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原著(ARTICLE)
下肢長の左右差と変形性膝関節症との関連:コホート研究
Association of Leg-Length Inequality With Knee Osteoarthritis:A Cohort Study
William F. Harvey, Mei Yang, Theodore D.V. Cooke, Neil A. Segal, Nancy Lane, Cora E. Lewis, and David T. Felson
2 March 2010 | Volume 152 Issue 5 | Pages 287-295
背景: 下肢長に左右差があることは一般住民で珍しくなく,この差は変形性膝関節症の進展を促進する可能性がある.

目的: 下肢長差が,変形性膝関節症の存在,発症や進行と関連しているかを判定する.

研究デザイン: 前向き観察コホート研究.

セッテイング: アラバマ州バーミンガムとアイオワ州アイオワシテイの住民サンプル.

患者: 変形性膝関節症であるかそのリスクが高い50〜79歳の3,026人.

測定: 全下肢を照射範囲とするX線撮影により下肢長差を測定した.アウトカムは変形性膝関節症の存在,発症や進行であった.Kellgren-Lawrence分類で2度以上をX線写真上の変形性関節症と定義し,症候性の変形性関節症は絶えず膝痛をきたしX線写真に異常を認める場合とした.

結果: 1 cm以上の下肢長差が存在すると1 cm未満の場合と比較し,より短い脚でX線写真上(53%vs. 36%;オッズ比1.9[CI,1.5〜2.4])の,また症候性(30%vs. 17%;オッズ比2.0[CI,1.6〜2.6])の変形性関節症を伴っていた.さらに症候性の変形性関節症が短い脚(15%vs. 9%;オッズ比1.7[CI,1.2〜2.4]),長い脚(13%vs. 9%;オッズ比1.5[CI,1.0〜2.1])で発症した.短い脚において変形性関節症の進行のオッズが増加していた(29%vs. 24%;オッズ比1.3[CI,1.0〜1.7]).

研究の限界: 発症例や進行例を適切に同定するには追跡期間が十分でないかもしれない.X線撮影などによる下肢長の測定は測定誤差に左右されやすく,誤った分類をされた可能性がある.

結論: X線撮影上の下肢長の左右差は,変形性膝関節症の存在,症状の発症,さらに進行と関連した.下肢長差が変形性膝関節症における修正可能な危険因子である可能性も考えられる.

主たる資金提供源: National Institute on Aging(訳注:国立加齢研究所―NIA).

(翻訳:赤真秀人)

English Abstract

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