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(更新日 2009年11月2日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
20 October 2009 Volume 151 Issue 8
(監修:小野広一,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
慢性閉塞性肺疾患患者におけるフルチカゾン単独療法およびサルメテロール併用療法の呼吸器アウトカムに対する効果:無作為化試験
Effect of Fluticasone With and Without Salmeterol on Pulmonary Outcomes in Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Randomized Trial
Thérèse S. Lapperre, Jiska B. Snoeck-Stroband, Margot M.E. Gosman, Désirée F. Jansen, Annemarie van Schadewijk, Henk A. Thiadens, Judith M. Vonk, H. Marike Boezen, Nick H.T. ten Hacken, Jacob K. Sont, Klaus F. Rabe, Huib A.M. Kerstjens, Pieter S. Hiemstra, Wim Timens, Dirkje S. Postma, Peter J. Sterk, and the GLUCOLD (Groningen Leiden Universities Corticosteroids in Obstructive Lung Disease) Study Group
吸入副腎皮質ステロイド薬と長時間作用型β2刺激薬は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状を改善するが,呼吸機能や炎症に対する効果は明らかでは無い.Lapperreと同僚らは,114人の副腎皮質ステロイド薬での治療歴がない中等症から重症のCOPD患者で,フルチカゾンでの6か月または30か月の治療,サルメテロール併用フルチカゾンでの30か月の治療あるいは,プラセボでの治療とを比較した.彼らは,フルチカゾンの治療が,喀痰や気管支生検組織の炎症細胞を減少させ,低下した呼吸機能を改善することを見いだした.サルメテロールの併用は呼吸機能の低下をそれ以上変化させなかった.
(翻訳:吉澤弘久)
多施設共同メタ解析:骨粗鬆症および骨粗鬆症性骨折と150種類の候補遺伝子の関連
Collaborative Meta-analysis: Associations of 150 Candidate Genes With Osteoporosis and Osteoporotic Fracture
J. Brent Richards, Fotini K. Kavvoura, Fernando Rivadeneira, Unnur Styrkársdóttir, Karol Estrada, Bjarni V. Halldórsson, Yi-Hsiang Hsu, M. Carola Zillikens, Scott G. Wilson, Benjamin H. Mullin, Najaf Amin, Yurii S. Aulchenko, L. Adrienne Cupples, Panagiotis Deloukas, Serkalem Demissie, Albert Hofman, Augustine Kong, David Karasik, Joyce B. van Meurs, Ben A. Oostra, Huibert A.P. Pols, Gunnar Sigurdsson, Unnur Thorsteinsdottir, Nicole Soranzo, Frances M.K. Williams, Yanhua Zhou, Stuart H. Ralston, Gudmar Thorleifsson, Cornelia M. van Duijn, Douglas P. Kiel, Kari Stefansson, André G. Uitterlinden, John P.A. Ioannidis, and Tim D. Spector, for the GEFOS (Genetic Factors for Osteoporosis) Consortium
これまでに150種類の遺伝子変異の骨密度(BMD)に対する影響が検討されてきたが,これらの遺伝子すべてに共通した遺伝子変異を評価する大規模試験での再現性は検討されていない.ヨーロッパにおける,5つの大きな地域住民を基盤として得られたゲノムワイド関連研究結果の解析において,150種類の候補遺伝子のうち9種類の変異のみがBMDに関連し,4種類の遺伝子変異のみがBMD低下に関係する骨折と関連した.
(翻訳:山本光孝)
米国の30歳以上の女性におけるヒトパピローマウイルスワクチン接種と子宮頸癌スクリーニングの費用対効果
Cost-Effectiveness of Human Papillomavirus Vaccination and Cervical Cancer Screening in Women Older Than 30 Years in the United States
Jane J. Kim, Jesse Ortendahl, and Sue J. Goldie
Kimと同僚らは,35歳から45歳の女性に対するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種の費用対効果をモデルとして用い,検討した.医師がワクチン接種に加えてどのように子宮頸癌およびHPV感染のスクリーニングをするかについての様々な仮定条件下で,生活の質を調整した生存年(QALY)を1年得るために,ワクチン接種は116,950ドルから381,590ドルを要した.HPVワクチン接種の,この年齢層でスクリーニングを受けている女性における有益性は,あるとしても,平均してわずかなものである.
(翻訳:林 正樹)
患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
脾臓摘出後患者における,感染症による病院受診の危険性:住民基盤のコホート研究
Risk for Hospital Contact With Infection in Patients With Splenectomy: A Population-Based Cohort Study
Reimar W. Thomsen, W. Marieke Schoonen, Dóra K. Farkas, Anders Riis, Jacob Jacobsen, Jon P. Fryzek, and Henrik Toft Sørensen
研究者たちは,デンマークにおいて1996年から2005年に脾臓摘出術を受けた全3,812の患者において,入院治療を必要とする感染症の危険性を以下の3群と比較した:一般住民,虫垂切除術を受けた患者,そして脾臓摘出術につながる状況にある非脾臓摘出患者.感染症の危険性は脾臓摘出後90日以内が最も高率であった.脾臓摘出患者において,危険性は一般人の4.6倍と高率であったが,脾臓摘出につながる状況にある非脾臓摘出患者に比較するとわずかに高率であるに留まった.
(翻訳:加藤哲朗)
レビュー(Reviews)
系統的レビュー:悪性腫瘍に対する荷電粒子線治療
Systematic Review: Charged-Particle Radiation Therapy for Cancer
Teruhiko Terasawa, Tomas Dvorak, Stanley Ip, Gowri Raman, Joseph Lau, and Thomas A. Trikalinos
荷電粒子線治療はがん患者に対する放射線照射の代替療法である.このレビューでは,ほとんどが小規模,単施設,後ろ向き研究から得られたこの治療法の功罪に関して発表されたエビデンスを紹介している.この治療の有無で比較した17の研究には,がん全体または個別のがんに対しての生存率やすべての重篤な副作用の発生数に統計学的に有意なもしくは重要な差異を示したものはなかった.
(翻訳:菅野義彦)
メタ解析:急性呼吸窮迫症候群と急性肺損傷の人工換気の改良策と転帰
Meta-analysis: Ventilation Strategies and Outcomes of the Acute Respiratory Distress Syndrome and Acute Lung Injury
Christian Putensen, Nils Theuerkauf, Jörg Zinserling, Hermann Wrigge, and Paolo Pelosi
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者の肺を保護する人工換気の改良策には低容量換気,一定量の気道内圧,中等度から高度の呼吸終末陽圧(PEEP)が挙げられる.ARDS患者の死亡率に関して,低容量かつ高PEEPの人工換気というこのレビューのエビデンスは,報告されたごく少数の臨床試験で低容量の人工換気が高容量に対して死亡率を改善することを示した.高PEEPの人工換気は不特定の症例では死亡率を改善しなかったが,その他の策を講じても致命的な低酸素血症の患者には有用かもしれないとの結果を見いだした.
(翻訳:沖 将行)
展望(Perspectives)
エコカルチャーとしての医学
Medicine as Ecoculture
Muriel R. Gillick
Gillickは,なぜ新しい技術が特定の領域に導入されるのか,そして医師がどのように新しい技術を使うようになるのかを理解するのを助けるために生態系を類推するときに描かれた健康管理システムの説明モデルを提供する.彼女は,有効な医療保険制度改革が返済のみならず,どのように,実地診療,法規,器材製造メーカーの体系化を含む多段階での変革を刺激することによって,医学のエコカルチャーを考える必要があるかを論じた.
(翻訳:金澤雅人)
論評(Editorials)
骨粗鬆症リスク遺伝子の同定:氷山の一角
Identification of Osteoporosis Risk Genes: The Tip of the Iceberg
Joseph M. Zmuda
この号では,Richardsと同僚らが,骨粗鬆症との関連を検討した少なくとも一つの既報研究で調べられた150個の遺伝子の50キロベースペアを含む36000の一塩基多型(SNP)の解析結果を報告している.彼らは,大半の遺伝子におけるSNPは,骨密度(BMD)や骨折とは統計学的に有意な相関がないことを明らかにした.彼らの研究は,骨粗鬆症の遺伝的な原因をさらに解明するための重要な一歩である.
(翻訳:金澤雅人)


無作為化試験と技術評価
Randomized Trials and Technology Assessment
Joel E. Tepper and A. William Blackstock
臨床応用のための新しい医療技術を最適に評価するコンセンサスは比較的ない.この号のTerasawaと同僚らの比較効果のレビューは,陽子線療法を評価した良好な第三相試験が欠けていることを明らかにした.もし放射線療法や技術評価の一般的な分野での評価をすすめるなら,定義,財政,技術の重要な問題点に対応しなくてはならない.
(翻訳:金澤雅人)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
慢性閉塞性肺疾患患者におけるフルチカゾン単独療法およびサルメテロール併用療法の気道炎症および肺機能に対する効果
Effect of Treatment With Fluticasone With and Without Salmeterol on Airway Inflammation and Lung Function in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
(翻訳:新谷英滋)
米国の30歳以上の女性におけるヒトパピローマウイルスワクチン接種と子宮頸癌スクリーニングの費用対効果
Cost-Effectiveness of Human Papillomavirus Vaccination and Cervical Cancer Screening in Women Older Than 30 Years in the United States
(翻訳:勝田秀紀)
脾臓摘出術後患者における,感染症による入院治療の危険性に関して-住民基盤のコホート研究
Risk for Hospitalization for Infection in Patients Who Have Had Splenectomy
(翻訳:今村隆明)
ACP Journal Club
The Best New Evidence for Patient Care
患者ケアのための最良の新しいエビデンス
論評:系統的レビューにおける不均一性を調査するための階層化
Editorial: Stratification for exploring heterogeneity in systematic reviews
レビュー:術前の喫煙の中止は術後の合併症を減少させる.
Review: Preoperative smoking cessation interventions reduce postoperative complications
内科的治療に迅速な血管再建術を追加することは冠動脈疾患を有する2型糖尿病患者の死亡率や心血管イベントを減少させなかった.
Adding prompt revascularization to medical therapy did not reduce mortality or CV events in patients with type 2 diabetes and CAD
インスリン治療の糖尿病患者の長期血糖コントロールに関して,侵襲を最小にした方法と従来の方法によるブドウ糖モニタリングの間に差を認めなかった
Minimally invasive and conventional glucose monitoring did not differ for long-term glycemic control in insulin-treated diabetes
ロジグリタゾンはメトフォルミンとスルホニル尿素の併用と比べ,2型糖尿病患者において心血管イベントに関しては劣らない結果であったが,心不全や骨折を増加させた.
Rosiglitazone was noninferior to metformin plus sulfonylurea for CV events but increased risk for HF and fractures in type 2 diabetes
徐々に加圧するストッキングは脳卒中後の深部静脈血栓症を防止せず皮膚の合併症を増加させた.
Graduated compression stockings did not prevent deep venous thrombosis after stroke and increased skin complications
レビュー:腰痛や神経根症に対する非外科的治療の効果に関するエビデンスは限られている.
Review: Evidence for the effectiveness of nonsurgical interventions for low back pain and radiculopathy is limited
レビュー:腰痛,神経根症,脊柱管狭窄症に対する外科的治療の効果に関するエビデンスは限られている.
Review: Evidence for the effectiveness of surgery for low back pain, radiculopathy, and spinal stenosis is limited
4価のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは,24から45歳の女性においてHPV感染やそれに関連した疾病のリスクを減少した.
Quadrivalent HPV vaccine reduced risk for HPV infection and related disease in women 24 to 45 years of age
レビュー:アミオダロンは心筋症患者の心臓突然死のリスクを減少させるが,全ての原因による死亡率を減少させない.
Review: Amiodarone reduces risk for sudden cardiac death but not all-cause mortality in cardiomyopathy
レビュー:スタチンは心血管疾患のリスクを有する成人における死亡率や心血管イベントを減少させる.
Review: Statins reduce mortality and cardiovascular events in adults at risk for cardiovascular disease
造影核磁気共鳴血管撮影が頸動脈狭窄の診断に最も正確な非侵襲的イメージング技法である.
Contrast-enhanced magnetic resonance angiography is the most accurate noninvasive imaging technique for carotid stenosis
用語解説
Glossary
(翻訳:柳内秀勝)

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