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原著(ARTICLE)
親密なパートナーによる暴力と支配に対するコンピュータを用いたスクリーニング法(IPVC):無作為化試験
Computer-Assisted Screening for Intimate Partner Violence and Control: A Randomized Trial
Farah Ahmad, MBBS, MPH, PhD; Sheilah Hogg-Johnson, PhD; Donna E. Stewart, MD; Harvey A. Skinner, PhD, CPsych; Richard H. Glazier, MD, MPH; and Wendy Levinson, MD
21 July 2009 | Volume 151 Issue 2 | Pages 93-102
背景: 親密なパートナーによる暴力と支配(IPVC)は一般的にみられ,女性にとって重大な健康リスクとなりうる.

目的: 家庭医療の外来で,IPVCのリスクを有する女性を発見するために,コンピュータを用いたスクリーニング法が有用かどうかを評価する

研究デザイン: 無作為化試験.無作為化は,コンピュータにより行った.患者が同意した後,不透明の封筒を開ける方法で,割付が明らかにならないように施行された.結果を評価する担当者を除き,患者と担当者は,研究の介入状況を把握できなかった.

セッティング: カナダのオンタリオ州,トロントにあり,地域の研究機関の関連施設である1つの家庭医療クリニックで実施.

対象: 最近または現在受診中の成人女性.

介入: コンピュータを用いた多リスク評価報告書をカルテに貼り付けた144例.この報告書は受診前に対象者から得られた情報をまとめたものである.対照群は,通常の医療ケアを受けた149例であった.

測定: IPVCのリスクに関する話し合いから始め,受診した録音テープに基づきリスクを伴う女性を発見する.

結果: 些細なものでも暴力が見いだされたのは,全体で22%(95%CI,17〜27%)であった.全例282例を補正し解析すると,本介入によってIPVCを議論する機会が増加し(補正相対リスクは1.4(CI,1.1〜1.9),IPVCの発見も増加した(補正相対リスクは2.0(CI,0.9〜4.1)).参加者はコンピュータを用いたスクリーニング法の利点を認識したが,一方で,プライバシーや医師との対話でやや懸念を表す人もみられた.

研究の限界: 本研究は1施設で行ったものであり,どの医療サービスを用いたのか,本法によって得た結果が評価されていない.

結論: コンピュータを用いたスクリーニング法は,多忙な家庭医療の現場で,効率的にIPVCを発見した.また本法は患者に受け入れられるものであった.

主たる資金提供源: カナダ健康研究財団およびオンタリオ州婦人健康協議会(Canadian Institutes of Health Research and Ontario Women's Health Council)

(翻訳:板東 浩)

English Abstract

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