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原著(ARTICLE)
超音波検査上の残存血栓をガイドに深部静脈血栓症患者の抗凝固療法期間を決定:無作為化試験
Residual Thrombosis on Ultrasonography to Guide the Duration of Anticoagulation in Patients With Deep Venous Thrombosis: A Randomized Trial
Paolo Prandoni, MD, PhD; Martin H. Prins, MD, PhD; Anthonie W.A. Lensing, MD, PhD; Angelo Ghirarduzzi, MD; Walter Ageno, MD; Davide Imberti, MD; Gianluigi Scannapieco, MD; Giovanni B. Ambrosio, MD; Raffaele Pesavento, MD; Stefano Cuppini, MD; Roberto Quintavalla, MD; and Giancarlo Agnelli, MD, for the AESOPUS Investigators*
5 May 2009 | Volume 150 Issue 9 | Pages 577-585
背景: 下肢深部静脈血栓症(DVT)患者における経口抗凝固療法の至適な継続期間はいまだ不明である.

目的: 超音波検査により残存血栓が持続的に見られることを基にして抗凝固療法継続期間を個別に決めると,通常通り所定の期間だけ治療を継続する場合に比べて,成人の近位DVTにおける静脈血栓塞栓症の再発率が減少するか否か検討すること.

研究デザイン: 1999年から2006年に行われた並行,無作為化試験.患者の振り分けグループについて知らされていない,十分経験を積んだ医師がアウトカムを評価.患者と治療医にはオープンである.

セッティング: イタリアの大学または病院9施設

患者: 初発の急性近位DVTがあり合併症なく3か月の抗凝固を終えた連続538例の外来患者

介入: 患者は無作為に割付(センターおよび,二次性か特発性のDVTかにより層別化し,コンピュータにより作成され臨床試験担当看護師にのみアクセス可能なリストを用いて割り付けされた),一群は所定の期間だけ抗凝固を行い(二次性血栓症には追加治療期間なし;特発性の血栓症にはさらに3か月追加),他群は抗凝固治療期間を超音波検査ガイド下に決めた(静脈が再開通した患者では追加治療なし;他のすべての患者は継続治療し,二次性血栓症では最大9か月,特発性の血栓症では最大21か月治療).主要アウトカム評価のために530人の患者が試験を完了した.

測定: 33か月の経過観察期間にVTE再発が確認された割合

結果: 全体では,所定の治療期間だけ抗凝固を行ったグループの患者268人中46人(17.2%)と,超音波ガイド下に抗凝固を行ったグループの患者270人中32人(11.9%)でVTEが再発した(補正ハザード比[HR] 0.64[95%CI, 0.39〜0.99]).特発性のDVT患者では,補正HR0.61(CI,0.36〜1.02),二次性DVT患者では0.81(CI,0.32〜2.06)であった.大出血は,所定の治療期間だけ抗凝固を行ったグループの患者2人(0.7%),超音波ガイド下に抗凝固を行ったグループの患者4人(1.5%)に見られた(P=0.67).

研究の限界: この研究は二重盲検ではない.患者数が少なく,グループ間の出血における差を検出できず,また特発性のDVTと二次性の患者サブグループにおける介入の効果を検出できない.血栓塞栓症の既往がある患者,血栓の危険因子を永続的にかかえる患者,第V因子Leidenとプロトロンビン遺伝子変異以外の血栓形成性疾患を除外している.

結論: 超音波検査所見に基づき抗凝固療法継続期間を個別に決定すると,成人の近位DVTにおけるVTE再発率が減少する.

主たる資金提供源: なし

(翻訳:白山武司)

English Abstract

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