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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
閉塞性睡眠時無呼吸に対する持続的陽圧呼吸(CPAP)のより良い使用法
Improving Use of Continuous Positive Airway Pressure for Obstructive Sleep Apnea
17 November 2009 | Volume 151 Issue 10 | Pages I-38
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
睡眠時に上気道に属する空気の通り道が閉塞することによって,短時間の呼吸停止を起こす人たちがいます.この状態は,いわゆる閉塞性睡眠時無呼吸といわれ,心地よい眠りを阻害します.睡眠時無呼吸の患者さんは,しばしば気分が悪くなり,はっきりとものを考えることが難しくなり,日中に眠気を訴えます.一般的な治療法として,睡眠中に特別なマスクを着用する方法があります.そのマスクは,空気の通り道を開いたままに保つために,気道の内圧を高める器械(持続的陽圧呼吸,あるいはCPAP)とつながっています.CPAPが気持ち良くないと感じたり,すぐに効果のでる利点を感じられない患者さんは,しばしば治療を中断してしまいます.睡眠時無呼吸を治療する医師は,患者さんたちが容認でき,CPAPを続けられるようなアプローチが必要です.患者さんが始めてCPAPを試す時に,よく眠れるように軽い鎮静剤を短期間用いるのは,ひとつのアイデアだと言えます.

この研究の目的は何ですか?
閉塞性睡眠時無呼吸の成人例において,長期にわたるCPAP療法を開始する際に,短期間の非ベンゾジアゼピン系鎮静剤(エスゾピクロン)が,プラセボ(模擬錠剤)より有効であるかどうかを知るためです.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
重症の閉塞性睡眠時無呼吸の成人症例160名です.

どのような研究がおこなわれましたか?
研究者たちは,新しく診断された閉塞性睡眠時無呼吸の患者さんを採用しました.ランダムに割り当てて,3mgのエスゾピクロンまたはマッチしたプラセボ(活性のある成分を含まない錠剤)を,CPAP療法開始2週間に毎晩患者さんに服用してもらいました.患者さんも医師もどちらの薬を受け取ったのかわかりません.2週間が終了するときに,患者さんに頭痛やめまいといった副作用があったかを質問しました.その後,研究者たちは患者さんを6か月間フォローしました.器械の中に備わっている電子的な「スマートカード」を用いて,CPAPの使用法を計測したり,日中の眠気のような症状について患者さんに質問をしたりしました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
エスゾピクロンを受け取った患者さんは,プラセボを受け取った患者さんに比べて,CPAP療法をやめてしまうことが少なく,症状の改善が多く認められました.その患者さんたちは,また,プラセボを投与された患者さんと比較して,CPAPをより頻回に使用し(より多くの夜に),さらに一晩あたりでもより多くの時間にわたって利用しました.報告された薬剤の副作用はまれで,プラセボにみられた副作用と何ら違いはありませんでした.

この研究にはどのような限界がありますか?
研究は小規模で,何名かの患者さんは研究を最後まで実施されませんでした.研究は,ある専門化された睡眠センターで実施されたものです.CPAPを中断した患者さんごとの理由については,何ら評価されておりません.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
治療の始めの2週間に投与されたエスゾピクロンは,重症の閉塞性睡眠時無呼吸患者の一部には,CPAPの長期利用を改善する助けとなるかもしれません.

(翻訳:西岡亮治)

English Abstract

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