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原著(ARTICLE)
併存疾患が糖尿病での血糖コントロールと心血管アウトカムの関係に影響する.:コホート研究
Comorbidity Affects the Relationship Between Glycemic Control and Cardiovascular Outcomes in Diabetes: A Cohort Study
Sheldon Greenfield, MD; John Billimek, PhD; Fabio Pellegrini, MS; Monica Franciosi, MSc; Giorgia De Berardis, MSc; Antonio Nicolucci, MD; and Sherrie H. Kaplan, PhD, MPH
15 December 2009 | Volume 151 Issue 12 | Pages 854-860
背景: 心血管イベントのリスクを軽減するのに強力な血糖降下療法が有効かという点について,最近の研究結果は賛否が相半ばしている.

目的: ベースラインでヘモグロビンA1c(HbA1c)が6.5%以下を達成するか7%以下を達成するかが,高度の併存疾患と軽度から中等度の併存疾患をもつ患者間で異なる有益性をもたらすかを究明すること.

研究デザイン: 2型糖尿病患者の5年の縦断的観察研究.患者自身が評価を行った有効な併存疾患の測定である,総疾病重症度指数(TIBI)を用いることにより,高度併存疾患と低-中等度併存疾患に患者は分類された.

セッティング: イタリアの101の糖尿病の診療所と103の一般開業医

患者: 無作為に糖尿病外来の診療所の名簿から抽出された患者,および連続的に一般診療所から採用された2型糖尿病3,074名中ベースラインの質問表を仕上げた2,613名(83%)

測定: TIBIスコア,総死亡率,心血管イベント発症率.ハザード比(HRs)は年齢と性別で,調整された.

結果: 軽度から中等度の併存疾患をもつサブグループでは,ベースラインでHbA1cが6.5%以下を達成することが5年間の心血管イベントの発生率の低下と相関した.(調整HR,0.60[95%CI,0.42〜0.85];P=0.005)しかし高度の併存疾患をもつサブグループでは相関しなかった.(調整HR,0.92[CI,0.68〜1.25];P=0.61;TIBIのサブグループとHbA1cの交互作用に対するP=0.048)同様に,軽度から中等度の併存疾患をもつサブグループでは,ベースラインでHbA1cが7.0%以下を達成することが一層少ない心血管イベントを予測した.(調整HR,0.61(CI,0.44〜0.83;P=0.001)しかし,高度の併存疾患をもつサブグループでは,そうではなかった.(調整HR,0.88[CI,0.66〜1.17];P=0.38;TIBIのサブグループとHbA1cの交互作用に対するP=0.093)

研究の限界: 本研究が観察研究であるという性質上は因果推論を許さない.データ集積期間の長さは限られていた.臨床的な管理上の情報は入手できなかった.

結論: 2型糖尿病でよくみられる,高度の並存疾患を持つ患者は,強力な血糖降下療法からの心血管への恩恵を十分享受できない可能性がある.2型糖尿病患者でテーラーメードの血糖降下療法を行う際には,併存疾患を考慮に入れるべきである.

主たる資金提供源: Pfizer of Italy(訳注:イタリア・ファイザー)

(翻訳:澤木秀明)

English Abstract

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