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レビュー(Review)
メタ解析:急性心原性肺水腫に対する非侵襲的換気法
Meta-analysis:Noninvasive Ventilation in Acute Cardiogenic Pulmonary Edema
Cui-Lian Weng, MD;Yun-Tao Zhao, PhD;Qing-Hua Liu, MM;Chang-Jun Fu, PhD;Feng Sun, PhD;Yan-Liang Ma, MD;Yan-Wen Chen, MD;and Quan-Ying He, MD
4 May 2010 | Volume 152 Issue 9 | Pages 590-600
背景: 非侵襲的換気法(NIV)は急性心原性肺水腫(ACPE)の治療法として広く使用されている.しかし,最近の大規模臨床試験の知見によればNIVは従来考えられていたより効果が低いかもしれないことが示唆されている.

目的: ACPE症例の臨床的アウトカムに対するNIVの効果の推測において最近の試験のエビデンスを包含し,NIVを推奨する既知のエビデンスに関連してこのエビデンスの解明を模索すること.

情報源: 1966年から2009年12月までのPubMedとEMBASE(訳注:Elsevier Science社が作成する医学・薬学文献データベース),2009年12月までのCochrane Central Register of Controlled Trials(訳注:英国のCochrane Collaborationが医療情報を収集,提供しており,Cochrane Central Register of Controlled Trialsは,適切にデザインされた臨床試験についての文献を集積したものである)および参考文献集で言語制限は行わなかった.

研究の選択: 持続的気道陽圧法と標準的治療に二相性陽圧法を行ったもの,またはそれぞれを比較した無作為化試験.

データ抽出: 二人の独立したレビュアーがデータを選別した.死亡率,気管内挿管率,新規心筋梗塞の発症をアウトカムとして検定した.

データ合成: 標準的治療法と比較して,持続的陽圧換気法は死亡率を低減し(相対リスク,0.64[95%CI, 0.44〜0.92]),気管内挿管を必要としたが(相対リスク,0.44[CI, 0.32〜0.60])新規心筋梗塞の発症に変化はなかった(相対リスク,1.07,[CI, 0.84〜1.37]).治療効果は心筋虚血または心筋梗塞が肺水腫を生じた患者で顕著であり,10%の患者が心筋虚血または心筋梗塞(相対リスク,0.92[CI, 0.7〜1.10])対50%の患者が心筋虚血または心筋梗塞(相対リスク,0.54[CI, 0.33〜0.86])であった.二相性換気法は気管内挿管の必要性を低減したが(相対リスク,0.54[CI, 0.33〜0.86]),死亡率や心筋梗塞を低減しなかった.持続的陽圧換気法と二相性換気法では臨床的アウトカムの直接比較では全く有意差がなかった.

研究の限界: エビデンスベースの内容には限界がある.急性心原性肺水腫の定義,原因,重症度は各試験間で異なっており,患者背景や臨床背景でも同様であった.

結論: 最近の大規模試験は過去の研究と相反した結果を示したが,これらの総和としてのエビデンスから急性心原性肺水腫の症例に対する非侵襲的換気法が有用であることを示している.持続的陽圧換気法は心筋虚血や心筋梗塞に続発する急性心原性肺水腫の患者でより死亡率を低減する.

主たる資金提供源: なし

(翻訳:新沼廣幸)

English Abstract

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