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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
インターネットを用いた喘息のケアにおける支援プログラム
Internet-Based Program to Assist Patients in Asthma Care
21 July 2009 | Volume 151 Issue 2 | Page I-42
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

下記の「まとめ」は「インターネットを用いた自己管理・教育と通常の喘息治療管理を喘息で比較する:無作為化試験」というタイトルの論文からのものです.
何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
喘息の患者さんでは,肺に空気を運ぶ管である気道の壁にある筋肉の収縮が起こります.このように気道の収縮が起こると呼吸をしづらくなります.喘息患者さんのなかには,滅多に症状のでない方も,ほとんど毎日のようにひどい症状のある方もいらっしゃいますが,多くの方はその中間に入るのではないでしょうか.喘息症状のきっかけとなるものとしては,煙,感染症,アレルギー反応,寒冷や運動などが挙げられますが,はっきりしたきっかけがない患者さんもいらっしゃいます.
幸いなことに,喘息の治療は非常に効果的です.喘息のための薬は大きく2つに分けられます.一つは長期的に喘息をコントロールして発作の回数を減らすもの.もう一つは喘息発作時に気道をリラックスさせて症状を緩和する薬剤です.喘息は長期にわたる病気ですので,そのコントロールに際しては患者さん自身が自分自身の管理に関わっていくことが重要です.患者さんは喘息という病気とその治療を理解し,喘息を悪化させる要因を知り,自分自身の症状をどのように把握するかを知っておく必要があります.インターネットは,それを通して喘息のみならずその他の慢性の病気の自己管理に関しても,患者さんを支援できる可能性があります.

この研究の目的は何ですか?
インターネットを用いた喘息患者さん支援プログラムが,喘息の経過を改善するかどうかを知るために行いました.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
成人の喘息患者さん200例です.

どのような研究がおこなわれましたか?
すべての患者さんは,喘息という病気について,喘息治療薬について,吸入薬の正しい用い方について,さらに手持ち型スパイロメーター(肺が正常に働いているかをモニターする道具)の用い方について基本的な説明を受けました.そして研究者は患者さんを,通常の医師による喘息治療のみにするか,医師による喘息治療とインターネットによる喘息患者支援プログラムを併用する方法にするか,無作為に振り分けました.このインターネットプログラムのウエブサイトには喘息の症状に関する質問があり,患者さんがそれに答えることでそれに基づいた治療計画が提示されました.またそこでは看護師と相談することもできました.研究者らは12か月にわたって,患者さんの生活の質,喘息の症状,喘息発作そして肺機能についての情報を集めました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
研究開始後12か月たった時点で,インターネットプログラム併用群では,通常行われる医師による治療のみをうけた患者さんと比較して喘息コントロールおよび肺機能の面で改善がみられました.しかしながら,生活の質の面における改善はほとんどみられず,喘息発作回数は変わりませんでした.

この研究にはどのような限界がありますか?
この研究が行われたのは12か月間に過ぎず,患者さん自身がどちらのグループに属しているかを知っていました.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
インターネットによる喘息患者さんの自己管理を支援するプログラムは,喘息の経過をある程度改善する可能性があることがわかりました.しかしながらそれは,喘息発作の回数を減らすことにはつながりませんでした.

(翻訳:新谷英滋)

English Abstract

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