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(更新日 2009年9月29日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
15 September 2009 Volume 151 Issue 6
(監修:石塚尋朗,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
小規模プライマリ・ケア医療機関におけるヘルスケア補助者によるうつ病患者管理:クラスタ・ランダム化試験
Case Management for Depression by Health Care Assistants in Small Primary Care Practices: A Cluster Randomized Trial
Jochen Gensichen, Michael von Korff, Monika Peitz, Christiane Muth, Martin Beyer, Corina Güthlin, Marion Torge, Juliana J. Petersen, Thomas Rosemann, Jochem König, Ferdinand M. Gerlach, and for PRoMPT (PRimary care Monitoring for depressive Patients Trial)
Gensichenと同僚らは,小規模プライマリ・ケア医療機関において,ヘルスケア補助者による電話での患者管理を行うことでうつ症状が軽減し ,大うつ病患者のケアが改善するかどうかを評価した.うつ病成人患者626名のうち,電話による患者管理に無作為に割り付けられた群では,通常のケアに割り付けられた群よりも ,うつ症状がやや改善し,抗うつ療法へのアドヒアランスが向上し,ケアの質の評価もより好意的だった.
(翻訳:池田正行)
米国における20代成人の外来医療
Ambulatory Care Among Young Adults in the United States
Robert J. Fortuna, Brett W. Robbins, and Jill S. Halterman
Fortunaと共同研究者らは,20歳から29歳の若年成人における外来医療と予防医療の提供について,2つの全国外来医療調査の横断データを用いて調査した.若年成人は未成年者や30歳から39歳の成人よりも外来医療を受ける頻度が低いことを ,彼らは見いだした.さらに,男性,黒人またはラテン系の若年成人は他の若年成人に比べ外来医療を受ける頻度が低く,予防医療を受ける頻度も低かった.
(翻訳:浦野哲哉)
2型糖尿病患者に対する健康管理の正味価値 (1997年から2005年)
The Net Value of Health Care for Patients With Type 2 Diabetes, 1997 to 2005
Karen N. Eggleston, Nilay D. Shah, Steven A. Smith, Amy E. Wagie, Arthur R. Williams, Jerome H. Grossman, Ernst R. Berndt, Kirsten Hall Long, Ritesh Banerjee, and Joseph P. Newhouse
メイヨークリニックの2型糖尿病患者小グループでの観察的コホートデータの経済的解析にて,将来の死亡率や疾病率の予防価値として規定された場合 ,健康管理変更の価値がその管理費用の増加にまさるか否かを研究者らは評価した.彼らは,改善されたアウトカムの経済的価値は,それらアウトカムの達成に要した費用にまさることを見出した.
(翻訳:金原秀雄)
医学と臨床(Academia and Clinic)
多施設臨床試験において著者を決定する方法
Method for Establishing Authorship in a Multicenter Clinical Trial
David J. Whellan, Stephen J. Ellis, William E. Kraus, Katie Hawthorne, Ileana L. Piña, Steven J. Keteyian, Dalane W. Kitzman, Lawton Cooper, Kerry Lee, and Christopher M. O'Connor
HF-ACTION(Heart Failure and a Controlled Trial Investigation Outcomes of Exercise Training)試験の研究者たちは ,大規模多施設試験に関連した複数の論文の著者を決定するのに役立つスコアリングシステムを作成した.そのシステムは個々の研究者の貢献度,役割,優先権を考慮に入れた.貢献度は ,治験参加者の数,研究介入へのアドヒアランス,データ完遂,その他の試験における努力を基にして定量化された.
(翻訳:佐藤 顕)

レビュー(Reviews)
系統的レビユー:2型糖尿病における血糖コントロールと心血管疾患
Systematic Review: Glucose Control and Cardiovascular Disease in Type 2 Diabetes
Tanika N. Kelly, Lydia A. Bazzano, Vivian A. Fonseca, Tina K. Thethi, Kristi Reynolds, and Jiang He
2型糖尿病患者に対する強化血糖コントロール療法と通常血糖コントロール療法を比較したときの有益性と弊害に関しては,議論が分かれるところである.5つの大規模研究を検討し今回のレビューで以下のことがわかった.強化血糖コントロール治療群では ,通常血糖コントロール治療群と比較して心血管疾患(多くは非致死性心筋梗塞である)のリスクを低下させるが,心血管疾患による死亡や全ての原因による死亡は低下させなかった.さらに強化血糖コントロール治療群では ,重度の低血糖発作のリスクを上昇させた.初期の研究では,強化血糖コントロール治療は死亡リスクを低下させる可能性が示唆されたが,より最近の研究では,より厳格な血糖コントロールが死亡のリスクを高める可能性を示唆した.
(翻訳:谷口 誠)
メタ解析:網膜血管径と冠動脈疾患のリスク
Meta-analysis: Retinal Vessel Caliber and Risk for Coronary Heart Disease
Kevin McGeechan, Gerald Liew, Petra Macaskill, Les Irwig, Ronald Klein, Barbara E.K. Klein, Jie Jin Wang, Paul Mitchell, Johannes R. Vingerling, Paulus T.V.M. deJong, Jacqueline C.M. Witteman, Monique M.B. Breteler, Jonathan Shaw, Paul Zimmet, and Tien Y. Wong
網膜血管径は冠動脈疾患(CHD)のリスクの新しいマーカーとなる可能性がある.しかし,性特有のものなのか,関連の大きさについて ,および従来のCHDリスクファクターと独立して影響するのかどうかは不明である.6つの住民母集団に基づく21,428名参加の研究からなる本メタ解析では,網膜血管径の変化(細静脈の拡大と細動脈の狭小化)は女性におけるCHDイベント発生のリスクの増加と関連していたが ,男性では関連していなかった.高血圧または糖尿病のない女性において,網膜血管径の変化とリスクとの関連はより高かった.
(翻訳:湯地晃一郎)
展望(Perspectives)
緩和的鎮静使用のための最後の選択肢
Last-Resort Options for Palliative Sedationw
Timothy E. Quill, Bernard Lo, Dan W. Brock, and Alan Meisel
終末期の苦しみを和らげる緩和的鎮静を,いつどのように行うかということについては,一定の基準がなく,しかも予測困難であるが,それは ,様々な種類の鎮静が行われていることによる混乱が一因である.原著では,Quillと同僚らが3つの緩和的鎮静の方法を提示し,それぞれを使用する場合における倫理的 ,法的な問題点を論じている.
(翻訳:加藤 健)
論評(Editorials)
うつ病に対するプライマリ・ケアの進歩
Progress on Primary Care Management of Depression
Allen J. Dietrich
この号で,Gensichenと同僚らは,訓練されたスタッフによるうつ病患者への電話サポートが,12か月後のうつ状態を改善することを見いだした.この試験では ,ヘルスケア補助者によるオフィスベースのサポートが差違を生み出すことを示し,臨床医はうつ症状をもつ彼らの患者に対して電話サポートを考慮すべき,としている.
(翻訳:加藤 健)


ACP Journal Club
The Best New Evidence for Patient Care
患者ケアのための最良の新しいエビデンス
論評:評価されたエビデンスへのアクセス:5Sモデルから6Sモデルへ
Editorial: Accessing preappraised evidence: fine-tuning the 5S model into a 6S model
レビュー:アスピリンは血管イベントを減少させるが,1次および2次予防における出血を増加させる.
Review: Aspirin reduces vascular events but increases bleeding in primary and secondary prevention
レビュー:アスピリンは,末梢動脈疾患における心血管イベントを減少させないが,致死的ではない脳卒中を減少させる可能性がある.
Review: Aspirin does not reduce CV events but may reduce nonfatal stroke in peripheral artery disease
レビュー:厳格な血糖コントロールは,2型糖尿病患者の心血管イベントを減少させたという報告はあるが,その死亡率に変化はもたらさなかった.
Review: Intensive glucose control reduced some CV events but did not change mortality in type 2 diabetes
レビュー:赤血球増殖因子の使用は癌患者の死亡率を増加させる.
Review: Erythropoiesis-stimulating agents increase mortality in patients with cancer
心房細動の患者において,アスピリンにクロピドグレルを追加することによって大血管イベントを減少させたが,出血の頻度は増加した.
In patients with atrial fibrillation, adding clopidogrel to aspirin reduced major vascular events but increased bleeding
血管超音波検査結果に基づく経口抗凝固療法は,再発性の静脈血栓塞栓症を減少させた.
Ultrasonography-guided oral anticoagulant therapy reduced recurrent venous thromboembolism
ロスバスタチンは,CRP値が上昇している健常老人の静脈血栓塞栓症を減少させた.
Rosuvastatin reduced venous thromboembolism in healthy older adults with elevated C-reactive protein levels
レビュー:腎移植患者にステロイドを使用しなかったり途中で中止しても,死亡率や移植腎機能損失の頻度は増加しない.
Review: Steroid avoidance or withdrawal does not increase mortality or graft loss in kidney transplant patients
レビュー:低用量のコルチコステロイドは急性肺傷害と急性呼吸促迫症候群のアウトカムを改善する.
Review: Low-dose corticosteroids improve outcomes in acute lung injury and the acute respiratory distress syndrome
コリンエステラーゼ阻害薬は,認知症を伴う高齢者の失神のリスクとその予後を悪化させることと関連した.
Cholinesterase inhibitors were associated with increased risk for syncope and its consequences in older persons with dementia
病棟における薬剤師の服薬指導は,高齢患者の救急外来来院回数と薬剤に関連した再入院回数を減少させた.
A ward-based pharmacist intervention reduced emergency department visits and drug-related readmissions in elderly patients
レビュー:3つの予測ルール,特にABCDは,救急外来でのTIA患者の中で脳卒中の発症リスクが低く退院可能な患者を判別する.
Review: 3 prediction rules, particularly ABCD, identify ED patients who can be discharged with low risk for stroke after TIA
用語解説
Glossary
(翻訳:井上直紀)

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