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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
パイプおよび葉巻の喫煙が肺機能に及ぼす影響
Pipe and Cigar Smoking and Lung Function
16 February 2010 | Volume 152 Issue 4 | Pages I-28
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,肺と肺に空気を送る管に起こる病気です.COPDは現在,死亡原因の第4位ですが,まもなく脳卒中を抜いて第3位になります.COPDの患者さんは,咳が出て息切れがします.肺の傷害とCOPDの症状は,時とともにゆっくり悪化します.医師は,COPDの患者さんに気道を広げたり気道の腫れをとる薬を処方します.COPDの患者さんの中には,酸素療法が有効な人もいます.患者教育と運動を含む呼吸リハビリテーションもCOPDの治療法の一つです.紙巻きたばこの喫煙がCOPDの主な原因であることはよく知られています.パイプおよび葉巻喫煙が肺機能を低下させCOPDの原因となるかどうかを調べた研究はほとんどありません.米国を含めたいくつかの地域ではパイプや葉巻の喫煙率が増えているので,これらの喫煙が肺機能を傷害するかどうかを知ることは大切です.

この研究の目的は何ですか?
肺機能の変化がパイプや葉巻の喫煙と関連するかどうかを明らかにすることです.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
心臓血管疾患の危険因子の調査に参加した,48歳から90歳の3528名です.

どのような研究が行われましたか?
この研究に参加した人達は,現在および過去の喫煙習慣についての詳しい質問票に答え,スパイロメトリーも行いました.スパイロメトリーとは呼吸を調べる検査で,一秒量(FEV1)という1秒間に思いきり吐いた息の量と,同年齢で同じ体格の健康人の一秒量の比に基づいて,COPDの診断をすることができます.一秒量60%の人は,同年齢で同じ体格の健康人の約6割の量の息を1秒間に吐くことができます.研究者たちは,パイプ,葉巻,紙巻きたばこが,それぞれスパイロメトリーで認められた肺機能の低下に関連しているか調べました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
この研究に参加した3528名のうち,9%の人が今までにパイプを吸ったことがあり,11%の人が葉巻を吸ったことがあり,50%以上が紙巻きたばこを吸った経験がありました.パイプ,葉巻,紙巻きたばこ喫煙者は,いずれも喫煙量が増えるほど肺機能が悪くなっていました.さらに,紙巻きたばこは吸わないがパイプか葉巻を吸う人は,全く喫煙をしない人に比べて肺機能が異常になるリスクは2倍でした.

この研究にはどのような限界がありますか?
この研究では参加者に過去の喫煙習慣を申告するよう要求していますが,報告は完全には正しくないかもしれません.しかし,現在の喫煙の申告は,尿中のたばこ煙の分解産物を測定することで検証されています.肺機能検査が異常を示した人に肺の病気の症状もあったかどうかは調べられていません.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
パイプあるいは葉巻喫煙がCOPDの原因となることが,これらの喫煙を避けるべき理由の一つです.パイプあるいは葉巻喫煙は,そのほか心臓病,肺がん,口やのどのがんの原因となります.

(翻訳:渡邊祐子)

English Abstract

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