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レビュー(Review)
プライマリ・ケア医と専門医間の双方向的コミュニケーションの効果
Meta-analysis: Effect of Interactive Communication Between Collaborating Primary Care Physicians and Specialists
Robbie Foy, MBChB, PhD; Susanne Hempel, PhD; Lisa Rubenstein, MD, MSPH; Marika Suttorp, MS; Michelle Seelig, MD, MSHS; Roberta Shanman, MLS; and Paul G. Shekelle, MD, PhD
16 February 2010 | Volume 152 Issue 4 | Pages 247-258
背景: 双方向的なコミュニケーションを可能にする共同診療モデル(プライマリ・ケア医と専門医の間で随時行われる,双方向的な患者情報の交換)が患者アウトカムを改善させるかどうかについては明らかではない.

目的: 外来通院中の患者のアウトカムにおける,プライマリ・ケア医と専門医間での双方向的連携の効果を評価すること.

情報源: PubMed,Psyinfo(訳注:国際的心理学書誌データベース),EMBASE(訳注:Elsevier Science社が作成する医学・薬学文献データベース),CINAHL(訳注:看護学の基本的データベース),コクランレビュー,Database of Abstracts of Reviews of Effects(訳注:英国ヨーク大学が主催するレビューデータベース),Web of Science(訳注:Thomson Reuters社が提供するWebベースの学術文献データベース)に2008年6月までに収載された論文および,その参考文献.言語による制限は加えなかった.

研究の選択: プライマリ・ケア医と専門医間での双方向的連携の効果を評価した研究のうち,糖尿病や精神疾患,癌の患者のアウトカムに関する研究を選択した.

データ抽出: 1人のレビュアーによって23の研究から,論文内容,介入方法,アウトカムに関するデータが抽出され,もうひとりのレビュアーがそれをチェックした.研究の質は13項目のチェックリストを用いて評価した.不一致点は議論を行い,最終的に合意に至った.分析を行うための主要なアウトカムの選択は研究結果をしらされていない他の複数のレビュアーが行った.

データ合成: メタ解析により,11件の精神保健に関するランダム化比較試験(pooled effect size,-0.41[95%CI,-0.73〜-0.10]),7件の精神保健に関する非ランダム化比較試験(pooled effect size,-0.47[CI,-0.84〜0.09]),5件の糖尿病に関する非ランダム化比較試験(pooled effect size,-0.64[CI,-0.93〜-0.34])において一貫した結果が示された.この知見は,感度を分析するのに十分な頑健性を有していた.また,共有する患者情報の質を高めるような介入がなされていた研究では,そうでない研究よりも患者アウトカムにおよぼす効果がより高いことがメタ回帰で示された(-0.84 vs. -0.27;P 値=0.002).

研究の限界: 診療における連携とは,本質的に様々なものが含まれるため,双方向的コミュニケーションそのものの効果を確立させることはできない.内部妥当性の低い計画がなされた研究が含まれたため,バイアスの可能性は高い.また,腫瘍内科医が加わった研究はなかった.

結論: プライマリ・ケア医と専門医間の双方向的コミュニケーションが,その有効性を高めるうえで潜在的な役割を果たすことが,臨床的に重要かつ一貫した結果として示された.

主たる資金提供源: RAND Health's Comprehensive Assessment of Reform Options Initiative(訳注:米国のリサーチ会社),the Veterans Affairs Center for the Study of Provider Behavior(訳注:米国退役軍人省内の保健施策に関わる研究部門),The Commonwealth Fund(訳注:連邦基金),and the Health Foundation.

(翻訳:山本智清)

English Abstract

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