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原著(ARTICLE)
表在静脈血栓症と静脈血栓塞栓症:大規模,前向き疫学試験
Superficial Venous Thrombosis and Venous Thromboembolism: A Large, Prospective Epidemiologic Study
Hervé Decousus, MD; Isabelle Quéré, MD; Emilie Presles, MD; François Becker, MD; Marie-Thérèse Barrellier, MD; Myriam Chanut, MD; Jean-Luc Gillet, MD; Hervé Guenneguez, MD; Christine Leandri, MD; Patrick Mismetti, MD, PhD; Olivier Pichot, MD; Alain Leizorovicz, MD; and for the POST (Prospective Observational Superficial Thrombophlebitis) Study Group
16 February 2010 | Volume 152 Issue 4 | Pages 218-224
背景: 表在性静脈血栓症(SVT)は良性の予後を有すると理解されている.

目的: SVTを有する患者における静脈血栓塞栓症の発現を評価し,3か月間の血栓塞栓症合併の頻度を確定する.

デザイン: 国内横断的前向き疫学コホート研究(臨床試験登録番号:NCT00818688).

セッティング: フランスにおける診療所および病院を基盤とする静脈医学の専門家.

患者: 静脈圧縮超音波検査で少なくとも5cmの下肢の症候性SVTを有する患者844人.

測定: 症例組み入れ時に孤立性SVTを有する患者における静脈血栓塞栓症の発症頻度とSVTの進展または再発の頻度.

結果: 組み入れ時にSVTを有していた844人の患者(年齢中央値65歳,547人が女性)のうち,210人(24.9%)は同様に深部静脈血栓症(DVT)または症候性肺塞栓症を有していた.組み入れ時にDVTまたは症候性肺塞栓症を有さず3か月の追跡調査に適合した600人の患者では,そのうち540人(90.5%)の患者が抗凝固薬を服用していたにもかかわらず,58人(10.2%)は3か月の間に血栓塞栓の合併(肺塞栓症3例[0.5%],DVT15例[2.8%],SVTの進展18例[3.3%],そしてSVTの再発10例[1.9%])に発展した.3か月での合併症の危険因子は男性,DVTまたは肺塞栓症の既往歴,過去の悪性腫瘍,そして静脈瘤がないことであった.

研究の限界: 結果は専門に委託されたセッティングから得られたものであり,研究は症例組み入れが遅いために目標患者総数に到達する前に終了した.

結論: SVTを有する患者の多くが診断時に静脈血栓塞栓症を示し,そうでない患者でも次の3か月の間にこの合併症に進展しうる.

主たる資金提供源: GlaxoSmithKline,sanofi-aventis,そしてthe Ministère Français de la Santé et des Sports(訳注:フランス健康スポーツ省)(Programme Hospitalier de Recherche Clinique)である.

(翻訳:山内高弘)

English Abstract

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