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原著(ARTICLE)
肺塞栓症の診断を改善させる携帯用コンピュータ化意思決定支援システム:無作為化試験
A Computerized Handheld Decision-Support System to Improve Pulmonary Embolism Diagnosis: A Randomized Trial
Pierre-Marie Roy, MD, PhD; Pierre Durieux, MD; Florence Gillaizeau, MS; Catherine Legall, MD; Aurore Armand-Perroux, MD; Ludovic Martino, MD; Mohamed Hachelaf, MD; Alain-Eric Dubart, MD; Jeannot Schmidt, MD, PhD; Mirko Cristiano, MD; Jean-Marie Chretien, MS; Arnaud Perrier, MD; and Guy Meyer, MD*
17 November 2009 | Volume 151 Issue 10 | Pages 677-686
背景: 肺塞栓症の検査は,エビデンスに基づくガイドラインにより推奨されたものとはしばしば異なる.

目的: 救急診療部における患者のなかから肺塞栓症を疑う際の,精密検査を改善する携帯臨床診断意思決定支援システムの有用性を評価すること.

デザイン: クラスター無作為化試験.割り当ては乱数表により,データ供給者は盲検化されず,そしてアウトカムの評価は自動的に行われた.(臨床試験政府登録番号:NCT00188032)

セッティング: フランスの20救急診療部.

患者: 肺塞栓症の疑われた1,103人および1,768人の連続した外来患者.

介入: 20施設の1103人の患者について,データ供給者が携帯装置に臨床データを入力するのに慣れ,研究者が基本的な試験を評価した介入準備期間の後で,救急診療部は装置を用いた意思決定支援システム(10施設,患者数753人)または確立された診断手順を示すポスターとポケットに入るカード(10施設,患者数1015人)を活用するよう無作為的に割り当てられた.

測定: 検査後の確率が5%以下または85%以上となる一連の検査(主要アウトカム)として,またはガイドラインの推奨に厳格に従うこと(副次アウトカム),として定義される精密検査の妥当性;一人の患者に対する検査数(副次アウトカム).

結果: 試験期間中に適切な精密検査を受けた患者の割合は,両群において介入準備期に比べて多かったが,その増加はコンピュータに基づくガイドライン群において大であった(増加における調整した平均差は,コンピュータに基づくガイドラインの方が19.3%良かった[95%CI,2.9〜35.6%年齢ポイント];P=0.023).適切な精密検査を受けた患者のなかでは,コンピュータに基づくガイドライン群が,論文のガイドライン群の患者に対して行われたよりもわずかに少なく検査を受けていた(患者一人あたり平均1.76[SD,0.98]対2.25[SD,1.04];P<0.001).

研究の限界: この研究はフォローアップ期間中の患者における臨床的なアウトカムの違いを示すようにはデザインされていなかった.

結論: 携帯意思決定支援システムは,救急診療部における肺塞栓症疑いの患者に対して診断上の意思決定を改善した.

主たる資金提供源: French National Hospital Clinical Research Project(訳注:フランス国立病院臨床研究機構).

(翻訳:松浦喜房)

English Abstract

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