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原著(ARTICLE)
若年運動選手における心臓突然死を予防するための参加前スクリーニング検査の費用対効果
Cost-Effectiveness of Preparticipation Screening for Prevention of Sudden Cardiac Death in Young Athletes
Matthew T. Wheeler, Paul A. Heidenreich, Victor F. Froelicher, Mark A. Hlatky, and Euan A. Ashley
2 March 2010 | Volume 152 Issue 5 | Pages 276-286
背景: 若年運動選手の参加前のスクリーニング検査に12誘導心電図(ECG)を含めることとは,費用対効果に関する懸念から,議論が多い.

目的: 心血管系に焦点を当てた病歴と身体診察にECGを追加する費用対効果を,心血管系に焦点を当てた病歴と身体診察だけのものと比較して評価すること.

デザイン: 判断分析,費用対効果モデル

情報源: 公表された疫学的な参加前のスクリーニングデータ,人口動態統計,その他の公に入手可能なデータ

対象集団: 14歳から22歳までの高校から大学に通う運動競技選手

研究対象期間: 生涯

展望: 社会的

介入: 運動競技に参加させないようにし,心疾患の存在が確認されている運動競技選手に対しては疾患特異的な治療を受けさせる

結果判定: 1獲得生存年あたり漸増するヘルスケアの費用

基本症例分析結果: ECGを参加前のスクリーニング検査に加えることで,心血管系に焦点を当てた病歴と身体診察のみの場合に比べて,1,000人の運動選手につき2.06年余命を延ばすことができ,その総費用は1人につき89ドル漸増する.また,救命しえた1生存人年あたり42,000ドルの費用対効果比を生み出す(95%CI,21,000〜71,300ドル).スクリーニング検査を全くしない場合に比べると,心血管系に焦点を当てた病歴と身体診察にECGを加えることは,1,000人あたり2.6年余命を延ばし,一人の運動選手につき199ドルかかる.救命しえた1生存人年あたり76,100ドルの対費用効果比を生み出す(95%CI,62,400〜130,000ドル).

感度分析結果: 結果は,競技不参加と最初のスクリーニング検査の費用に関する相対的リスクの減少に感受性がある.

研究の限界: 効果についてのデータは欧州の一つの主要な研究に由来している.突然死の原因のパターンは国によって異なる可能性がある.

結論: 若年運動選手の心血管系に焦点をあてた病歴と身体診察に加え,12誘導ECGのスクリーニング検査をすることは対費用効果があるかもしれない.

主たる資金提供源: Stanford Cardiovascular Institute(訳注:スタンフォード心血管研究所),Breetwor Foundation(訳注:Breetwor基金)

(翻訳:石田真実子)

English Abstract

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