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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
エストロゲンとプロゲスチンによる併用療法の冠動脈疾患に与える影響について
The Effect of Estrogen Plus Progestin on Coronary Heart Disease
16 February 2010 | Volume 152 Issue 4 | Pages I-40
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
閉経期以降ホルモン療法を受ける女性では心臓発作や心臓の動脈に関連する他の疾患の危険性が増加するとされています.しかし,閉経直後にホルモン療法を開始した場合にはこの危険性が増加しないのではないかと考える人たちもいます.

この研究の目的は何ですか?
閉経後にホルモン療法を行うか否かを決めた多くの看護師が参加して行われたある大規模な研究結果では,閉経後10年以内にホルモン療法が開始された場合,ホルモン療法開始後の最初の3年間に心臓発作の危険性が増加する可能性があるということがわかりました.しかし,この研究では,ホルモン療法以外の何らかの要因によって危険性が増加した可能性も否定できませんでした.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
試験開始時に50歳から79歳の子宮に問題のない閉経後の女性16,608名です.

どのような研究がおこなわれましたか?
研究者らは,研究に参加した女性を無作為に併用ホルモン療法(エストロゲンとプロゲスチン)群あるいはプラセボ(模造錠剤)群に割り付けました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
閉経後10年以内にホルモン療法が開始された女性においてホルモン療法開始後の最初の2年間に心臓発作のリスクが増加する可能性があり,このリスクの増加はホルモン療法開始約6年後まで持続しました.

この研究にはどのような限界がありますか?
今回の結果は偶然による可能性が否定できませんが,今回得られた情報は,現在ホルモン療法について最も役立つエビデンスですし,おそらく今後長期間にわたってもそうあり続けると予測されます.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
大多数の女性は更年期の症状緩和のために併用ホルモン療法を受けますが,このことは彼女らが閉経直後から一般的には6年未満の期間にわたってホルモン療法を受けるということを意味します.彼女らはホルモン療法による心臓発作の抑制効果を期待してはならず,むしろ心臓発作のリスクが少し増加するかもしれないという心配をする必要があるかもしれません.

(翻訳:田村功一)

English Abstract

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