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(更新日 2009年10月19日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
6 October 2009 Volume 151 Issue 7
(監修:菊地基雄,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
インフルエンザの家族内伝播を防御するためのフェイスマスクと手指衛生:クラスター無作為化試験
Facemasks and Hand Hygiene to Prevent Influenza Transmission in Households: A Cluster Randomized Trial
Benjamin J. Cowling, Kwok-Hung Chan, Vicky J. Fang, Calvin K.Y. Cheng, Rita O.P. Fung, Winnie Wai, Joey Sin, Wing Hong Seto, Raymond Yung, Daniel W.S. Chu, Billy C.F. Chiu, Paco W.Y. Lee, Ming Chi Chiu, Hoi Che Lee, Timothy M. Uyeki, Peter M. Houck, J. S. Malik Peiris, and Gabriel M. Leung
インフルエンザウイルス伝播の防御に関する,抗ウイルス薬以外の介入予防策の効果については利用可能なデータがほとんど無い.インフルエンザ感染が確認された259人の患者とその家族794人の家族内感染に関するこのクラスター無作為化試験によれば,インフルエンザに感染した同居家族の一人が発症後36時間以内に,健常者が手洗いとフェイスマスクの着用による予防策を開始すると,インフルエンザウイルスの伝播を防御しうるようである.介入予防策へのアドヒアランスにばらつきはあるが,これらの所見は抗ウイルス薬を使わない介入予防策が,パンデミック期とパンデミック間期のインフルエンザの流行の緩和に有用な可能性を示唆している.
(翻訳:田 徹)
未治療閉塞性睡眠時無呼吸症患者において飲酒と睡眠制限が模擬運転パフォーマンスに与える影響
Effects of Alcohol and Sleep Restriction on Simulated Driving Performance in Untreated Patients With Obstructive Sleep Apnea
Andrew Vakulin, Stuart D. Baulk, Peter G. Catcheside, Nick A. Antic, Cameron J. van den Heuvel, Jillian Dorrian, and R. Doug McEvoy
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)は,運転パフォーマンスを障害する可能性のある症状である眠気と集中力低下に関連している.この研究者たちは,38人の未治療OSA患者と20人の対照者に対して次の3つの条件下で模擬運転パフォーマンスを評価した.睡眠制限なし,睡眠制限あり,および飲酒である.睡眠制限群と飲酒群では,模擬運転中のハンドル操作の偏向は40%増加し,OSA患者全体と睡眠制限群と飲酒群では,対照群と比較して,より頻回に衝突事故を起こしていた.
(翻訳:宮崎泰成)
プライマリ・ケア診療施設におけるシステム機能と,特定の質基準からみた実績との関連性
Associations Between Structural Capabilities of Primary Care Practices and Performance on Selected Quality Measures
Mark W. Friedberg, Kathryn L. Coltin, Dana Gelb Safran, Marguerite Dresser, Alan M. Zaslavsky, and Eric C. Schneider
患者中心の診療所(PCMH)でよくみられるシステム機能(電子カルテ,アクセスの改善,実績に対する継続的なフィードバックなど)を備えた診療施設が,プライマリ・ケアの質の面でより高い実績を挙げているかいるかどうか明らかではない.412か所の診療施設で,糖尿病,うつ,予防,特定の検査や治療の乱用などに関する質基準を検討した結果,より進化した電子カルテの使用が,スクリーニングや糖尿病のケアをさらに向上させていた.しかし,その他のシステム機能と診療の質との関連性はほとんど観察されなかった.
(翻訳:塩田哲也)
レビュー(Reviews)
系統的レビュー:パンデミックおよび季節性インフルエンザに対する長期抗ウイルス化学予防の有効性および安全性
Systematic Review: Safety and Efficacy of Extended-Duration Antiviral Chemoprophylaxis Against Pandemic and Seasonal Influenza
Nayer Khazeni, Dena M. Bravata, Jon-Erik C. Holty, Timothy M. Uyeki, Christopher D. Stave, and Michael K. Gould
ノイラミニダーゼ阻害薬は,インフルエンザのパンデミックの予防や治療をするための公衆衛生上の戦略のかなめとなる構成要素である.本報告では,7つのプラセボ対照無作為化試験についてレビューを行った.その結果,オセルタミビルまたはザナミビルを4週間以上の長期間に亘って予防投与することによって,症候性インフルエンザの予防効果が認められたが,無症候性インフルエンザ感染に対する予防効果は認められなかった.オセルタミビルでは嘔気および嘔吐が比較的多く認められたが,それ以外で,全体の副作用件数は,プラセボ投与患者とノイラミニダーゼ阻害薬投与患者間で同等であった.これらの試験では免疫抑制状態でない健常な白人または日本人のみが評価されている.
(翻訳:大島康雄)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
冠動脈疾患のリスク評価における新規リスク因子の使用:U.S.Preventive Services Task Forceの勧告声明
Using Nontraditional Risk Factors in Coronary Heart Disease Risk Assessment: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
U.S. Preventive Services Task Force
U.S.Preventive Services Task Force(USPSTF 訳注:米国予防医療サービス専門作業部会)は,自覚症状のない人の冠動脈疾患(CHD)リスクを評価する際,9つの新規リスク因子(高感度C反応性蛋白[CRP],足関節上腕血圧比,白血球数,空腹時血糖値,歯周病,頚動脈内膜中膜厚,電子ビームコンピュータ断層撮影による冠動脈石灰化,ホモシステイン値とリポ蛋白(a)値)の使用に関する勧告声明を発表した.CHDイベントを予防するために,CHDの既往歴がなく無症候の男女をスクリーニングするべく,これらの新規リスク因子を使用することの有用性および危険性のバランスを評価するには,現状のエビデンスは不十分であると結論される.(推奨度I statement).
(翻訳:吉田 博)
冠動脈疾患の危険因子としてのC反応性蛋白:U.S.Preventive Services Task Forceへの系統的レビューとメタ解析
C-Reactive Protein as a Risk Factor for Coronary Heart Disease: A Systematic Review and Meta-analyses for the U.S. Preventive Services Task Force
David I. Buckley, Rongwei Fu, Michele Freeman, Kevin Rogers, and Mark Helfand
本号のU.S.Preventive Services Task Force(USPSTF 訳注:米国予防医療サービス専門作業部会)からの勧告声明を支持するために,Buckleyと同僚らは,冠動脈疾患の従来の危険因子に基づいて中等度リスクの患者において,冠動脈疾患のリスクを評価する際にCRPが有用であるかどうかのエビデンスに関する系統的レビュー行った.彼らは,CRPと冠動脈イベントの相関に強いエビデンスがあること,また初期に中等度リスクである患者におけるリスクの予測モデルにCRPを加えることで,リスクの層別化が改善することに関する中等度で一貫したエビデンスを見出した.エビデンスは,CRPを低下させることで冠動脈疾患を予防できるかを評価するには,不十分であった.
(翻訳:泉谷昌志)
冠動脈疾患に対する新規の危険因子:U.S.Preventive Services Task Forceが実施した系統的レビューのまとめ
Emerging Risk Factors for Coronary Heart Disease: A Summary of Systematic Reviews Conducted for the U.S. Preventive Services Task Force
Mark Helfand, David I. Buckley, Michele Freeman, Rongwei Fu, Kevin Rogers, Craig Fleming, and Linda L. Humphrey
本号ではU.S.Preventive Services Task Force(USPSTF 訳注:米国予防医療サービス専門作業部会)の勧告声明を支持するために,Helfandと同僚らは,冠動脈疾患(CHD)の9つの新規危険因子の臨床的な有用性を評価した.入手可能なエビデンスは危険因子によって様々であった.CRPはスクリーニング時の使用にはもっとも良い候補であったが,CRP値の変化がCHDイベントの一次予防につながるというエビデンスは不十分であった.したがって,中程度のリスクを有する人々の更なる層別化のために,9つの危険因子のいずれにおいても,日常的に使用することを現在までのエビデンスは支持しなかった.
(翻訳:澤木秀明)
論評(Editorials)
Annalsより:内科医の集うところ
Annals: A Gathering Place for Internal Medicine
Christine Laine
新たな編集者が,雑誌についてのビジョンについて,医学雑誌における技術の役割と内科医にとって知性の集う場所としてのAnnalsの未来を含めて述べている.
(翻訳:渡邊清高)


Christine Laine:内科医,医療ジャーナリスト,そしてAnnals of Internal Medicineの編集者
Christine Laine: Internist, Medical Journalist, and Editor, Annals of Internal Medicine―2009
Eric B. Larson
論評委員はAnnalsの新しい編集者であるChristine Laineのリーダーシップについて,歴史的なAnnalsの内容の変化と医療ジャーナリズムの未来という視点でとらえている.
(翻訳:渡邊清高)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
インフルエンザ感染症の予防における手洗いとマスクの効果
The Effects of Hand Washing and Facemasks on Prevention of Influenza Infection
(翻訳:川口鎮司)
睡眠時無呼吸を治療していない方の,運転パフォーマンスにおける睡眠制限とアルコールの効果
The Effects of Limited Sleep and Alcohol on Driving Performance in People With Untreated Sleep Apnea
(翻訳:西岡亮治)
新規危険因子を用いて冠動脈疾患のリスクを予測する
Using Nontraditional Risk Factors to Estimate Risk for Coronary Heart Disease
(翻訳:石田真実子)
クリニックにて(In the Clinic)
市中肺炎
Community-Acquired Pneumonia
(翻訳:渡邊清高)
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