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(更新日 2009年8月19日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
4 August 2009 Volume 151 Issue 3
(監修:林 正樹,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
HIV感染に対するエファビレンツ(ストックリン®)の段階投与と全量投与との比較と精神神経性の副作用:無作為化試験
Stepped-Dose Versus Full-Dose Efavirenz for HIV Infection and Neuropsychiatric Adverse Events: A Randomized Trial
Alicia Gutiérrez-Valencia, Pompeyo Viciana, Rosario Palacios, Rosa Ruiz-Valderas, Fernando Lozano, Alberto Terrón, Antonio Rivero, and Luis F. López-Cortés, for the Sociedad Andaluza de Enfermedades Infecciosas
エファビレンツを服用する患者の約半数は不快な精神神経性の副作用を発症する.今回の無作為化試験の対象患者は114名で,治療の最初2週間にエファビレンツの全量投与を受けた群と段階投与を受けた群との比較を行った.段階投与群は治療第1週での副作用がより少なく,24週後のHIV RNAレベル,CD4陽性細胞数は両群で同等であった.
(翻訳:こう康博)
資源の限られた環境における抗レトロウイルス療法の開始時期
When to Start Antiretroviral Therapy in Resource-Limited Settings
Rochelle P. Walensky, Lindsey L. Wolf, Robin Wood, Mariam O. Fofana, Kenneth A. Freedberg, Neil A. Martinson, A. David Paltiel, Xavier Anglaret, Milton C. Weinstein, and Elena Losina, for the CEPAC (Cost-Effectiveness of Preventing AIDS Complications)-International Investigators
日和見感染症を起こす確率の高い,資源の限られた国々では,迅速なHIV感染症のコントロールが特に重要である.研究者らは無作為試験や南アフリカにおけるコホート研究のデータを用いて,HIV感染症のコンピュータシミュレーションを作成し,費用対効果比解析を3つの選択肢(無治療,CD4陽性細胞数が0.250X109/L未満もしくは0.350X109/L未満で治療開始)で行った.0.250X109/L未満で治療を開始した患者と比較し,0.350X109/L未満で開始した患者の方が高い費用対効果比が得られた.南アフリカでは,より高いCD4細胞数での治療が優れていることが判明するかもしれない.
(翻訳:山前正臣)
バッド・キアリ症候群の病因,管理,アウトカムに関して
Etiology, Management, and Outcome of the Budd-Chiari Syndrome
Sarwa Darwish Murad, Aurelie Plessier, Manuel Hernandez-Guerra, Federica Fabris, Chundamannil E. Eapen, Matthias J. Bahr, Jonel Trebicka, Isabelle Morard, Luc Lasser, Joerg Heller, Antoine Hadengue, Philippe Langlet, Helena Miranda, Massimo Primignani, Elwyn Elias, Frank W. Leebeek, Frits R. Rosendaal, Juan-Carlos Garcia-Pagan, Dominique C. Valla, Harry L.A. Janssen, and for EN-Vie (European Network for Vascular Disorders of the Liver)
Darwish Muradと同僚らは新たに診断された肝静脈流出路閉塞症(バッド・キアリ症候群)163例に関して報告を行った.大半の患者で血栓性リスクファクターを同定でき,中でも骨髄増殖性疾患が最もよくみられた.約半数は利尿薬や抗凝固療法を用いて非侵襲的に管理されたが,残り半分は経頚静脈シャント造設,再還流法や肝移植で治療された.生存率は良好で,従来報告されてきたものより高かった.
(翻訳:今村隆明)
患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
この患者はクロストリジウム・ディフィシルに感染しているのだろうか?
Does My Patient Have Clostridium difficile Infection?
Lance R. Peterson and Ari Robicsek
クロストリジウム・ディフィシル感染症(以下CDI)の毒力が増強し,発症頻度が高くなっているようだ.さらにCDIのメトロニダゾールの耐性化が進み,予後が悪化している.誤診につながる3つの誤解が巷に流れている:すなわち,1)軟便が1日3回未満しかなくてもCDIのことがある;2)CDIの診断にはglutamate dehydrogenase test(訳注:CDチェックD-1)を最初に行うとよい;3)感度の低い検査も繰り返し行えば有効―である.臨床医が下痢エピソード1回のみで行う検査の回数を減らし,より感度の高い検査を選択し,患者の病歴により関心を払えば,CDIの診断はもっと正確になるだろう.
(翻訳:紺谷 真)
レビュー(Reviews)
メタ解析:旅行と静脈血栓塞栓症のリスク
Meta-analysis: Travel and Risk for Venous Thromboembolism
Divay Chandra, Emilio Parisini, and Dariush Mozaffarian
長距離旅行と静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクの関連に関する一連のエビデンスは,多種多様で,結論づけられていない.Chandraと同僚らは,旅行者のVTEのリスクを明らかにし,過去の研究で出された矛盾する結果の原因を特定しようとした.14の適格な研究のうち,VTEの統合した相対リスクは,2.0(CI,1.5〜2.7)であった.6つの症例対照研究を除くと,相対リスクは2.8(CI,2.2〜3.7)であった.この除外された6つの症例対照研究では,対照群が症例群とは異なるVTEのリスクを持っていた.
(翻訳:沖 将行)
系統的レビュー:心房細動に対するラジオ波カテーテルアブレーションの比較効果
Systematic Review: Comparative Effectiveness of Radiofrequency Catheter Ablation for Atrial Fibrillation
Teruhiko Terasawa, Ethan M. Balk, Mei Chung, Ann C. Garlitski, Alawi A. Alsheikh-Ali, Joseph Lau, and Stanley Ip
Terasawaと同僚らは,心房細動を有する患者を対象にラジオ波カテーテルアブレーションが薬物療法より有効かどうかを判定するために系統的レビューを行った.彼らの研究によれば,薬物療法が不調でカテーテルアブレーションを行った症例では薬物療法のみを継続した症例よりも洞調律を維持していた.幾つかの研究からアブレーションは薬物治療に比較してクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を改善させたが,脳卒中の危険性は減少させなかった.アブレーションを施行された症例の5%未満で重篤な合併症である肺静脈狭窄や心タンポナーデの経験が報告された.
(翻訳:新沼廣幸)
医学と公衆衛生の話題(Medicine and Public Issues)
比較効果研究:米国医学研究所からの報告
Comparative Effectiveness Research: A Report From the Institute of Medicine
Harold C. Sox and Sheldon Greenfield
米国議会は米国医学研究所に対する諮問を行い,どの研究課題に比較効果研究(CER)の研究資金を最優先に投入すべきであるかに関して,利害関係者の意見を明らかにするよう求めた.また,保健社会福祉省長官のために,最優先の課題についてのリストを作成するよう要請した.この報告では,米国医学研究所の委員会における,CERの定義,優先順位の高い研究課題の同定,ならびに国家の運営する持続可能なCERプログラムの確立過程について説明する.
(翻訳:泉谷昌志)


比較効果研究のために無作為化試験を再考する:変革の必要性
Rethinking Randomized Clinical Trials for Comparative Effectiveness Research: The Need for Transformational Change
Bryan R. Luce, Judith M. Kramer, Steven N. Goodman, Jason T. Connor, Sean Tunis, Danielle Whicher, and J. Sanford Schwartz
この記事は,SoxとGreenfieldの報告と対をなすものであり,比較効果研究(CER)のためのより良い研究方法を紹介する.CERの目的を達成するために従来の無作為化比較試験が持つ根本的な限界を取り上げ,CERに関する試験の運営効率,解析効率,一般化可能性を高めるための,変革をもたらし得る3つのアプローチを提言する.
(翻訳:泉谷昌志)
論評(Editorials)
比較効果のモデリングとその研究価値
Modeling Comparative Effectiveness and the Value of Research
Anirban Basu and David Meltzer
この号では,Walenskyと同僚らは南アフリカにおけるHIVに対する抗ウイルス治療の効果の数学的モデルを報告している.論評者は,Walenskyらの研究方法や,今後臨床研究の計画や結果の推定に関する必須のツールであり続けると思われるモデル研究の意義に関して,長所と限界を論議している.
(翻訳:植田秀樹)


旅行と静脈血栓症:バイアスについて考える練習
Travel and Venous Thrombosis: An Exercise in Thinking About Bias
Jan P. Vandenbroucke, Suzanne C. Cannegieter, and Frits R. Rosendaal
この号では,Chandraと同僚らは症例対照研究に基づくメタ解析を報告している.この論評ではChandraらの研究を例として用い,症例対照研究のコントロールの選択について議論している.
(翻訳:吉井康裕)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
HIV感染治療薬エファビレンツ(ストックリン®)の異なる用量設定における副作用発現の比較
Comparison of Side Effects With 2 Doses of the HIV Drug Efavirenz
(翻訳:中村浩士)
クリニックにて(In the Clinic)
腎臓結石
Nephrolithiasis
(翻訳:山本 卓)
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