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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
浅い下肢静脈血栓と深い下肢静脈血栓の関係についての観察研究
Observations of the Relationship Between Surface and Deep Leg Blood Vein Clotting
16 February 2010 | Volume 152 Issue 4 | Pages I-48
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
静脈という血管は,体から心臓に戻る血液が流れます.血液は下肢の静脈の中では固まる傾向があり,静脈のある場所によって合併症となります.下肢の表面に近い静脈にできる血液の固まり(表在性静脈血栓)は,不快感と腫脹をおこしますが,そのほかの重大な合併症はあまりおこさないと考えられます.下肢の深部の静脈にできる血液の固まり(深部静脈血栓)は,かけらが肺にとび(肺塞栓),より重篤な症状や死をおこします.
研究によりわかってきていることは,1種類の血栓のある人は両方の種類の血栓がある可能性があるということです.もし,浅い静脈に血栓がある人の,深い静脈にも血栓がしばしばあるのなら,浅い静脈の血栓は今まで一般に考えられてきた以上に深刻です.

この研究の目的は何ですか?
浅い下肢静脈に血栓のある人に,深い下肢静脈の血栓が,同時に,または今後どれだけできるかを知ることです.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
浅い下肢静脈の血栓治療のために,静脈の専門家を受診した844人です.

どのような研究がおこなわれましたか?
専門家により,対象者の下肢すべてを超音波で検査しました.10日後に検査を繰り返し,3か月間にわたり治療が必要な血栓の増大や新たな出現がないかを観察しました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
1回目の検査では,浅い静脈に血栓のある4人のうちおよそ1人は深い静脈に血栓がありました.最初に深い静脈に血栓がなかった10人のうちおよそ1人は,3か月間に浅い静脈の血栓が増大したり,深い静脈の血栓ができたりしていました.

この研究にはどのような限界がありますか?
この研究は静脈の専門家が普及しているフランスで行われました.この結果は,米国やその他の国など,下肢に症状のある患者さんがプライマリ・ケア医やそのほかの専門家を受診する国では違うかもしれません.また,研究者らはこの研究の対象者となる人を見つけるのに苦労しました.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
浅い下肢静脈の血栓がある人は,深い静脈にも血栓がある可能性があり,そのことは,より重篤な合併症のリスクにつながります.最初に深い下肢の静脈に血栓がなくても,3か月後にはできているかもしれません.浅い静脈の血栓は今まで考えられてきた以上に深刻にとらえるべきでしょう.

(翻訳:川上寿一)

English Abstract

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