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(更新日 2009年3月30日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
17 March 2009 Volume 150 Issue 6
(監修:小野広一,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
呼吸困難で救急診療部受診患者におけるB型ナトリウム利尿ペプチド検査,臨床的アウトカムおよび,保健医療の利用:無作為化試験
B-Type Natriuretic Peptide Testing, Clinical Outcomes, and Health Services Use in Emergency Department Patients With Dyspnea: A Randomized Trial
Hans-Gerhard Schneider, Louisa Lam, Amaali Lokuge, Henry Krum, Matthew T. Naughton, Pieter De Villiers Smit, Adam Bystrzycki, David Eccleston, Jacob Federman, Genevieve Flannery, and Peter Cameron
B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)検査は心臓が原因の呼吸困難と非心臓性のものを区別するために広く用いられている.この無作為化試験では,BNP検査は保健医療の利用を減少させず,また救急部を受診した呼吸困難の患者の健康 のアウトカムを改善しなかった.すべての呼吸困難患者に対し,心不全が症状の原因かどうかを知るためにBNP測定をすることは正当化されないかもしれない.
(翻訳:土屋直隆)
入院後における生活空間の移動性の軌跡
Trajectories of Life-Space Mobility After Hospitalization
Cynthia J. Brown, David L. Roth, Richard M. Allman, Patricia Sawyer, Christine S. Ritchie, and Jeffrey M. Roseman
生活空間とは,ある人がどこへ,どれほどの頻度で,どの程度自立して行けるかを測定するものであるが,社会的参加の度合いも反映しているため,高齢者 における身体的機能をより正確に測っているかもしれない.Brownと同僚らは,より高齢の入院患者において,自己申告した生活空間が減少していることを報告した.手術が必要な患者の場合,他の理由で入院した人々に比べて,急激に生活空間が減少するが,より急峻に回復していた.
(翻訳:板東 浩)
心血管疾患予防のためのアスピリン:血栓症および出血に関するアスピリン投与量とクロピドグレルとの関係
Aspirin to Prevent Cardiovascular Disease: The Association of Aspirin Dose and Clopidogrel With Thrombosis and Bleeding
Steven R. Steinhubl, Deepak L. Bhatt, Danielle M. Brennan, Gilles Montalescot, Graeme J. Hankey, John W. Eikelboom, Peter B. Berger, and Eric J. Topol, on behalf of the CHARISMA Investigators
無作為化比較試験によるデータの多重比較分析によれば,心血管イベント予防に使用するアスピリンの投与量は効果と安全性に影響しないことを示唆している.しかしながら,無作為にクロピドグレルを加えた患者群においては,高用量のアスピリンは効果を減らし有害事象を増加させるようであった.低用量アスピリン(1日75mgから81mg)は,長期の予防にアスピリンを必要とする患者,特にクロピドグレルの服用患者にとっては最も有効であり安全のようだ.
(翻訳:柳川 健)
展望(Perspectives)
養護老人ホーム専門医:長期における従業員危機への応答
Nursing Home Physician Specialists: A Response to the Workforce Crisis in Long-Term Care
Paul R. Katz, Jurgis Karuza, Orna Intrator, and Vincent Mor
養護老人ホームで勤務する内科医の専門分野の細分化は,医学的に複雑な疾病を患う入居者の,全般的なケアの質を脅かす.Katzと同僚らは,養護老人ホームを特有な実践の場とみなす養護老人ホーム専門医療を立ち上げることを提案している.Katzらは,立体的に,その専門医療を特徴づけ,ケアの質,健康政策,リサーチの必要性の意味を議論している
(翻訳:市堰 肇)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
メタドン治療の際のQTc間隔のスクリーニング
QTc Interval Screening in Methadone Treatment
Mori J. Krantz, Judith Martin, Barry Stimmel, Davendra Mehta, and Mark C.P. Haigney
メタゾンの処方は,QT間隔の延長とそれにともなうトルサード・ド・ポワンツの危険性があり,その処方に対する安全な勧告を作成するため に専門家から成る委員会が開かれた.委員たちは,臨床医がメタドンを処方する際,患者に不整脈のリスクについて説明するとともに心疾患の既往について聴取することを勧告した.また,患者に対してメタドン投与前とフォローアップの心電図検査を 行うことも勧告した.心拍数で補正されたQTc間隔が450msまたは500msよりも延長した場合における可能な対処法として,患者とメタドン服用にともなう危険性と有用性について話し合う こと,より頻回に心電図検査を行うこと,減量することあるいはメタドン投与を中止すること,などを挙げている.つまるところ,臨床医はメタドンと,QT間隔延長作用やメタドンの体外排泄遅延作用を持つ他の薬物との薬物相互作用について学ぶ べきである.
(翻訳:田村功一)
心血管疾患予防のためのアスピリン:米国予防医療サービス専門作業部会からの勧告声明
Aspirin for the Prevention of Cardiovascular Disease: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
U.S. Preventive Services Task Force
米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は,男性における心筋梗塞や女性における虚血性脳卒中を減ずる効果が消化管出血のリスクを上回る場合,45歳から79歳の男性および55歳から79歳 への女性にアスピリンの使用を推奨する(推奨A).これらの年齢より若い男女には心血管疾患予防のためにアスピリンを使用すべきではないことを推奨する(推奨D).80歳以上の男女における ,心血管疾患の予防を目的としたアスピリン使用の効果と害を評価するためのエビデンスは不十分である(勧告I).
(翻訳:浦野哲哉)
心血管イベントの一次予防のためのアスピリン:米国予防医療サービス専門作業部会からのエビデンスの最新情報
Aspirin for the Primary Prevention of Cardiovascular Events: An Update of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force
Tracy Wolff, Therese Miller, and Stephen Ko
この号に掲載されている米国予防医療サービス専門作業部会の勧告を支援するため,Wolffと同僚らは心血管疾患の一次予防のためのアスピリンの功罪についての最新エビデンスを再評価した.アスピリンは男性の心筋梗塞や女性の脳卒中発症の危険性を減らすが,主として消化管出血イベントを含む重篤な出血イベントの危険性を増やすと,彼らは結んでいる.
(翻訳:山前正臣)
論評(Editorials)
心血管疾患の予防と治療におけるアスピリン
Aspirin for Prevention and Treatment of Cardiovascular Disease
Shamir R. Mehta
アスピリン使用に関する重要な疑問の解明に光をあてる二つの研究が,本号に掲載されている.Steinhublと同僚らは,心血管疾患の予防と治療におけるアスピリンの最適な投与量を検討し,投与量を増やすことが,効果の改善につながらず,出血リスクを高めることに関連するかもしれないことを見出した.冠動脈性心疾患の一次予防におけるアスピリン使用に関する,最新のUSPSTFの 勧告は,多忙な臨床医にとって,重要かつ使いやすい文書である.
(翻訳:市堰 肇)


まず最初に害のないこと…減量?
First Do No Harm ... Reduction?
Marc N. Gourevitch
メタドンがQT間隔に及ぼしうる効果を臨床の場にいかに組み込むかを検討するため,専門家が集結した.そのうち数名の専門家の発見と推奨が 本号に掲載されている.研究者らは,この議論を呼ぶ領域に足を踏み入れるに際し,内科医は,メタドンの投与を受ける患者すべてにおいて投与開始前,30日後,1年毎の心電図をとるべきだということを提唱している.ガイドラインを実行する前に,判断分析などリサーチの方法が,薬物と効果の兼合い,利益,そして代替えスクリーニング戦略の弊害に対する明確な評価へと応用されるべきである.
(翻訳:市堰 肇)


今日の臨床的課題(Current Clinical Issues)
増加する薬剤耐性結核は,ケアを複雑にする一方,世界規模のリサーチや革新に拍車をかける
More Cases of Drug-Resistant Tuberculosis Complicate Care but Spur Global Research and Innovation
Jennifer Fisher Wilson
(翻訳:市堰 肇)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
心疾患の予防のために,どれくらいのアスピリン投与量が最も安全で最も効果的でしょうか?
What Aspirin Dose Is Safest and Most Effective for Preventing Heart Disease?
(翻訳:山内高弘)
メタドン治療の際のQTc間隔のスクリーニング
QTc Interval Screening in Methadone Treatment
(翻訳:菊地基雄)
心血管病予防のためのアスピリン:米国予防医療サービス専門作業部会からの勧告声明
Aspirin for the Prevention of Cardiovascular Disease: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
(翻訳:植田秀樹)
ACP Journal Club
患者ケアのための最良の新しいエビデンス
論評:美しい仮説の中心部に醜い事実を通過させるには何が必要ですか?
Editorial: What does it take to put an ugly fact through the heart of a beautiful hypothesis?
レビュー:周術期のβ遮断薬は非心臓手術を受ける患者に明らかな利益をもたらさない.
Review: Perioperative β-blockers provide no clear benefit in patients having noncardiac surgery
レビュー:長時間作用型β刺激薬は吸入ステロイドを投与されている患者の喘息関連入院の危険性を増加しない.
Review: Long-acting β-agonists do not increase risk for asthma-related hospitalization in patients taking inhaled corticosteroids
レビュー:吸入ステロイドは死亡率を減少させないが,慢性閉塞性肺疾患の肺炎を増加させる.
Review: Inhaled corticosteroids do not reduce mortality but increase pneumonia in chronic obstructive pulmonary disease
レビュー:口腔衛生の促進は病院,老人ホームでの高齢者の呼吸器感染症を予防する.
Review: Enhanced oral hygiene prevents respiratory infection in older persons in hospitals and nursing homes
厳格な,及び標準的な血糖コントロールはコントロール不良の2型糖尿病患者における主要な心血管イベントあるいは死亡数に差異がなかった
Intensive and standard glucose control did not differ for major CV events or death in poorly controlled type 2 diabetes
葉酸とビタミンB6,B12の併用療法は心血管疾患のハイリスク群の女性における癌のリスクに影響を与えなかった.
Combined therapy with folic acid and vitamins B6 and B12 did not affect cancer risk in women at high risk for CV disease
セレニウム,ビタミンEは単独,あるいは併用で前立腺癌を予防しなかった.
Selenium and vitamin E, alone or together, did not prevent prostate cancer
ビタミンE,ビタミンCは単独,あるいは併用で男性の前立腺あるいは全ての癌を予防しなかった.
Vitamin E and vitamin C, alone or together, did not prevent prostate or total cancer in men
バラシクロビルではなく,プレドニゾロンはベル麻痺の顔面神経機能の完全回復までの時間を減少させた.
Prednisolone, but not valacyclovir, reduced time to complete recovery of facial-nerve function in Bell palsy
レビュー:過敏性腸症候群の診断において,臨床所見の組み合わせは中等度の感度と特異度を有していた.
Review: Combinations of clinical findings had moderate sensitivity and specificity for diagnosing the irritable bowel syndrome
男性において,レイノルズ・リスクスコアは伝統的な危険因子のみよりも,より正確に心血管イベントを予測した.
Reynolds Risk Score for men predicted cardiovascular events more accurately than traditional risk factors only
改訂Genevaスコアの簡素化は肺塞栓症の診断の正確性を減弱させることはなかった.
Simplification of the revised Geneva score did not decrease accuracy for diagnosis of pulmonary embolism
用語解説
Glossary
(翻訳:こう康博)

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