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診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
乳癌のスクリーニング:U.S.Preventive Services Task Forceの最新版
Screening for Breast Cancer: An Update for the U.S. Preventive Services Task Force
Heidi D. Nelson, MD, MPH; Kari Tyne, MD; Arpana Naik, MD; Christina Bougatsos, BS; Benjamin K. Chan, MS; and Linda Humphrey, MD, MPH
17 November 2009 | Volume 151 Issue 10 | Pages 727-737
背景: この系統的レビューは,乳癌スクリーニングにおける2002年U.S.Preventive Services Task Force(USPSTF 訳注:米国予防医療サービス専門作業部会)勧告からのエビデンスの最新版である.

目的: 平均的にリスクがある女性年齢40〜49歳と70歳以上の女性でマンモグラフィによるスクリーニングが,乳癌死亡率を減少させるかどうかの有効性,医師による乳房診察と自己乳房診察での有効性,スクリーニングの有害性を決定すること.

情報源: Cochrane Central Register of Controlled Trialsと系統的レビューのコクランライブラリデータベース(2008年第4四半期まで),MEDLINE(2001年1月〜2008年12月),参考文献一覧表,公表された研究に対するWeb of Science検索とマンモグラフィのデータをスクリーニングするためのBreast Cancer Surveillance Consortium.

研究の選択: スクリーニングの有効性に対する乳癌死亡率の無作為化比較試験,有害性に対する種々のデザイン研究と多くのデータソース.

データ抽出: 関連したデータは要約され,研究のクオリティーは,確立された基準を使って評価された.

データ統合: マンモグラフィによるスクリーニングは,39〜49歳の女性で乳癌死亡率を15%減少させる(相対危険度,0.85[95%CI,0.75〜0.96];8試験).70歳以上の女性のデータはない.マンモグラフィによる放射線曝露は少ない.患者の有害事象は,しばしば見られ一過性であり,スクリーニングの実行に影響はない.過剰診断の推定値は,1〜10%の範囲である.若い女性は,マンモグラフィの結果が,高齢の女性に比べてより偽陽性となり,追加の画像検査が必要となるが,生検になることはむしろ少ない.医師による乳房診察の臨床試験は現在進行中であり,自己乳房診察の臨床試験では,死亡率の低下は証明されず,良性を示す生検結果が増えた.

研究の限界: 70歳以上の女性,デジタルマンモグラフィ,MRIの検索がなされていない.

結論: マンモグラフィによるスクリーニングは,39〜69歳の女性の乳癌死亡率を減少させる.70歳以上の女性のデータは不十分である.偽陽性とでるマンモグラフィの結果と追加の画像検査が必要となることは珍しくない.医師による乳房診察と自己乳房診察は,有益でない.

主たる資金提供源: Agency for Healthcare Research and Quality(AHRQ 訳注:米国ヘルスケア研究・品質局)

(翻訳:井田弘明)

English Abstract

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