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原著(ARTICLE)
新しい糸球体濾過量の推算式
A New Equation to Estimate Glomerular Filtration Rate
Andrew S. Levey, MD; Lesley A. Stevens, MD, MS; Christopher H. Schmid, PhD; Yaping (Lucy) Zhang, MS; Alejandro F. Castro III, MPH; Harold I. Feldman, MD, MSCE; John W. Kusek, PhD; Paul Eggers, PhD; Frederick Van Lente, PhD; Tom Greene, PhD; and Josef Coresh, MD, PhD, MHS, for the CKD-EPI (Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)*
5 May 2009 | Volume 150 Issue 9 | Pages 604-612
背景: 糸球体濾過量(GFR)推算式は腎機能を評価するために日常的に使われている.現在使用されている推定式は,正確さに限界があり,GFRの高い症例において,GFRを過小評価していた.

目的: GFRの新しい推算式,慢性腎臓病疫学共同研究(CKD-EPI)の推算式を開発する.

研究デザイン: 推算式を開発し,実証するための独立した蓄積データのある横断研究と,有病率の概算を示す米国国民を代表するサンプル

セッティング: 測定されたGFRのある調査研究,臨床データと,1999年から2006年までの米国全国健康栄養調査(NHANES).

参加者: 10の研究における8,254人(推算式作成のためのデータ集団),16研究における3,896人(実証のためのデータ集団).有病率の見積もりはNHANESの16,032人をもとにした.

測定: GFRを外因性の糸球体濾過マーカー(推算式作成のデータ集団ではイヌリン,実証のためのデータ集団ではイヌリンあるいはそのほかの物質)のクリアランスを用いた.標準化されたクレアチニン値,性別,人種,年齢から測定したGFRの対数を推定し,線形回帰(分析)にした.

結果: 実証のためのデータ集団において,CKD-EPI推算式は特にGFRの高い症例で(以下のすべての比較においてP<0.001),MDRD推算式よりも有用であった.というのは,偏りが少なく(測定されたGFRと推定GFRの差の中央値はGFR 2.5 対 5.5 mL/min/1.73 m2),より正確で(差の四分位範囲[IQR] 16.6 対 18.3 mL/min /1.73 m2),より厳密(測定されたGFRの30%以内に推定GFRが入っている割合は,84.1% 対 80.6%)であった.NHANESでは,推定GFRの中央値は,それぞれ,94.5 mL/min/1.73 m2 (IQR, 79.7〜108.1) 対 85.0 (IQR, 72.9〜98.5) mL/min/1.73 m2で,慢性腎臓病の有病率は,11.5% (95% CI, 10.6%〜12.4%) 対13.1% (CI, 12.1%〜14.0%)であった.

研究の限界: このサンプルはGFRの測定された一定数の高齢者と,人種的,民族的少数集団を少ししか含んでいない.

結論: CKD-EPIクレアチニン推算式はMDRDの推算式よりもより正確で,日常の臨床の場でMDRD式に代わって使用できるだろう.

主な財源: 米国国立糖尿病・消化器・腎臓病機関

(翻訳:石田真実子)

English Abstract

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