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原著(ARTICLE)
持続的陽圧呼吸患者のアドヒアランスに対するエスゾピクロン(ルネスタ®)の短期的効果:無作為化試験
Effects of a Short Course of Eszopiclone on Continuous Positive Airway Pressure Adherence: A Randomized Trial
Christopher J. Lettieri, MD; Anita A. Shah, DO; Aaron B. Holley, MD; William F. Kelly, MD; Audrey S. Chang, PhD; Stuart A. Roop, MD; and for the CPAP ASAP (CPAP Promotion and Prognosis-The Army Sleep Apnea Program) Trial
17 November 2009 | Volume 151 Issue 10 | Pages 696-702
背景: 持続的陽圧呼吸(CPAP)導入患者における短期的アドヒアランスは長期使用を予測するかもしれない.不幸にして導入時のCPAP不耐性はアドヒアランス不良と治療放棄につながると考えられる.

目的: 成人の閉塞型睡眠時無呼吸患者の治療初期におけるエスゾピクロンの短期使用が,プラセボと比較してCPAP患者のアドヒランスの長期予後を改善するか否かを決定する.

研究デザイン: 2007年3月から2008年12月の期間におけるパラレル無作為化プラセボ比較試験.薬局員により中央保守化かつ匿名化された無作為化は10名単位で固定化されたブロックをコンピュータにより抽出して行った.試験に寄与した医師,調査員,患者には最終データ収集されるまでは治療割り当ては公表されなかった.(臨床研究登録番号:NCT00612157)

セッティング: 大学の睡眠障害センター

患者: 160名の成人(平均年齢45.7歳[SD,7.3歳]),平均無呼吸寡呼吸指数36.9回/時[SD,23].新たに閉塞型睡眠時無呼吸と診断されCPAP導入予定患者.

介入: CPAP導入時の最初の14日にエスゾピクロン3mg群(n=76)とプラセボ群(n=78)に振り分けた.

測定: CPAPの使用状況を24週にわたり毎週測定した.CPAPへのアドヒアランスを主要アウトカムとし,CPAP中止率と症状の改善を副次アウトカムとして比較した.1,3,6か月後における追跡患者数はそれぞれ,150,136,120名であった.

結果: エスゾピクロンを使用した患者の方がCPAPの装着日数が20.8%多く(95%CI,7.2〜34.4%;p=0.003),総日数に占める装着時間数も1.3時間多く(CI,0.4〜2.2時間;p=0.005),一夜あたりのCPAP装着時間も1.1時間多い(CI,0.2〜2.1時間;p=0.019).プラセボ群ではCPAPを中止するハザード比が1.90倍高かった(CI,1.1〜3.4;p=0.033).副作用は患者の7.1%に認めたが,2群間には有意差はなかった.

研究の限界: 専門化された睡眠センターでの重度の閉塞型睡眠時無呼吸患者の治療は診察が頻回になる傾向があるため,本研究結果を異なる施設に一般化することはできない.本研究では患者のCPAPへの耐性や中止理由には触れていない.

結論: プラセボと比較すると,CPAP導入の最初の2週間におけるエスゾピクロンの短期的投与はアドヒアランスを改善し,治療の逸脱率の低下につながる.

主たる資金提供源: Sepracor(訳注:セプラコール社)

(翻訳:中村浩士)

English Abstract

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