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(更新日 2010年3月15日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
2 March 2010 Volume 152 Issue 5
(監修:安藤聡一郎,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
大学運動選手の心血管スクリーニングにおける心電図の意義:横断研究
Cardiovascular Screening in College Athletes With and Without Electrocardiography: A Cross-sectional Study
Aaron L. Baggish, MD; Adolph M. Hutter Jr., MD; Francis Wang, MD; Kibar Yared, MD; Rory B. Weiner, MD; Eli Kupperman, BA; Michael H. Picard, MD; and Malissa J. Wood, MD
専門家は競技スポーツに参加する前の心血管スクリーニングを推奨しているが,これに心電図(ECG)が含まれない場合がある.この研究では,510名の大学運動選手に心臓超音波検査を施行して11名に心臓に異常がある可能性を検出した.スクリーニングの際に病歴と身体診察にECG検査を加えることにより,心異常の可能性を同定できた人数が5名から10名に増えたが,偽陽性率も5.5%から16.9%に増加した.ECGをスクリーニングに加えるかどうかは検出感度の向上効果と偽陽性結果がもたらす追加検査の増加や健康人が不必要に競技スポーツへ参加できなくなる可能性とのバランスで考えられるべきである.
(翻訳:川名正敏)
若年運動選手における心臓突然死を予防するための参加前スクリーニング検査の費用対効果
Cost-Effectiveness of Preparticipation Screening for Prevention of Sudden Cardiac Death in Young Athletes
Matthew T. Wheeler, MD, PhD; Paul A. Heidenreich, MD, MS; Victor F. Froelicher, MD; Mark A. Hlatky, MD; and Euan A. Ashley, MB ChB, DPhil
若年運動選手のスクリーニング検査に心電図を含めるかどうかは,費用対効果に関する懸念から,議論の余地がある.この解析は,病歴と身体診察だけの場合に比べて,心電図を加えて高校や大学の運動競技選手の日常のスクリーニング検査を行うことで1,000人の運動選手あたり,余命が2.6年延び,救命しえた1生存人年あたり42,000ドルかかると推定されている.心電図を加えることは,感度解析の範囲内では費用対効果を認めるといえるようである.
(翻訳:石田真実子)
下肢長の左右差と変形性膝関節症との関連:コホート研究
Association of Leg-Length Inequality With Knee Osteoarthritis: A Cohort Study
William F. Harvey, MD, MSc; Mei Yang, PhD; Theodore D.V. Cooke, MA, MB, BChir; Neil A. Segal, MD, MS; Nancy Lane, MD; Cora E. Lewis, MD, MSPH; and David T. Felson, MD, MPH
下肢長に左右差が存在することは珍しくないが,これが変形性膝関節症を始めとする種々の筋骨格系疾患で役割を果たしているかもしれない.この前向き研究ではX線撮影を用い,変形性膝関節症であるかそのリスクが高い50〜79歳の3,026人における下肢長を評価した.1 cm以上の下肢長差の存在は,ことに短い方の下肢において変形性膝関節症の存在,発症,症状や進行と関連していた.下肢長差が変形性膝関節症に関し修正可能な危険因子であるかについては,今後の研究で評価されるべきである.
(翻訳:赤真秀人)
短報:ホスピスにおける植込み型除細動器のマネージメント:全国規模調査
Brief Communication: Management of Implantable Cardioverter-Defibrillators in Hospice: A Nationwide Survey
Nathan Goldstein, MD; Melissa Carlson, MBA, PhD; Elayne Livote, MPH, MS, MA; and Jean S. Kutner, MD, MSPH
植込み型除細動器(ICD)を装着している患者がホスピスケア施設に入院しているが,このような患者をどのようにマネージメントしたらよいかということに関してはほとんど知られていない.ホスピスにおけるこの大規模な全国的調査によると,97%の施設がICD装着患者を受け入れており,58%の施設が昨年少なくとも1人の患者が電気ショックを受けていたと報告した.ICD作動停止に関する方針を持つ施設はわずか10%であった.42%のICD装着患者のICDショック機能が作動停止されていた.
(翻訳:柳内秀勝)
レビュー(Reviews)
ナラティブ・レビュー:血小板増多症,真性多血症,そしてJAK2遺伝子変異:慢性骨髄増殖性疾患の表現型の相同性
Narrative Review: Thrombocytosis, Polycythemia Vera, and JAK2 Mutations: The Phenotypic Mimicry of Chronic Myeloproliferation
Jerry L. Spivak, MD
真性多血症,本態性血小板増加症,そして原発性骨髄線維症は,造血幹細胞疾患であり,循環赤血球/白血球/血小板それぞれのあるいは複数にわたるクローン性優位と無秩序な増加という特徴を有する.JAK2 (Janus kinase 2) 遺伝子の活性化型変異 (V617F) がこれらの3疾患の共通する臨床的特色を説明し得る.真性多血症はJAK2遺伝子のV617F変異の究極の臨床表現型を呈している可能性があり,当然の帰結として,3疾患のうち最も日常的に遭遇する.
(翻訳:湯地晃一郎)
系統的レビュー:ビタミンDと心血管・代謝疾患アウトカム
Systematic Review: Vitamin D and Cardiometabolic Outcomes
Anastassios G. Pittas, MD, MS; Mei Chung, MPH; Thomas Trikalinos, MD; Joanna Mitri, MD; Michael Brendel, BA; Kamal Patel, MPH; Alice H. Lichtenstein, DSc; Joseph Lau, MD; and Ethan M. Balk, MD, MPH
ビタミンDは,2型糖尿病,高血圧,心血管疾患のような心血管・代謝疾患アウトカムのリスクを軽減する可能性がある.このレビューは,高血圧のリスク上昇と,場合によって心血管疾患に対するリスク上昇とビタミンD低値との関連性があるという健常成人でのコホート研究を示している.糖尿病との関連性についてのデータは,解明されていない.今までのところ,研究では,高血圧や血糖や心血管系アウトカムへのビタミンD補充の一貫性した,統計学的に有意な効果は認められていない.
(翻訳:金原秀雄)
系統的レビュー:ビタミンDとカルシウム補充の心血管イベントの予防効果
Systematic Review: Vitamin D and Calcium Supplementation in Prevention of Cardiovascular Events
Lu Wang, MD, PhD; JoAnn E. Manson, MD, DrPH; Yiqing Song, MD, ScD; and Howard D. Sesso, ScD
ビタミンDとカルシウムは各々独自に且つ相互的に心血管系に影響を与える可能性がある.本レビューは幾つかの前向き研究と無作為化比較試験から,ビタミンDサプリメントを受ける成人において心血管疾患リスクの低減が示唆されることを報告している.しかし,カルシウムサプリメントの投与群と非投与群間,両者(ビタミンDおよびカルシウム)の併用投与群とプラセボ群間ではリスクにほとんど差がみられていない.
(翻訳:高田 徹)
論評(Editorials)
運動競技選手への国家的な心電図スクリーニング:米国で実現可能か?
National Electrocardiography Screening for Competitive Athletes: Feasible in the United States?
Barry J. Maron, MD
この号の2つの論文が参加前心電図スクリーニングについて切望されていたデータを提供している.ひとつは,Baggishと同僚らによる510名の大学運動選手についての研究で,心電図スクリーニングは心血管異常の検出についての感度と陰性予測精度を(病歴聴取と身体所見だけの場合と比較して)高めたが,偽陽性結果が高率になった.もうひとつのWheelerと共同研究者らによる報告は,詳細な経済学的分析を行い,運動選手の心血管疾患スクリーニングでの心電図の対費用効果があることを支持する結果を示している.これらのことを踏まえても,米国内でルーチンの心電図スクリーニングを行うことの実現可能性については不確実なものにとどまっている.
(翻訳:郷間 巌)


現実と向き合う時代のビタミンD補充
Vitamin D Supplementation in the Age of Lost Innocence
Eliseo Guallar, MD, DrPH; Edgar R. Miller III, MD, PhD; Jose M. Ordovas, PhD; and Saverio Stranges, MD, PhD
この号の2つの系統的レビューは,心血管疾患でのビタミンDの役割を要約してビタミンDの効果を完全に理解するために必要なエビデンスを明示している.Pittasと同僚らは,ビタミンDと心血管・代謝疾患発症との間の関連についての前向き観察研究をレビューした.Wangと同僚らは,6つの前向きコホート研究にて心血管疾患死亡率とビタミンD補充との間に一貫した逆相関があることを確認した.
(翻訳:郷間 巌)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
大学運動選手が競技スポーツに参加する前に行う心血管評価において病歴聴取・診察に加えて心電図検査を行うことの意義について
Adding Electrocardiography to Medical History and Physical Examination for Evaluation Before Sports Participation in College Athletes
(翻訳:谷口 誠)
若年運動選手がスポーツへ参加する前に行う様々な評価法の費用対効果
Cost-Effectiveness of Different Types of Evaluations Before Sports Participation in Young Athletes
(翻訳:増田浩三)
脚長の左右差と変形性膝関節症
Unequal Leg Length and Knee Osteoarthritis
(翻訳:西岡亮治)
クリニックにて(In the Clinic)
2型糖尿病
Type 2 Diabetes
(翻訳:郷間 巌)
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