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患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
診療の質評価基準に対する医学的例外判断が不適切な頻度
Frequency of Inappropriate Medical Exceptions to Quality Measures
Stephen D. Persell, MD, MPH; Nancy C. Dolan, MD; Elisha M. Friesema, BA; Jason A. Thompson, BA; Darren Kaiser, MS; and David W. Baker, MD, MPH
16 February 2010 | Volume 152 Issue 4 | Pages 225-231
背景: 臨床の質改善のためのプログラムのうちで,臨床医が行う臨床行為がガイドラインから逸脱している理由を記載できるものは,医師の判断を尊重しながら高い臨床能力を維持するよう動機付けることができる.しかしながら,医師の誤解やゲーム感覚によってプログラムの効果が制限される可能性がある.

目的: 臨床の質評価基準に対する医学的例外を記載する機能を持ったコンピュータ化決断支援システムを実行し,例外についてピア・レビューを行って適切な場合にフィードバックを行うこと.

研究デザイン: 観察研究.

セッティング: Northwestern大学病院(Chicago)における内科外来診療.

対象: 診療の質評価基準項目を1つ以上有する患者.

測定: 16種類の慢性疾患および予防・スクリーニングに関するガイドラインの質評価基準に対し臨床医が例外と判断した状況について同僚医師からなる審査委員会が評価を行い,適切,不適切,適切性不明確のいずれかと判定した.フィードバックが行われた後に医療記録を評価して,ケアに変化があったか確認した.

結果: 7か月間に650件の医学的例外が記録された.36件(5.5%)で医学的理由の記載がなされていなかった.残り614件のうち93.6%が医学的に適切,3.1%が不適切,3.3%が適切性不明確と判定された.不適切と判定された基準項目は,冠動脈疾患が7件(6.9%),心不全は0件,糖尿病が10件(10.8%),予防的介入で2件(0.6%)であった.臨床医が不適切な例外について直接フィードバックを受けた後に,19件中8件(42%)で患者管理の変化がみられた.同僚医師による審査は1件につき5分未満であり,臨床的ケアの変化を1件得るためには65回の審査が必要であった.

研究の限界: 異なったセッティングでは結果が異なる可能性がある.同じセッティングであっても経済的インセンティブがある場合に結果が異なる可能性がある.

結論: 臨床医が記録する医学的例外はほとんどの場合正確である.同僚医師による医学的例外のレビューによって臨床医の持っている迷信や誤解を見つけることができるが,継続して行うためには審査の過程がより効率的である必要があろう.

主たる資金提供源: Agency for Healthcare Research and Quality(訳注:米国ヘルスケア研究・品質局-AHRQ)

(翻訳:紺谷 真)

English Abstract

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