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(更新日 2009年12月28日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
15 December 2009 Volume 151 Issue 12
(監修:白山武司,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
パンデミックインフルエンザ(H1N1)2009に対するワクチン接種の有効性と費用対効果
Effectiveness and Cost-Effectiveness of Vaccination Against Pandemic Influenza (H1N1) 2009
Nayer Khazeni, David W. Hutton, Alan M. Garber, Nathaniel Hupert, and Douglas K. Owens
今秋A型インフルエンザ(H1N1)ワクチンがワクチン接種プログラムで配給された.Khazeniと同僚らのワクチン接種に関する意思決定モデルによると,集団接種において人口の40%を10月にワクチン接種すれば,11月に同様の対象に接種する場合と比べ,より多くの生命を救い医療費をより節減するようである.より早期のワクチン接種を行えば,遅い時期の接種よりもA型インフルエンザ(H1N1)ワクチンによる死亡者の増加を防ぎ,コストが低減すると推定される.
(翻訳:田 徹)
A型インフルエンザ(H5N1)のパンデミックに対する拡大抗ウイルス予防やアジュバントワクチン接種策の効果と費用対効果
Effectiveness and Cost-Effectiveness of Expanded Antiviral Prophylaxis and Adjuvanted Vaccination Strategies for an Influenza A (H5N1) Pandemic
Nayer Khazeni, David W. Hutton, Alan M. Garber, and Douglas K. Owens
A型インフルエンザ(H5N1)のパンデミックに対する適切な計画は,公衆衛生における優先事項である.Khazeniと同僚らはパンデミックを軽減するための3通りの代替策を作った.それらは,ワクチン接種と抗ウイルス薬予防投与の期間延長による策,拡大抗ウイルス予防策,拡大アジュバントワクチン接種策である.拡大アジュバントワクチン接種アプローチが最も効果的で費用対効果に優れた軽減策であった.さらに拡大抗ウイルス予防は,同時に追加策が実施されるとパンデミックの遅延に役立つかもしれない.
(翻訳:赤真秀人)
併存疾患が糖尿病での血糖コントロールと心血管アウトカムの関係に影響する.:コホート研究
Comorbidity Affects the Relationship Between Glycemic Control and Cardiovascular Outcomes in Diabetes: A Cohort Study
Sheldon Greenfield, John Billimek, Fabio Pellegrini, Monica Franciosi, Giorgia De Berardis, Antonio Nicolucci, and Sherrie H. Kaplan
2型糖尿病患者での心血管イベントを減らすという点で,血糖コントロールの有効性は不確定である.Greenfieldと共同研究者らによる観察研究では,イタリアの205の診療所の2型糖尿病患者2,613人が組み込まれていた.彼らはヘモグロビンA1cが6.5%以下を達成した群と7%以下を達成した群を比較し,それぞれ高度の併存疾患と軽度から中等度の併存疾患をもつ患者間で異なる有益性をもたらすかを吟味した.厳格な血糖コントロールは,軽度から中等度の併存疾患をもつ患者での5年にわたる心血管イベントに対してリスクの軽減と相関したが,高度の併存疾患をもつ患者ではリスクの軽減には至らなかった.
(翻訳:澤木秀明)
レビュー(Reviews)
系統的レビュー:虚血性心疾患に対するアンジオテンシン変換酵素阻害薬あるいはアンジオテンシンII受容体拮抗薬の比較効果
Systematic Review: Comparative Effectiveness of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors or Angiotensin II-Receptor Blockers for Ischemic Heart Disease
William L. Baker, Craig I. Coleman, Jeffrey Kluger, Kurt M. Reinhart, Ripple Talati, Robert Quercia, Olivia J. Phung, and C. Michael White
Bakerと同僚らは,彼らの系統的レビューの中で,すでに標準的な治療を受けている心室機能が保たれた安定した虚血性心疾患の成人において,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARBs)またはその併用療法の有益性と有害性を比較した.ACE阻害薬が,死亡,脳卒中および心筋梗塞のリスクを低下させることを彼らは見出した.ARBsの効果に関するエビデンスは不十分であり,併用療法はACE阻害薬による治療に比べて低血圧や失神のリスクを増大させた.
(翻訳:吉田 博)
NIHカンファレンス(NIH Conferences)
NIH(訳注:国立衛生研究所)の科学的現状の会議における声明:家族歴と健康向上
National Institutes of Health State-of-the-Science Conference Statement: Family History and Improving Health
Alfred O. Berg, Macaran A. Baird, Jeffrey R. Botkin, Deborah A. Driscoll, Paul A. Fishman, Peter D. Guarino, Robert A. Hiatt, Gail P. Jarvik, Sandra Millon-Underwood, Thomas M. Morgan, John J. Mulvihill, Toni I. Pollin, Selma R. Schimmel, Michael Edward Stefanek, William M. Vollmer, and Janet K. Williams
プライマリ・ケア領域における家族歴情報入手の役割,家族歴情報の有効性,家族歴情報が健康アウトカムに影響するかどうか,について解明されなければならない.この目的を達成するため,The National Human Genome Research Institute(訳注:国立ヒトゲノム研究所)とThe Office of Medical Applications of Research of the National Institutes of Health(訳注:米国国立公衆衛生院の研究医学適応局)は,科学的現状の会議を開催し,プライマリ・ケア領域の医師に診られるようなありふれた疾患の家族歴のトピックについてレビューしたこの論文は,エビデンスに関する鍵となる問いに答えるものである.
(翻訳:湯地晃一郎)


系統的レビュー:ありふれた疾患のリスク評価における家族歴
Systematic Review: Family History in Risk Assessment for Common Diseases
Brenda J. Wilson, Nadeem Qureshi, Pasqualina Santaguida, Julian Little, June C. Carroll, Judith Allanson, and Parminder Raina
Wilsonとその同僚らはプライマリ・ケアの診療場面においてルーチンに家族歴を聴取することの潜在的な有用性と有害な影響についてのエビデンスをレビューした.また,彼らは患者が話す家族歴の正確性についての研究もレビューを行った.その結果彼らは,プライマリ・ケアの診療場面においてどのようにして正確に家族歴を聴取できるかということについては不十分なエビデンスしか存在しない;また家族歴を聴取することが患者の転帰にいい影響を与えるか,あるいは悪影響を与えるかという問題についてはほとんどエビデンスが存在しないことを見いだした.いくつかの研究は,患者は自分の血縁者の疾患に関しては,疾患が存在することより,疾患が存在しないことについてより正確に述べるらしいことを示した.
(翻訳:山本智清)
論評(Editorials)
現代の水晶占い:数学的モデルによるインフルエンザ予測
The Modern Crystal Ball: Influenza Forecasting With Mathematical Models
Susan M. Kansagra andThomas A. Farley
この号ではKhazeniと同僚らは,ニューヨークと類似した都市におけるA型インフルエンザ(H5N1)と新型インフルエンザ(H1N1)に対するさまざまなインフルエンザ軽減策の身体影響と費用対効果を検証するモデルを開発した.そのモデルは重要な結論を提示している:もしワクチンを接種する人口割合が高ければ,たとえ低効果(50%)のワクチン接種でも集団の健康利益は相当大きいであろう.
(翻訳:土屋直隆)


心血管疾患の予防における血糖管理の役割-原点に立ち返る?
The Role of Glycemia Management in the Prevention of Cardiovascular Disease-Starting Over?
David M. Nathan
本号のGreenfieldと同僚らの5年間にわたるコホート研究を含む最近の観察研究は,2型糖尿病患者の適切な治療目標を定義づけることと,HbA1c値6.5%以下を達成することにより心血管疾患のアウトカムが改善するかどうか明らかにすることを目的としている.臨床医は,微小血管や神経系の合併症の進行を予防または遅らせることができ,心血管疾患も減少させるようであるという強力なエビデンスによって,HbA1c値7%以下を目指すことが正当化されると確信して良さそうである.
(翻訳:石田真実子)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
インフルエンザ拡大予防に関する最良法の評価に関して
Assessing the Best Way to Prevent Spread of Influenza
(翻訳:今村隆明)
2型糖尿病を有する患者さんにおける血糖コントロールと心血管系疾患発症の関係には併存疾患が影響しているようです.
Chronic Health Problems Seem to Influence the Relationship of Blood Sugar Control and Cardiovascular Events in Patients With Type 2 Diabetes
(翻訳:浦野哲哉)
ACP Journal Club
The Best New Evidence for Patient Care
患者ケアのための最良の新しいエビデンス
論評:ACP Journal Club PLUSとACPJC.orgの,新しく,まだ十分に活用されていない特徴:主要論文,検索,そして各自の必要に応じたEBMの原則と実務の簡潔な概要
Editorial: New and underutilized features of ACP Journal Club PLUS and ACPJC.org: stellar articles, searches, and succinct synopses of the principles and practice of "personalized" evidence-based medicine
急性冠症候群において,チカグレロルはクロピドグレルよりも有効であり,大出血も増加しなかった.
Ticagrelor was more effective than clopidogrel, with no increase in major bleeding in acute coronary syndromes
2型糖尿病において,地中海式食事療法は,低脂肪食よりも血糖降下薬の必要性を減少させた.
A Mediterranean-style diet reduced need for glucose-lowering drugs more than a low-fat diet in type 2 diabetes
AS04をアジュバントしたヒトパピローマウイルス16/18型ワクチンは,若年女性における子宮頸部上皮内悪性新生物を予防した.
Human papillomavirus 16/18 AS04-adjuvanted vaccine prevented cervical intraepithelial neoplasia in young women
レビュー:プレガバリンは成人におけるニューロパチーによる慢性疼痛を軽減する.
Review: Pregabalin reduces chronic neuropathic pain in adults
椎体形成術は骨粗鬆症による有痛性椎体骨折に対して有効ではなかった.
Vertebroplasty was not effective for painful osteoporotic vertebral fractures
椎体形成術は骨粗鬆症による有痛性椎体骨折に対して有効ではなかった.
Vertebroplasty was not effective for painful osteoporotic vertebral fractures
PETとCTを併用すると,従来診断法よりも,早期の非小細胞肺癌をより正確に描出できた.
PET plus CT was better than conventional methods for correctly upstaging early NSCLC
スパイラルCTによるスクリーニングでは,高齢の喫煙男性における肺癌の死亡率は減少しなかった.
Screening with spiral CT did not reduce lung cancer mortality in older male smokers
急性心筋梗塞を早期診断するためには,標準的なトロポニンアッセイより,高感度心筋トロポニンアッセイの方が精確であった.
Sensitive cardiac troponin assays were more accurate than a standard troponin assay for early diagnosis of AMI
超高齢者では,貧血は独立した死亡率関連因子だった.
Anemia was independently associated with mortality in very old persons
高齢の前立腺癌患者における持続的アンドロゲン抑制療法は,糖尿病と脆弱性骨折を増加させた.
Continuous androgen-deprivation therapy increased risk for diabetes and fragility fractures in older men with prostate cancer
妊娠早期における選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の服用は,心臓中隔欠損症のリスク上昇と関連していたが,主要な先天奇形全体のリスク上昇とは関連していなかった.
SSRIs in early pregnancy were associated with increased risk for septal heart defects but not major congenital malformations overall
用語解説
Glossary
(翻訳:池田正行)

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