ける頻度がより高いことを見出した.本論文で示された患者と医師の‘つながり度’の評価法は,プライマリ・ケアにおける患者中心のメディカル・ホームモデル支持のよい指標になるかもしれない.
(翻訳:紺谷 真)
総説(Reviews)
系統的レビュー:腫瘍領域での適応外使用における医薬品集の信頼性
Systematic Review: Reliability of Compendia Methods for Off-Label Oncology Indications
Amy P. Abernethy, Gowri Raman, Ethan M. Balk, Julia M. Hammond, Lori A. Orlando, Jane L. Wheeler, Joseph Lau, and Douglas C. McCrory
米国CMSは抗悪性腫瘍薬を医薬品集に登録されている適応疾患に限定し,未認可の疾患に対しての適応外使用は制限している.14の適応外使用の系統的レビューで,6つの医薬品集が総合的かつ研究に基づいた,時期を得た情報を提供しているかを評価した.現在の医薬品集は透明性に欠け,エビデンスをまとめ,最新のものにする系統立てた方法に従っておらず,多くの試験結果を採用できていないと,著者らは結論している.
(翻訳:沖 将行)
展望(Perspectives)
医薬品の適応外使用をコントロールする
Controlling Off-Label Medication Use
Muriel R. Gillick
薬剤の適応外使用は必要であるが,毒性,コスト,有効性についての懸念がある.これをコントロールする手段になりうるものは,高額かつ潜在的に危険な薬剤―主にバイオテクノロジーから生まれた薬剤―にフォーカスをあてることである.この論文ではそのような薬剤の使用をコントロールする二段階のプロセスを提案する.
(翻訳:柳 秀高)


メディケアのもとでの収載医薬品集と抗悪性腫瘍薬
Compendia and Anticancer Therapy Under Medicare
Katherine Tillman, Brijet Burton, Louis B. Jacques, and Steve E. Phurrough
2007年にCMSは医薬品集に収載可能な薬品のリストを改定するために公に透明性のあるプロセスを確立させた.利害の衝突の結果,偏った判断に至る可能性があるので,2008年の「患者と供給者のためのメディケア改善法案」には,編集者やアドバイザーの利害の衝突を特定し,治療法を評価するための公に透明性のあるプロセスを欠いた医薬品集をCMSが使用することを禁じる条項が盛り込まれている.
(翻訳:柳 秀高)


論評(Editorials)
かかりつけのドクターはいますか?
Is There a Personal Doctor in the House?
Andrew B. Bindman
本号ではAtlasと同僚らが,かかりつけ医がいる患者のほうがプライマリ・ケアの現場で推奨される予防サービスを受けやすい傾向が高かったこと,また患者と医師の‘つながり度’は医療機関によって異なることを報告した.著者らはプライマリ・ケアと患者中心のメディカルホームの主要な特徴を評価するための方法を提案し,かつその妥当性を検証することで重要な一歩を踏み出した.この評価方法は,管理データのみを必要としているが,さらに広く検証する価値がある.
(翻訳:柳 秀高)


抗悪性腫瘍薬の適応外使用の評価:変更の時
Evaluating Off-Label Uses of Anticancer Drugs: Time for a Change
Harold C. Sox
Abernethyと同僚ら,Gillick,そしてTillmanと同僚らによる本号における論文は,最良のエビデンスを臨床に与えようとする私たちの努力における弱点をあきらかにしている.Tillmanと同僚らは,医薬品集の信頼性について疑問をなげかけているAbernethyと同僚らのレビューを検討するための基礎知識を提供している.Gillickは強固な意志決定の過程では,最も高額で副作用の強い抗悪性腫瘍薬に注意を払うべきだと考えている.エビデンスの系統的レビューをその特徴とする,GillickらのCMS国民保険適用の手続きを使うという提案のようなものを我々は採用するべきであると考える.
(翻訳:桑江紀子)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
ビタミンKはワーファリンを過量摂取した人の役に立つか?
Is Vitamin K Helpful for People Who Have Taken Too Much Warfarin?
(翻訳:岩本和也)
HIV感染患者さんと非感染患者さんのコレステロール低下薬に対する反応
Response to Cholesterol-Lowering Drugs in Patients With and Without HIV Infection
(翻訳:廣井直樹)
黒人と白人の患者さんとの間で,心臓発作後の治療結果に差が出る要因について
Factors Associated With Differences in Outcomes of Black and White Patients After Heart Attack
(翻訳:永松聡一郎)
患者と医師の‘つながり度’とプライマリ・ケアの質
Patient-Doctor Connectedness and the Quality of Primary Care
(翻訳:川上寿一)
クリニックにて(In the Clinic)
アルコール依存症
Alcohol Use
本号では,アルコール依存症の臨床について,予防,診断,治療,診療の進歩,患者情報に焦点をあてて概説している.
(翻訳:桑江紀子)
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