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診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
神経管欠損予防のための葉酸補充療法:米国予防医療サービス専門作業部会におけるエビデンスの最新情報
Folic Acid Supplementation for the Prevention of Neural Tube Defects: An Update of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force
Tracy Wolff, MD, MPH; Catherine Takacs Witkop, MD, MPH; Therese Miller, DrPH; and Shamsuzzoha B. Syed, MD, MPH, DPH (Cantab)
5 May 2009 | Volume 150 Issue 9 | Pages 632-639
背景: 神経管欠損(NTDs)は米国において最も一般的な出生異常の一つである.1996年に,米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は全ての妊娠計画中あるいは妊娠可能な女性はNTDsのリスク低減のために葉酸を含んだサプリメントを摂取するべきであると勧告した.

目的: 1996年以降に発表された児のNTDs予防のために妊娠可能女性が葉酸を摂取することによる利益と害について調べた新たなエビデンスを探し,USPSTFの最新の勧告に情報を提供すること.

情報源: 1995年1月から2008年12月までのMEDLINEとCochrane Central Register of Controlled Trialsの検索結果,最近の系統的レビュー,関連する引用文献,および専門家の提言.

研究の選択: 英語で発表された,妊娠可能女性の葉酸摂取による児のNTDs予防に対する利益と害について検討された無作為化比較試験,コホート研究,症例対照研究,系統的レビュー,そしてメタ解析.

データ抽出: 全ての研究が吟味され,要約され,事前に決められたUSPSTFの基準に従い研究の質が評価された.

データ統合: 4つの観察研究は葉酸を含んだサプリメントの摂取に関連したNTDsのリスク低減効果を報告していた.各々の報告で研究の種類と方法が違うため,リスク低減効果を集計することはできなかった.葉酸摂取の害について調べた1つの研究では,葉酸摂取と双生児妊娠との関連性は体外受精と葉酸摂取の過小報告で補正すると消失したと報告している.

研究の限界: 葉酸摂取量に関するエビデンスは限られていた.妊娠可能女性におけるビタミンB12欠乏が葉酸摂取によりマスクされてしまうことの害についてのエビデンスは見つからなかった.検索はNTDsとサプリメントとの関連のみに絞ったため,全ての起こりうるアウトカムに対する葉酸の効果についての総合的なレビューはできていない.また食事による葉酸摂取の効果についてもレビューできていない.

結論: 新たな観察研究結果は,以前の無作為化比較試験で得られた葉酸含有サプリメント摂取によるNTDs罹患妊娠リスクの低減効果のエビデンスを支持している.葉酸使用と双生児妊娠との関連については,受精への医学的介入が交絡しているかもしれない.

(翻訳:小河秀郎)

English Abstract

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