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(更新日 2010年6月14日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
1 June 2010 Volume 152 Issue 11
(監修:板東 浩,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
糖尿病と高血圧の合併患者に対するMedical Clinicsと通常治療との比較:無作為化試験
Medical Clinics Versus Usual Care for Patients With Both Diabetes and Hypertension: A Randomized Trial
David Edelman, Sonja K. Fredrickson, Stephanie D. Melnyk, Cynthia J. Coffman, Amy S. Jeffreys, Santanu Datta, George L. Jackson, Amy C. Harris, Natia S. Hamilton, Helen Stewart, Jeannette Stein, and Morris Weinberger
Group medical clinics(GMCs)(訳注:医療チームが同時に複数の患者を慢性疾患の自己管理教育に加えて,強力に集団で管理するモデル)は糖尿病と高血圧管理に役立たせるため,広く利用されている.しかし,その有効性に関するデータは限られている.この無作為化試験では,糖尿病と高血圧を合併する患者239例において,平均収縮期血圧はチーム医療群では13.7mmHg,通常治療群では6.4mmHg改善したが,平均ヘモグロビンA1c値の変化は僅かで,両群とも同程度であった.GMCsは糖尿病患者で血圧を改善させる重要な方法である可能性がある.
(翻訳:澤木秀明)
大腸腫瘍における性,年齢,出生コホート効果:コホート分析
Sex, Age, and Birth Cohort Effects in Colorectal Neoplasms: A Cohort Analysis
Hermann Brenner, Lutz Altenhofen, and Michael Hoffmeister
大腸癌(CRC)の有病率の研究では,年齢と出生コホート効果を稀にしか区別していない.今回,55〜75才の2,185,153名が受けたドイツの国家的な大腸内視鏡スクリーニングプログラムのデータ分析で,大腸癌の有病率は加齢とともに増加し,年齢特異的な有病率は女性よりも男性で高値であり,そして最近の出生コホート効果で高値だった.強力なコホート効果は最近の出生コホート効果での有病率の増加を示した.このことは大腸癌という負荷が増えることを示しているかもしれない.
(翻訳:石塚尋朗)
クリニックを拠点としたオピオイド依存症HIV感染患者の治療 vs オピオイド治療プログラムへの委託:無作為化比較試験
Clinic-Based Treatment of Opioid-Dependent HIV-Infected Patients Versus Referral to an Opioid Treatment Program: A Randomized Trial
Gregory M. Lucas, Amina Chaudhry, Jeffrey Hsu, Tanita Woodson, Bryan Lau, Yngvild Olsen, Jeanne C. Keruly, David A. Fiellin, Ruth Finkelstein, Patricia Barditch-Crovo, Katie Cook, and Richard D. Moore
Buprenorphine-naloxone(BUP)はオピオイド依存症の治療として有効で,日常診療で使用可能である.メリーランド州ボルチモアのHIVクリニックから93名のオピオイド依存症患者が参加した本無作為化試験において,クリニックを拠点としたBUP治療を受けた患者群の方がオピオイド治療プログラムとHIVプライマリ・ケア訪問治療をより多く受けており,オピオイドとコカインに対する薬物検査の陽性数がより少数であった.HIV感染オピオイド依存症患者に対するクリニックを拠点とした管理は,オピオイド作動薬療法の利用を促進し,薬物乱用治療のアウトカムを改善する.
(翻訳:高田 徹)
医学と臨床(Academia and Clinic)
CONSORT2010声明:並行群間無作為比較試験の報告に関する最新ガイドライン
CONSORT 2010 Statement: Updated Guidelines for Reporting Parallel Group Randomized Trials
Kenneth F. Schulz, Douglas G. Altman, David Moher, and for the CONSORT Group
CONSORT(Consolidated Standards of Reporting Trials)声明(訳注:1996年発表された無作為比較試験の報告方法についての国際的な指針で,2001年に改訂版が出され,2004年に拡大追加がなされている)は,新しい方法論的エビデンスと集積された経験に基づいてアップデートされている.
(翻訳:安藤聡一郎)

最新情報(Updates)
腎臓病学の最新情報
Update in Nephrology
Norman Muirhead
この最新情報では,慢性腎臓病,ループス腎炎,アンジオテンシン受容体拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素阻害薬,末期腎疾患に関する原著論文について解説している.
(翻訳:安藤聡一郎)
レビュー(Reviews)
系統的レビュー:慢性疼痛を有する患者でオピオイドの誤使用を減らすための治療同意と尿薬物試験
Systematic Review: Treatment Agreements and Urine Drug Testing to Reduce Opioid Misuse in Patients With Chronic Pain
Joanna L. Starrels, William C. Becker, Daniel P. Alford, Alok Kapoor, Arthur Robinson Williams, and Barbara J. Turner
オピオイド治療の同意と尿薬物検査がオピオイドの誤使用を減らす効果があるかは十分に研究されていない.慢性の非癌性疼痛を有する外来患者を対象とした観察研究が11個みられ,研究の質はpoorからfairであった.この中で(比較群を置いた)4研究では,薬物尿検査を行う,あるいは行わない治療の同意をした後,オピオイドの誤使用は中等度減少した.一方,(比較群を置かない)7研究では,治療の同意,尿薬物試験,あるいはその両方の後のオピオイド誤使用率には研究ごとの違いが大きかった.このように,慢性疼痛の患者でオピオイドの誤使用を減らすため,オピオイド治療と尿薬物試験の効果は弱いエビデンスしかない.
(翻訳:石田真実子)
展望(Perspectives)
ハイチ大地震の影響に対するUSNSコンフォート船上での内科診療の実施
Practicing Internal Medicine Onboard the USNS COMFORT in the Aftermath of the Haitian Earthquake
Dennis Amundson, Greg Dadekian, Mill Etienne, Todd Gleeson, Thomas Hicks, Dermot Killian, Kristina Kratovil, Chris Lewis, Michael Monsour, Bret Pasiuk, Dolores Rhodes, and Edward J. Miller
ハイチで2010年1月12日に発生した震災に対して,米国はUSNSコンフォート船上での三次医療センターの出動で対応した.この論文では今回の震災の初期対応に参加した米海軍内科医による展望を論じている.
(翻訳:郷間 巌)


ガイドラインと利益相反に関する悩ましい問題:潜在的な解決法
The Vexing Problem of Guidelines and Conflict of Interest: A Potential Solution
Gordon Guyatt, Elie A. Akl, Jack Hirsh, Clive Kearon, Mark Crowther, David Gutterman, Sandra Zelman Lewis, Ian Nathanson, Roman Jaeschke, and Holger Schünemann
ガイドラインの質の確保と利益相反(COIs)が提言に影響しない保証との間には,葛藤がみられる.American College of Chest Physicians(ACCP)の抗血栓ガイドライン実行委員会は,提言に利益相反が影響することなく専門家意見が活かされるために役立つであろう革新的戦略を見出した.
(翻訳:湯地晃一郎)


医療保険改革法案(患者保護および入手可能な治療行為):プライマリ・ケアに関する約束および危険性
Patient Protection and Affordable Care Act: Promise and Peril for Primary Care
John D. Goodson
医療保険改革法案(PPACA)は,プライマリ・ケア医の労働力を安定化し,拡大させるための特別な教育課程を正当だと認めている.同法案は,プライマリ・ケア医の報酬を10%まで増額するとしている.また,同法案は,相対的な価値基準に基づいて,偏った医療資源の是正の機会を作り出し,さらに,プライマリ・ケアの実践における刷新を支援していく.しかしながら,この法案によっても,より公正な総合医と専門医のバランスを獲得するために,プライマリ・ケアの必要性を訴える人々は,長期にわたる再構築過程に積極的に関与しなければならない.
(翻訳:西岡亮治)
論評(Editorials)
Shared Medical Appointments:挑戦とチャンス
Shared Medical Appointments: Challenges and Opportunities
Andrea Sikon and David L. Bronson
ベビーブーマー世代の高齢化,肥満という疾病の広がり,治療選択における科学的進歩,そして最近の医療保険制度改革により保険を手にする患者の増加は,米国の健康管理システムをますます大きいストレスにさらすであろう.同時に,米国で卒業後に一般内科および家庭医療へ進む医学校卒業生の数は歴史的に見て低いレベルにある.本号で,Edelmanと同僚らが研究したように,shared medical appointments(訳注:複数の患者がクリニックなどに集い同時に介入を受けること.group visitsとも呼ばれる.)は伝統的な患者医師面接に対する革新的な代替手段となりえる.
(翻訳:紺谷 真)


Tackling the Difficult Problem of Prescription Opioid Misuse
処方オピオイドの乱用という困難な問題に立ち向かう
Howard A. Heit and Douglas L. Gourlay
本号でStarrelsと同僚らは,慢性疼痛の患者におけるオピオイド乱用を減少させるためのオピオイド治療同意書ならびに尿薬物検査の有効性について報告している.これらの方法はケアの標準となりつつあるが,それを支持する確かなエビデンスに欠けている.そのため,患者志向型のリスクマネジメントを維持しながらオピオイド乱用へと対処する,革新的な方法を開発する機会が与えられた.
(翻訳:泉谷昌志)


クリニックにて(In the Clinic)
心不全
Heart Failure
(翻訳:小出優史)
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