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(更新日 2010年7月20日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
6 July 2010 Volume 153 Issue 1
(監修:菅野義彦,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
勃起障害治療薬の使用者における性行為感染症:保険金請求データの解析
Sexually Transmitted Diseases Among Users of Erectile Dysfunction Drugs: Analysis of Claims Data
Anupam B. Jena, Dana P. Goldman, Amee Kamdar, Darius N. Lakdawalla, and Yang Lu
中年と高齢男性における勃起障害(ED)に対する薬物治療が広がり,同薬使用者における性行為感染症(STD)への懸念が高まっている.1,410,806名の40歳以上の男性におけるこの保険金請求の解析では,ED薬の使用者はED薬治療開始前後の年のSTDの罹患率が,非使用者よりも高く,観察されたSTDのうちHIV感染がかなりの割合を占めていた.これらの所見は,ED薬の処方の際にSTDリスクの評価と安全な性行為に関するカウンセリングも併せて行うべきであることを示唆している.
(翻訳:高田 徹)
最近活動性が低下した急性期患者における長期静脈血栓塞栓症予防:無作為化試験
Extended-Duration Venous Thromboembolism Prophylaxis in Acutely Ill Medical Patients With Recently Reduced Mobility: A Randomized Trial
Russell D. Hull, Sebastian M. Schellong, Victor F. Tapson, Manuel Monreal, Meyer-Michel Samama, Philippe Nicol, Eric Vicaut, Alexander G.G. Turpie, Roger D. Yusen, and for the EXCLAIM (Extended Prophylaxis for Venous ThromboEmbolism in Acutely Ill Medical Patients With Prolonged Immobilization) study
この大規模無作為化試験は,急性期患者における静脈血栓症(VTE)に対する長期のエノキサパリンによる予防の有効性と安全性を検証した.長期のエノキサパリンはプラセボと比較して静脈血栓塞栓症を減少したが,出血性合併症を増加した.特筆すべきは,長期エノキサパリンの有効性が証明されたのは静脈血栓塞栓症のリスクのもっとも高い患者群だけだったことである.
(翻訳:山本光孝)
院外の心停止における小地域でのばらつき:その地区の問題か?
Small Area Variations in Out-of-Hospital Cardiac Arrest: Does the Neighborhood Matter?
Comilla Sasson, Carla C. Keirns, Dylan Smith, Michael Sayre, Michelle Macy, William Meurer, Bryan F. McNally, Arthur L. Kellermann, Theodore J. Iwashyna, and for the CARES (Cardiac Arrest Registry to Enhance Survival) Study Group
院外での心停止の頻度やそのアウトカムには地域で大きな違いがある.この研究は,ジョージア州アトランタのフルトン郡で,2005年10月1日から2008年11月30日の間の161の国勢調査地区で得られたデータから,心停止がいつも高率の地区では居合わせた人が心肺蘇生を行うのが低率であることを証明するためになされた.そのような地区では地域ぐるみでの介入によってたまたま居合わせた人が心停止にさいしてもっと心肺蘇生をおこなうようになることが期待される.
(翻訳:川田秀一)
最新情報(Updates)
最新情報(消化器病学・肝臓病学)
Update in Gastroenterology and Hepatology
Norton J. Greenberger andPrateek Sharma
今回の最新情報には,2009年に発表された消化器病学・肝臓病学の臨床に関連した11の研究が要約されている.食道疾患,プロトンポンプ阻害剤治療,肝疾患,急性膵炎,骨盤底障害,および腸疾患がトピックスとして挙げられている.
(翻訳:平野昌也)
レビュー(Reviews)
メタ解析:慢性腎臓病患者における赤血球生成刺激因子製剤
Meta-analysis: Erythropoiesis-Stimulating Agents in Patients With Chronic Kidney Disease
Suetonia C. Palmer, Sankar D. Navaneethan, Jonathan C. Craig, David W. Johnson, Marcello Tonelli, Amit X. Garg, Fabio Pellegrini, Pietro Ravani, Meg Jardine, Vlado Perkovic, Giusi Graziano, Richard McGee, Antonio Nicolucci, Gianni Tognoni, and Giovanni F.M. Strippoli
このメタ解析は最近の臨床研究からのエビデンスを含み,赤血球生成刺激因子製剤(ESAs)の貧血と慢性腎臓病(CKD)の患者における予後をまとめている.10452名の患者を含む27の臨床研究で,高い目標ヘモグロビン値は低い目標値と比較して,脳卒中,高血圧,そしてバスキュラーアクセスの血栓のリスクの増加と関連した.治療による影響はCKDの全てのステージで同程度であった.これらの結果から高いヘモグロビン値を設定するためのESA使用はCKD患者に有害でありえると示唆される.有害のメカニズムを解明するため,更なる研究が必要である.
(翻訳:山本 卓)
展望(Perspectives)
病院での有害な薬物乱用のスクリーニングや評価・治療に対する達成度の尺度:支援活動またはエビデンスに基づいた診療となりうるか?
Candidate Performance Measures for Screening for, Assessing, and Treating Unhealthy Substance Use in Hospitals: Advocacy or Evidence-Based Practice?
Richard Saitz
最近,合同委員会が提唱したのは,入院患者による有害薬物の乱用に対して,スクリーニングと簡便な介入(screening and brief intervention,SBI)により達成度を計る尺度であった.しかし,これらの測定法は,プライマリ・ケアの外来患者や入院患者における不健康なアルコール消費,また,他の薬物への依存等に対するSBIの有効性の証拠を推定するという条件に基づいている.あらゆる医療現場で,有害薬物乱用に対するケアの質を改善する必要があるが,病院でSBIに対するケアの質を計るには,あまりにもエビデンスを論ずる環境が限定されていると著者は論じている.
(翻訳:板東 浩)


ハイチ大災害で迅速な対応:イスラエル野戦病院の事例
Early Disaster Response in Haiti: The Israeli Field Hospital Experience
Yitshak Kreiss, Ofer Merin, Kobi Peleg, Gad Levy, Shlomo Vinker, Ram Sagi, Avi Abargel, Carmi Bartal, Guy Lin, Ariel Bar, Elhanan Bar-On, Mitchell J. Schwaber, and Nachman Ash
2010年1月,ハイチ大地震後のわずか89時間後に,イスラエル防衛医療部隊の野戦病院は,現地で十分に機能していた.このように迅速な対応を可能とした主因は,用意周到で訓練された医療部隊が継続的に警戒態勢を保持したことによる.地震現場での野戦病院は,トリアージやスタッフの配置,治療の優先順位,入院の方針などに関して最大限の柔軟性と融通性をもって機能せねばならず,さらに担当の行政機関と早期の協力体制が不可欠となる.
(翻訳:板東 浩)


論評(Editorials)
人生は40歳から
Life Begins at Forty
Thomas Fekete
この号では,Jenaと同僚らは,勃起障害治療薬を開始する前年と翌年の両方において,処方を受ける男性は処方を受けない男性よりもHIVを含む性行為感染症の罹患率が高いと報告している.この研究は性行為感染症のカウンセリングを40歳で中止すべきでないことを我々に気づかせてくれる.
(翻訳:吉井康裕)


臨床試験とそのサブグループ解析における患者の集約化と非集約化
Aggregating and Disaggregating Patients in Clinical Trials and Their Subgroup Analyses
David M. Kent and Peter K. Lindenauer
この号では,Hullと同僚らは,入院患者における深部静脈血栓症の予防にenoxaparin長期療法の無作為化臨床試験を報告し,長期療法は高リスクのサブグループの患者では利益が制限されることを示唆した.この試験は,深部静脈血栓症のよりよいリスクモデルや治療効果の不均一性を報告したり評価するよりよい方法が必要であるという教訓を与えていると,この論評は指摘している.
(翻訳:吉井康裕)


慢性腎疾患における貧血のマネジメント:ヘモグロビンのバブルの崩壊
Anemia Management in Chronic Kidney Disease: Bursting the Hemoglobin Bubble
Daniel E. Weiner and Dana C. Miskulin
この論文で,Palmerと同僚らのメタ解析は慢性腎疾患の患者におけるESA関連の害についてのこれまでの所見を確認した.残された問題は,一定のヘモグロビンの下限を超えると,大抵の患者さんが赤血球産生刺激薬(ESA)の恩恵を得るような値が存在するか,ということと,生活の質の改善が,害を埋め合わせるような患者がいるかということである.
(翻訳:村上 純)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
勃起障害治療薬を使用する男性における性感染症
Sexually Transmitted Diseases Among Men Who Use Erectile Dysfunction Drugs
(翻訳:菊地基雄)
寝たきりの入院患者に低分子ヘパリン療法を延長して行うと,有益性が有害性を上回るでしょうか?
Do the Benefits of Prolonged Low-Molecular-Weight Heparin Treatment Outweigh the Harms in Hospitalized Patients Who Are Bedbound?
(翻訳:宮崎泰成)
クリニックにて(In the Clinic)
関節リウマチ
Rheumatoid Arthritis
(翻訳:井田弘明)
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