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レビュー(Review)
系統的レビュー:ビタミンDと心血管・代謝疾患アウトカム
Systematic Review: Vitamin D and Cardiometabolic Outcomes
Anastassios G. Pittas, Mei Chung, Thomas Trikalinos, Joanna Mitri, Michael Brendel, Kamal Patel, Alice H. Lichtenstein, Joseph Lau, and Ethan M. Balk
2 March 2010 | Volume 152 Issue 5 | Pages 307-314
背景: ビタミンDは心血管・代謝疾患アウトカム(2型糖尿病,高血圧,心血管疾患)の危険性を軽減する可能性がある.

目的: 一般健常成人で,ビタミンD補充を含む,ビタミンD摂取状況と心血管・代謝疾患アウトカムとの関連性を評価すること.

情報源: Medlineとthe Cochrane Central Register of Controlled Trials(訳注:英国の Cochrane Collaborationが医療情報を収集,提供しており,Cochrane Central Register of Controlled Trialsは,適切にデザインされた臨床試験についての文献を集積したものである)(2009年第4四半期)での英文論文(2009年11月4日まで)

研究の選択: 11名のレビュアーが,ビタミン補充のランダム化試験を含むビタミンD摂取状況と心血管・代謝疾患アウトカムとの関連性を報告した縦断的コホート試験を確認するため,引用状況を選別した.

データ抽出: 5名の独立したレビュアーが,研究方法,対象者の特性,アウトカムと研究の質について,データを抽出した.相違点は多数意見にて解決した.

データ合成: 13観察試験(18コホート研究)と18試験が選定された.6解析(4つの異なるコホート研究)のうち,3解析でビタミンD最高位群が最低位群に対して,糖尿病リスクであると報告していた.8試験では,血糖や糖尿病発症頻度に対するビタミンDの効果は認められなかった.3コホート研究でのメタ解析では,25-hydroxyvitamin D濃度の低下が,高血圧発症と関連していた.(相対リスク,1.8[95%CI,1.3〜2.4]).10試験のメタ解析にて,ビタミンD補充が有意な収縮期血圧低下をきたさず(加重平均差,-1.9 mm Hg[CI,-4.2〜0.4 mm Hg]),拡張期血圧にも影響を認めなかった(加重平均差,-0.1 mm Hg[CI,-0.7〜0.5 mm Hg]).25-hydroxyvitamin D濃度低下は,7解析(6コホート)のうちの,5解析で心血管疾患の発症と関連していた.4試験では,心血管アウトカムに対する補充療法の効果は認められなかった.

研究の限界: 研究は主に白人が対象者であった.観察研究は混成であった.いくつかの研究は事後解析であった.

結論: ビタミンD摂取状況と心血管・代謝アウトカムの関連性は,明確ではない.試験では,投与された量ではビタミンD補充の臨床的な有意な効果は示されなかった.

主たる資金提供源: National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Disease(訳注:国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所),the National Institutes of Health Office of Dietary Supplements,U.S.(訳注:米国国立衛生研究所・栄養サプリメント課),Food and Drug Administration(訳注:米国食品医薬品局(FDA)),Agency for Healthcare Research and Quality(訳注:米国ヘルスケア研究・品質局(AHRQ)),Public Health Agency of Canada(訳注:カナダ公衆衛生局(PHAC)).

(翻訳:金原秀雄)

English Abstract

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