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(更新日 2010年5月18日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
4 May 2010 Volume 152 Issue 9
(監修:植田秀樹,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
帯状疱疹予防研究における帯状疱疹ワクチンの安全性:無作為化試験
Safety of Herpes Zoster Vaccine in the Shingles Prevention Study:A Randomized Trial
Michael S. Simberkoff, Robert D. Arbeit, Gary R. Johnson, Michael N. Oxman, Kathy D. Boardman, Heather M. Williams, Myron J. Levin, Kenneth E. Schmader, Lawrence D. Gelb, Susan Keay, Kathleen Neuzil, Richard N. Greenberg, Marie R. Griffin, Larry E. Davis, Vicki A. Morrison, Paula W. Annunziato, and for the Shingles Prevention Study Group
帯状疱疹予防研究からのこの二次分析は,60歳以上の免疫が正常な成人において帯状疱疹ワクチンの安全性を重点的に扱っている.プラセボ接種者(48%対16%)より多くのワクチン接種者が接種部位副作用を報告した.このような現象は70歳以上よりも60歳から69歳でよく見られた.しかしながら,予防接種後42日以内の重篤な有害事象は,ワクチン接種者とプラセボ接種者(各グループにおける1.4%)に同じ割合で起こった.
(翻訳:鈴木克典)
水痘ウイルスワクチンの使用に際しての障壁
Barriers to the Use of Herpes Zoster Vaccine
Laura P. Hurley, Megan C. Lindley, Rafael Harpaz, Shannon Stokley, Matthew F. Daley, Lori A. Crane, Fran Dong, Brenda L. Beaty, Litjen Tan, Christine Babbel, L. Miriam Dickinson, and Allison Kempe
対象となりうる人々の10%未満しか水痘ウイルスワクチンをうけていない.今回の全国調査は米国内のプライマリ・ケア医にワクチン接種の実施,払い戻しの問題,そしてワクチン接種に際しての障壁について問うた.医師たちはワクチン接種が少ないのは経済的な因子がもっとも多い理由であることを見出した.ワクチンはおよそ200ドルかかり,メディケアはパートBのかわりにパートDを通じて医師らに払い戻す.水痘ワクチンの接種率が上昇するとこの医療行為への払い戻しについての再整備が必要になるかもしれない.
(翻訳:山内高弘)
健康成人における年齢と腎生検に基づいた腎硬化症との関連
The Association Between Age and Nephrosclerosis on Renal Biopsy Among Healthy Adults
Andrew D. Rule, Hatem Amer, Lynn D. Cornell, Sandra J. Taler, Fernando G. Cosio, Walter K. Kremers, Stephen C. Textor, and Mark D. Stegall
腎機能が正常である成人における腎硬化症の進行についてはほとんど知られていない.1,203人の生体腎移植のドナーの腎生検標本をみると,腎硬化症の有病率は年齢とともに著明に増加する.例えば18歳から29歳では5%未満であるのに対し,40〜49歳では約30%になり,60〜69歳の人では約60%となる.健康なドナーにおける尿中アルブミン量や,血圧,糸球体濾過率の差では,年齢による腎硬化症の増加を説明できない.
(翻訳:田川美穂)
成長ホルモンが娯楽で運動をしているスポーツ選手の体組成および身体能力に及ぼす影響:無作為化試験
The Effects of Growth Hormone on Body Composition and Physical Performance in Recreational Athletes:A Randomized Trial
Udo Meinhardt, Anne E. Nelson, Jennifer L. Hansen, Vita Birzniece, David Clifford, Kin-Chuen Leung, Kenneth Graham, and Ken K.Y. Ho
成長ホルモンは一部の運動選手に悪用されているが,競技成績へ及ぼす効果は未だ数量化されていない.96人の娯楽で運動しているスポーツ選手 (男性63人,女性33人)に行った無作為化試験では,成長ホルモンは全力疾走の能力を有意に向上させた.男性にテストステロンと共に成長ホルモンを投与すると,全力疾走能力は約2倍になった.しかし,成長ホルモンは有酸素運動能力や持久力や瞬発力には全く効果を示さず,使用を中止すると6週間後には効果が消失した.
(翻訳:渡邊祐子)
最新情報(Updates)
肺および集中治療医学の最新情報
Update in Pulmonary and Critical Care Medicine
Anthony F. Suffredini, Henry Masur, and Joseph P. Lynch III
肺および集中治療医学におけるこの最新情報では,2009年に発行された12本の論文を取り上げている.話題として,慢性閉塞性肺疾患,喘息,肺炎,血糖コントロールと死亡率,早期の理学・作業療法,敗血症性ショック,2009年のインフルエンザA型(H1N1型)アウトブレイクへの反応,クロルヘキシジン含浸スポンジが挙げられている.
(翻訳:増田浩三)


レビュー(Reviews)
系統的レビュー:静脈血栓塞栓症に対する治療を行った患者における再発性静脈血栓塞栓症と大出血イベントの致死率
Systematic Review:Case-Fatality Rates of Recurrent Venous Thromboembolism and Major Bleeding Events Among Patients Treated for Venous Thromboembolism
Marc Carrier, Grégoire Le Gal, Philip S. Wells, and Marc A. Rodger
医師は,静脈血栓塞栓症(VTE)に対する新しい抗凝固療法の有益性および有害性を秤にかけて再発性VTEと大出血イベントの致死率を検討すべきである.69研究からのこの系統的レビューでは,抗凝固療法開始3か月間の再発性VTEと大出血イベントの致死率は11.3%であることがわかった.抗凝固療法終了後の再発性VTEの致死率は3.6%であった.
(翻訳:井田弘明)
メタ解析:急性心原性肺水腫に対する非侵襲的換気法
Meta-analysis:Noninvasive Ventilation in Acute Cardiogenic Pulmonary Edema
Cui-Lian Weng, Yun-Tao Zhao, Qing-Hua Liu, Chang-Jun Fu, Feng Sun, Yan-Liang Ma, Yan-Wen Chen, and Quan-Ying He
持続的気道陽圧法(CPAP)または二相性陽圧法を用いた非侵襲的換気法は急性心原性肺水腫の治療法として用いられてきたが,最近の大規模臨床研究の結果からこれらの治療戦略は従来考えられていたものより効果が低いことが分かった.31の無作為化比較試験である2887症例からなる本レビューによれば,標準的治療法と比較して,特に心筋虚血や心筋梗塞症例の比率が高い試験で,CPAPは死亡率を低減し気管内挿管を必要とした.二相性陽圧換気法は気管内挿管の必要性を低減したが死亡率は変わらなかった.これらの総和としてのエビデンスから急性心原性肺水腫の症例に対する非侵襲的換気法が有用であることを示している.
(翻訳:新沼廣幸)
論評(Editorials)
迫り来る帯状疱疹の発疹と成人の予防接種の課題
The Looming Rash of Herpes Zoster and the Challenge of Adult Immunization
James G. Donahue and, Edward A. Belongia
今号での2つの報告は,帯状疱疹の予防に関する良いニュースと悪いニュースの両方を強調したものである.Simberkoffと同僚らは,帯状疱疹ワクチンの良好な安全性という側面を示したが,Hurleyと同僚らは,プライマリ・ケアの場において適応患者に対するワクチン投与を妨げている主要な要因は,公費による払戻しのシステムであることを示した.ワクチンはあらゆる年齢の人々において,重大な疾患の予防に重要な役割を有しており,小児期のワクチン供給に集中している現在の制度を再考すべき時期である.
(翻訳:増田浩三)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
帯状疱疹の予防ワクチンの安全性
Safety of the Vaccine to Prevent Shingles
(翻訳:山本智清)
帯状疱疹ワクチンの普及を妨げるもの
Barriers to the Use of a Vaccine to Prevent Shingles
(翻訳:井上直紀)
運動競技における成長ホルモンドーピングの効果
Effects of Growth Hormone Doping on Athletic Performance
(翻訳:古賀丈晴)
クリニックにて(In the Clinic)
うつ病
Depression
(翻訳:吉井康裕)
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