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(更新日 2010年2月15日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
2 February 2010 Volume 152 Issue 3
(監修:林 正樹,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
術後心嚢液貯留に対する非ステロイド抗炎症薬による治療:多施設共同無作為化二重盲検試験
Nonsteroidal Anti-inflammatory Drug Treatment for Postoperative Pericardial Effusion: A Multicenter Randomized, Double-Blind Trial
Philippe Meurin, Jean Yves Tabet, Gabriel Thabut, Pascal Cristofini, Titi Farrokhi, Michel Fischbach, Bernard Pierre, Ahmed Ben Driss, Nathalie Renaud, Marie Christine Iliou, Hélène Weber and for the French Society of Cardiology
Meurinと同僚らは,ジクロフェナク(ボルタレン®)50mg1日2回2週間投与が(プラセボと比べて)196名の心臓の術後7日以上中等〜大量の心嚢液貯留のある患者に対して心嚢液量を減らし,タンポナーデを予防するかどうかを検討した.両群とも同程度に心嚢液が減少し,ほぼ同数の心タンポナーデが起きた.小規模ではあるが,この研究はジクロフェナクが持続性の術後心嚢液貯留に対して有用性がほとんど,あるいは全くないことを示唆している.
(翻訳:古賀丈晴)
長期間の経皮的ニコチン療法の有効性に関する無作為化試験
Effectiveness of Extended-Duration Transdermal Nicotine Therapy: A Randomized Trial
Robert A. Schnoll, Freda Patterson, E. Paul Wileyto, Daniel F. Heitjan, Alexandra E. Shields, David A. Asch, and Caryn Lerman
Schnollと同僚らは,568人の成人の喫煙者を対象として,長期間の経皮的ニコチン療法(21mg,24週間)と従来の治療期間による方法(21mg,8週間)の禁煙効果に関する比較研究を行った.その結果,長期療法は従来の方法と比較して,24週目における禁煙の成功率は高く,患者が治療プログラムから脱落する危険性は低く,仮に脱落してもまた成功に至る可能性が高い,ということが明らかになった.しかし,52週目における禁煙率は,双方のグループにおいて同程度(15%)であった.
(翻訳:井上直紀)
複合性局所疼痛症候群の免疫グロブリン静脈内投与療法:無作為化試験
Intravenous Immunoglobulin Treatment of the Complex Regional Pain Syndrome: A Randomized Trial
Andreas Goebel, Andrew Baranowski, Konrad Maurer, Artemis Ghiai, Candy McCabe, and Gareth Ambler
予備的データによると複合型局所疼痛症候群(CRPS)の罹患において免疫系が関連し,低用量の免疫グロブリン静脈内投与(IVIG)は一部の患者の疼痛を実質的に減少させるかもしれないことを示唆している.Goebelと同僚らは13人の難治性CRPS患者において0.5 g/kgのIVIGが生理食塩水のプラセボより平均疼痛強度を1.55単位減少させることを見いだした.3人の患者においてはIVIG後の疼痛強度は生理食塩水投与後と比較して50%以上減少した.重大な副作用は報告されなかった.
(翻訳:吉井康裕)
レビュー(Reviews)
ナラティブ・レビュー:線維性疾患:細胞生物学的および分子生物学的機構と新しい治療法
Narrative Review: Fibrotic Diseases: Cellular and Molecular Mechanisms and Novel Therapies
Joel Rosenbloom, Susan V. Castro, and Sergio A. Jimenez
このナラティブ・レビューで,著者らは線維性疾患の細胞生物学的および分子生物学的病態について述べている.近年得られた線維化病態の基本的知見により線維化の有害な効果を抑制する新しい治療薬の開発が可能となった.
(翻訳:新谷英滋)
メタ解析:コンピュータ断層撮影法対磁気共鳴画像法を用いた非侵襲的冠動脈造影法
Meta-analysis: Noninvasive Coronary Angiography Using Computed Tomography Versus Magnetic Resonance Imaging
Georg M. Schuetz, Niki Maria Zacharopoulou, Peter Schlattmann, and Marc Dewey
このメタ解析は冠動脈疾患(CAD)の疑いまたは既往のある成人で臨床的に有意なCADの除外診断についてマルチスライスコンピュータ断層撮影法(CT)と磁気共鳴画像法(MRI)の有用性を比較検討した.89のCT研究と20のMRI研究の蓄積データからCTではそれぞれ平均感度97%,特異度87%,MRIの感度87%,特異度70%であった.冠動脈疾患疑いの患者のみとした場合CTの感度98%,特異度89%であった.
(翻訳:新沼廣幸)
展望(Perspectives)
CTコロノグラフィは,より高度の基準検査としてみなされているか?
Is Computed Tomographic Colonography Being Held to a Higher Standard?
Samita Garg and Dennis J. Ahnen
著者らは,CTコロノグラフィによる検診をカバーしないというCenters for Medicare & Medicaid Services(訳注:米国CMS)の決定について討論する.この決定の論拠として,放射線の暴露への懸念,小さなポリープを見逃す可能性,偶発的な腸管外病変の検出,検出力のばらつき,CTコロノグラフィを加えることが全般的な検診の受診率を上昇させるというエビデンスが無いことが,挙げられる.しかしながら,他の,推奨されていて既にカバーされている大腸がん検診の検査でも,幾つかの類似した懸念が挙げられる.
(翻訳:岩本和也)


患者中心のメディカル・ホームが健康維持機構の過ちから学びうる教訓
Lessons That Patient-Centered Medical Homes Can Learn From the Mistakes of HMOs
Ann M. Mirabito and Leonard L. Berry
多くの集団が,患者中心のメディカル・ホーム(PCMH)を,医療提供を変革する革新的な組織として支持してきた.PCMHの基本的な原則は,プライマリ・ケア医師が患者の医療サービス利用を調整し,有用性と効率を改善することである.この原則は,健康維持機構設立の背後にあるビジョンと一致している.健康維持機構はかつて医師,患者,政策アナリストから支持されたが,その後,評判が落ちてきている.この記事では,PCMHが健康維持機構の過ちから学びうる教訓について討論する.
(翻訳:岩本和也)


論評(Editorials)
無症候性の術後の心嚢液貯留:抗炎症薬の日常的な使用に否定的
Asymptomatic Postoperative Pericardial Effusions: Against the Routine Use of Anti-inflammatory Drug Therapy
Massimo Imazio
この号では,Meurinと同僚らは,術後7日間以上続く心嚢液貯留の患者に対してジクロフェナク(ボルタレン®)は液量の減少や心タンポナーデへの進展抑制をしなかったと報告した.彼らの研究は心外膜疾患の管理について重要な問題を提起しており,そのことは論評者も詳細に述べている.その中で,より詳細なデータが得られるまでは,炎症の根拠がない場合には抗炎症薬の日常的な使用は避けるべきと結論している.
(翻訳:上野義之)


複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome:CRPS)に対する免疫グロブリン静脈内投与(IVIG):希望と疑念
Intravenous Immunoglobulin to Fight Complex Regional Pain Syndromes: Hopes and Doubts
Frank Birklein and Claudia Sommer
CRPSの患者やその医師は,革新的で扱いやすい治療法をとても歓迎する.この号では,Goebelと同僚らは,0.5 mg/kgのIVIGが長期にわたるCRPS患者の痛みを減少させることを報告した.しかし,論評者らはこの予備的な臨床試験の限界を認識すべきであると注意を喚起し,CRPSを単一の疾患として捉えないように勧告している.
(翻訳:上野義之)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
術後心嚢液貯留を非ステロイド抗炎症薬療法で治療すること
Treating Postoperative Pericardial Effusion With Nonsteroidal Anti-inflammatory Drug Therapy
(翻訳:鈴木克典)
長期喫煙者のための長期ニコチン療法
Extended Nicotine Treatment for Long-Term Smokers
(翻訳:岩永正子)
複合性局所疼痛症候群に対する免疫グロブリン静脈内投与療法
Intravenous Immunoglobulin Treatment of the Complex Regional Pain Syndrome
(翻訳:村上 純)
クリニックにて(In the Clinic)
痛風
Gout
(翻訳:村島美穂)
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