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(更新日 2010年4月22日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
6 April 2010 Volume 152 Issue 7
(監修:菊地基雄,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
小児癌生存者における累積超過死亡率の見積もりモデル
A Model-Based Estimate of Cumulative Excess Mortality in Survivors of Childhood Cancer
Jennifer M. Yeh, Larissa Nekhlyudov, Sue J. Goldie, Ann C. Mertens, and Lisa Diller
小児癌の生存者は二次癌,慢性疾患,心肺合併症のリスク増大に直面する.Yehと同僚らは,癌の5年生存者である15歳の集団(コホート)の生涯の過程をシミュレートした.生涯に原疾患あるいは,治療関連の二次癌や心肺その他の合併症で死亡する確率の平均はそれぞれ0.10および0.15であった.一般集団と比較した寿命の減少は,腎腫瘍の4年から,脳や骨腫瘍の17年までの幅があった.
(翻訳:村上 純)
高齢患者における市中肺炎と抗精神病薬との関連:コホート内症例対象研究
Association of Community-Acquired Pneumonia With Antipsychotic Drug Use in Elderly Patients: A Nested Case-Control Study
Gianluca Trifirò, Giovanni Gambassi, Elif F. Sen, Achille P. Caputi, Vincenzo Bagnardi, Jose Brea, and Miriam C.J.M. Sturkenboom
入院患者での研究は,認知症の高齢患者において処方が増えている抗精神病薬が,肺炎のリスクを増加する可能性を示唆している.このコホート内症例対象研究は,1996年から2006年までの間に抗精神病薬の処方を受けた,地域社会に暮らす高齢のオランダ人における肺炎のリスクを調査した.過去の使用と比較して,現在の定型または非定型抗精神病薬の使用は,肺炎のリスクが容量依存性に増加することと関連していた.リスクは治療開始後の最初の週において最大であった.
(翻訳:加藤秀章)
広範囲の社会ネットワークにおけるアルコール消費の拡がり
The Spread of Alcohol Consumption Behavior in a Large Social Network
J. Niels Rosenquist, Joanne Murabito, James H. Fowler, and Nicholas A. Christakis
個人の飲酒は,社会的に接触する相手の飲酒を反映しているかもしれない.Rosenquistと同僚らは,フラミンガム心疾患研究の対象12,067名の社会ネットワークにおいて,この考え方を定量的に研究した.自己申告された飲酒状況は社会集団内の個人間では同様であり,個人のアルコール摂取にみられる経年変化は,その社会的な接触相手の飲酒の変化に追随していた.アルコール摂取に変化をもたらすには,個人だけでなく,社会的グループにも介入する必要性がありそうだ.
(翻訳:塩田哲也)
肺塞栓症におけるガドリニウム増強磁気共鳴血管造影検査:多施設研究(PIOPED III)
Gadolinium-Enhanced Magnetic Resonance Angiography for Pulmonary Embolism: A Multicenter Prospective Study (PIOPED III)
Paul D. Stein, Thomas L. Chenevert, Sarah E. Fowler, Lawrence R. Goodman, Alexander Gottschalk, Charles A. Hales, Russell D. Hull, Kathleen A. Jablonski, Kenneth V. Leeper, Jr., David P. Naidich, Daniel J. Sak, H. Dirk Sostman, Victor F. Tapson, John G. Weg, Pamela K. Woodard, and for the PIOPED III (Prospective Investigation of Pulmonary Embolism Diagnosis III) Investigators
肺塞栓症の診断におけるガドリニウム増強磁気共鳴血管造影検査(MRA)および静脈造影検査の正確性の結論はまだ出ていない.この多施設研究では,この検査を受けた371名のうち25%の患者でMRAに技術的に不備があり,また最終的に塞栓症と診断された104名のうち57%で検出可能であった.技術的な適格性に関しては感度および特異度は78%,99%であった.診断検査としてのMRAの使用は日常的に検査を不備なく施行しているセンター病院に限るべきで,さらに標準的な検査が禁忌である患者に限るべきである.
(翻訳:宮崎泰成)
レビュー(Reviews)
系統的レビュー:小児期,思春期または,若年成人癌を胸部放射線療法で治療した女性の乳癌サーベイランス
Systematic Review: Surveillance for Breast Cancer in Women Treated With Chest Radiation for Childhood, Adolescent, or Young Adult Cancer
Tara O. Henderson, Alison Amsterdam, Smita Bhatia, Melissa M. Hudson, Anna T. Meadows, Joseph P. Neglia, Lisa R. Diller, Louis S. Constine, Robert A. Smith, Martin C. Mahoney, Elizabeth A. Morris, Leslie L. Montgomery, Wendy Landier, Stephanie M. Smith, Leslie L. Robison, and Kevin C. Oeffinger
この系統的レビューは,小児もしくは若年成人癌に対して胸部放射線療法を受けた女性の乳癌リスクに関するエビデンスをまとめたものである.調査では,胸部放射線照射は乳癌の発生率と絶対的過剰リスクの増加と関連することが一貫して示されている.40〜45歳までの乳癌の累積発生率は13〜20%であった.リスクは胸部放射線量と直線的に増加していた.胸部放射線療法を受けた女性では,若年時の乳癌リスクは実質的に増加し定常状態にはならないことから,早期発見することがよいのかもしれない.
(翻訳:勝田秀紀)
系統的レビュー:関節リウマチ診断のための抗シトルリン化ペプチド抗体の正確さ
Systematic Review: Accuracy of Anti-Citrullinated Peptide Antibodies for Diagnosing Rheumatoid Arthritis
Penny F. Whiting, Nynke Smidt, Jonathan A.C. Sterne, Roger Harbord, Anya Burton, Margaret Burke, Rebecca Beynon, Yoav Ben-Shlomo, John Axford, and Paul Dieppe
このレビューでは,発症早期の関節リウマチの診断のために用いた抗シトルリ化ペプチド抗体(ACPA)の正確性の評価もしくは,リウマトイド因子との比較をした151の研究のデータが要約されている.これによると,ACPAはリウマトイド因子と比較して 特異度に優れ,同等の感度を持つ.第2世代の抗シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP2抗体)は他のACPA定量よりも良い.抗CCP2抗体の陽性および陰性尤度比は12.7および0.45であった.これらのデータを根拠に,抗CCP2抗体は発症早期の関節リウマチ患者の精査に含めるべきであると,著者らは結論を下している.
(翻訳:山前正臣)
論評(Editorials)
小児癌経験者の人生に関わるコストを評価する
Estimating the Human Costs of Cancer Survivorship in Children
Patricia A. Ganz, Jacqueline N. Casillas, and Anne Coscarelli
この号では,Yehと同僚らは小児癌経験者の累積超過死亡率を推計し,Hendersonと同僚らは胸部放射線照射を受けたことがある若年女性の乳癌の発生率と過剰リスクについて述べている.論説委員は小児癌経験者の直面する心理社会的な負担とクオリティ・オブ・ライフに与える影響,そして医療介護システムを利用する際に出会う多くの困難を論じている.
(翻訳:佐藤 顕)


なぜMRIは肺塞栓を確実に診断できないのか?
Why Can't Magnetic Resonance Imaging Reliably Diagnose Pulmonary Embolism?
Bruce L. Davidson and Marc J. Lacrampe
この号では,Steinと同僚らは肺塞栓が疑われる際の磁気共鳴血管造影(MRA)と磁気共鳴静脈造影の診断的正確性に関して報告している.論説委員は,このような場合にいかにしてMRAを使用すべきという著者らの結論に同意している.彼らはまた肺塞栓が疑われる症例における現時点での最善の対応についても論じている.
(翻訳:佐藤 顕)


ホスピタリスト・ケアへの欲求不満:移行とコミュニケーションを改善させる必要性
Frustrations With Hospitalist Care: Need to Improve Transitions and Communication
The Editors
編集者らはホスピタリスト・ケアのピットフォールに関する,最近の当誌の記事への読者からの意見を検討している.彼らはこの話題に関する質の高い研究と生産的な論争を求めており,ケアのホスピタリスト・モデルの有効性,有害事象,価値に関する信頼できるエビデンス・ベースを進歩させる研究をレビューし発表する機会を歓迎している.
(翻訳:佐藤 顕)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
小児がん生存者における余命の低下に関して
Decreased Life Expectancy of Childhood Cancer Survivors
(翻訳:今村隆明)
抗精神病薬使用と市中肺炎
Antipsychotic Use and Community-Acquired Pneumonia
(翻訳:沖 将行)
大規模な社会的ネットワークにおける飲酒の広がり
Spread of Alcohol Use in a Large Social Network
(翻訳:池田正行)
磁気共鳴血管造影を用いた肺塞栓の診断
Diagnosis of Pulmonary Embolism With Magnetic Resonance Angiography
(翻訳:吉田 博)
クリニックにて(In the Clinic)
乳癌の検診と予防
Breast Cancer Screening and Prevention
(翻訳:佐藤 顕)
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