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(更新日 2010年1月18日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
5 January 2010 Volume 152 Issue 1
(監修:加藤秀章,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
消化性潰瘍出血における低用量アスピリン療法の継続:無作為化試験
Continuation of Low-Dose Aspirin Therapy in Peptic Ulcer Bleeding: A Randomized Trial
Joseph J.Y. Sung, James Y.W. Lau, Jessica Y.L. Ching, Justin C.Y. Wu, Yuk T. Lee, Philip W.Y. Chiu, Vincent K.S. Leung, Vincent W.S. Wong, and Francis K.L. Chan
Sungと同僚らは,心血管疾患あるいは脳血管疾患を有する成人において,消化性潰瘍出血の内視鏡的止血後のプロトンポンプ阻害薬(PPI)併用下でのアスピリン療法継続が,アスピリン療法中止と比べて劣らないかどうか検討した.内視鏡的治療が成功した直後に,患者は無作為に8週間の低用量アスピリン(80mg/日)あるいはプラセボの内服群に割り付けられた.アスピリン内服群ではプラセボ群より30日以内の再出血が多かった(10%対5%)が,死亡は少なかった(1%対13%).
(翻訳:渡邊清高)
喫煙,禁煙と2型糖尿病のリスク:コホート研究
Smoking, Smoking Cessation, and Risk for Type 2 Diabetes Mellitus: A Cohort Study
Hsin-Chieh Yeh, Bruce B. Duncan, Maria Inês Schmidt, Nae-Yuh Wang, and Frederick L. Brancati
禁煙が,おそらく禁煙に関連した体重増加により,糖尿病のリスクを上昇させるという仮説を検証するために,Yehと共同研究者らはARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)スタディに参加した10,892人の中年成人を解析した.9年間追跡調査した結果,喫煙者は非喫煙者と比較して糖尿病のリスクが高かった.さらに最近禁煙した喫煙者においては,過去に喫煙した人や現在も喫煙している人と比較して,短期間での糖尿病リスクは上昇していた.
(翻訳:宮崎泰成)
抗レトロウイルス療法のアドヒアランスと医療ケアのコストとの関連
Association of Antiretroviral Therapy Adherence and Health Care Costs
Jean B. Nachega, Rory Leisegang, David Bishai, Hoang Nguyen, Michael Hislop, Susan Cleary, Leon Regensberg, and Gary Maartens
抗レトロウイルス療法(ART)のアドヒアランスはHIV疾患の進展と生存を規定しているが,その直接的な医療ケアのコストへの効果は不明である.南アフリカにおける成人HIV患者6,833人に対する薬局の評価に基づいたこのコホート研究では,ARTの高いアドヒアランスは1か月の直接的な医療ケアのコスト,特に入院費用の減少と関連していた.
(翻訳:加藤哲朗)
医学と臨床(Academia and Clinic)
黒人患者の糖尿病ケア改善のための文化能力訓練と実績報告:クラスター無作為化対照試験
Cultural Competency Training and Performance Reports to Improve Diabetes Care for Black Patients: A Cluster Randomized, Controlled Trial
Thomas D. Sequist, Garrett M. Fitzmaurice, Richard Marshall, Shimon Shaykevich, Amy Marston, Dana Gelb Safran, and John Z. Ayanian
この多施設試験では,糖尿病ケアにおけるプライマリ・ケア医の文化能力訓練(cultural competency training)と人種層別化遂行のフィードバックの効果を評価した.トレーニングとフィードバックを受けた医師は,対照医師よりも,12か月の時点での糖尿病ケアにおいて,黒人―白人間の格差を認識する傾向にあった.しかしながら,介入群と対照群の医師の診察する黒人患者においては,目標とするHbA1c値,LDL-コレステロール値,および血圧値の達成率に変化は認めなかった.
(翻訳:勝田秀紀)

レビュー(Reviews)
系統的レビュー:改訂版心リスク指標による周術期心合併症と死亡率の予測
Systematic Review: Prediction of Perioperative Cardiac Complications and Mortality by the Revised Cardiac Risk Index
Meredith K. Ford, W. Scott Beattie, and Duminda N. Wijeysundera
この24個の前向き研究の系統的レビューは改訂版心リスク指標(RCRI)が非心臓手術後の心合併症や死亡を予測できるかどうかを評価した.RCRIは非心臓手術後の心事故の低リスク患者と高リスク患者を比較的良く区別できたが,非心臓性血管手術についてはよく予測できなかった.
(翻訳:山本光孝)
展望(Perspectives)
周術期診療:減速の時
Perioperative Practice: Time to Throttle Back
Vineet Chopra, Scott A. Flanders, James B. Froehlich, Wei C. Lau, and Kim A. Eagle
米国は,他の国以上に健康管理に費用を割いているが,国民の健康状態は,多くの国々よりも劣ったままである.Chopraと同僚らは,多くの周術期診療のより賢明な方策が,どのように費用対効果の優れた管理を確保し,患者への最大の利益を提供することができるのかを論じている.
(翻訳:川口鎮司)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
成人予防接種スケジュールの勧告:米国2010
Recommended Adult Immunization Schedule: United States, 2010*
Advisory Committee on Immunization Practices
Advisory Committee on Immunization Practices(訳注:予防接種実施諮問機関)は,2010年の成人予防接種スケジュールを発表する.これは2価のヒトパピローマウイルスのワクチンと4価のヒトパピローマウイルスのワクチンの勧告を含んでいる.スケジュールは,American Academy of Family Physicians(訳注:米国家庭医学会),American College of Obstetricians and Gynecologists(訳注:米国産科婦人科学会),American College of Physicians(訳注:米国内科学会)によって承認された.
(翻訳:川口鎮司)
論評(Editorials)
急性消化性潰瘍による出血におけるアスピリン内服の中止:裏目にでるのであろうか?
Aspirin Withdrawal in Acute Peptic Ulcer Bleeding: Are We Harming Patients?
Alan N. Barkun and Marc Bardou
この号では,Sungと同僚らが,重要な臨床的ジレンマを扱おうとした.抗血小板療法を受けている時に,消化性潰瘍による出血を来たした患者は,抗血小板療法を中止すべきか,そうであれば,どのくらいの間中止すべきなのであろうか?彼らの所見は,上部消化管出血を来たした消化管に再注目させ,患者の全体像を考えることに気づかせるものであった.
(翻訳:金澤雅人)


より削減するためにより多く費やすこと:アドヒアランスを促すための介入
Spending More to Save More: Interventions to Promote Adherence
David R. Bangsberg and Steven G. Deeks
この号では,Nachegaと同僚らが,HIV感染患者において,抗レトロウイルス薬のアドヒアランスを増進するために増加する医療資源は,医療資源が不足している状況においてでさえも実質的なコスト削減に関係しているという説得力のあるデータを示した.論評委員は,これらの知見を論じ,アドヒアランスを促進し,アウトカムを改善し,医療ケアのコストを削減する医療資源の最適な割り当て方法を提示した.
(翻訳:金澤雅人)


改訂版心リスク指標は予見を提示する
The Revised Cardiac Risk Index Delivers What It Promised
Lee Goldman
この号では,Fordと同僚らが,非心臓手術後の主要な心合併症を予見する改訂版心リスク指標(RCRI)の有用性を評価したいくつかの研究のデータを要約した.論評委員は,これらのデータは,RCRIがこの重要な目的に対するもっとも有用な予測指標であることを確認していると信じている.
(翻訳:金澤雅人)


成人予防接種ガイドライン:課題と機会
Adult Immunization Guidelines: Challenges and Opportunities
Robert H. Hopkins, Jr. and Keyur S. Vyas
Centers for Disease Control and Prevention(訳注:米国疾病予防管理センター)のAdvisory Committee on Immunization Practices(訳注:予防接種実施諮問機関)は,米国内科学会をはじめ成人の医療を行う医師を代表する主要な専門学会によって承認された改訂成人予防接種スケジュールを毎年発刊する.各年のスケジュールの変更は,ワクチンやワクチンにより予防可能な病気の知識の進歩によってなされる.この論評は,今年のスケジュールの変更点を明確にする.
(翻訳:川口鎮司)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
消化性潰瘍出血患者におけるアスピリン継続の利益とリスク
Benefits and Risks of Continuing Aspirin in Patients With Peptic Ulcer Bleeding
(翻訳:佐藤 顕)
喫煙,禁煙と2型糖尿病のリスク
Smoking, Quitting Smoking, and the Risk for Type 2 Diabetes
(翻訳:大島康雄)
HIV治療へのアドヒアランスとケアのコスト
Adherence to HIV Treatment and Costs of Care
(翻訳:泉谷昌志)
クリニックにて(In the Clinic)
糖尿病性ケトアシドーシス
Diabetic Ketoacidosis
(翻訳:鈴木 昌)
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