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原著(ARTICLE)
A型インフルエンザ(H5N1)のパンデミックに対する拡大抗ウイルス予防やアジュバントワクチン接種策の効果と費用対効果
Effectiveness and Cost-Effectiveness of Expanded Antiviral Prophylaxis and Adjuvanted Vaccination Strategies for an Influenza A (H5N1) Pandemic
Nayer Khazeni, MD, MS; David W. Hutton, MS; Alan M. Garber, MD, PhD; and Douglas K. Owens, MD, MS
15 December 2009 | Volume 151 Issue 12 | Pages 840-853
背景: A型インフルエンザ(H5N1)ウイルスのパンデミックの可能性は,21世紀における公衆衛生上で重要な関心事である.

目的: パンデミック(H5N1)の軽減と対応に関する代替策の効果と費用対効果を見積もること

研究デザイン: 感染拡大に関するマルコフモデルと連結させたコンパートメント流行モデル.

情報源: 文献と専門家の意見

対象集団: 人口830万人の米国大都市居住者

対象期間: 生涯

展望: 社会的

介入: 以下の3通りのシナリオ:1)現在利用可能な米国における備蓄量と類似する量のワクチン接種と抗ウイルス薬物治療(備蓄策),2)抗ウイルス薬の拡大配給を伴う備蓄策(拡大予防策),3)アジュバントワクチンを用いる備蓄策(拡大ワクチン接種策).すべてのシナリオで標準的な薬物非使用による介入を想定した.

結果判定: 防止できた感染と死亡,費用,生活の質を調整した生存年(QALYs)と増分費用対効果

基本症例分析結果: 拡大ワクチン接種が,3通りの策の中で最も効果的で費用対効果に優れていた.感染と死亡を68%防止し,備蓄策と比較すると404,030QALYs(1QALYあたり10,844ドル)向上した.

感度分析結果: 拡大ワクチン接種は広範囲の条件に対して,増分費用対効果が認められた.

研究の限界: このモデルでは,患者と患者に接触する者が均質に混じり合うことを想定した.不均質に混じり合う場合は,当初より速く蔓延し,その後よりゆっくりと蔓延するであろう.子供や高齢者への介入モデルを作らなかった.すなわち本モデルは特定のグループに対する介入を目標にして計画されていない.

結論: A型インフルエンザ(H5N1)のパンデミックに対し,拡大アジュバントワクチン接種は効果的で費用対効果に優れた軽減策である.拡大抗ウイルス予防は,追加の策が同時に実施されるとパンデミックの遅延に役立ち得る.

主たる資金供給源: National Institutes of Health(訳注:国立衛生研究所) およびAgency for Healthcare Research and Quality(訳注:米国ヘルスケア研究・品質局;AHRQ).

(翻訳:赤真秀人)

English Abstract

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